ジーネット株式会社コンサルタント ブログ

待場の読書論

(公開: 2018年10月07日)

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸にして

転職、開業、経営シーンでサポートし続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私にとって内田樹さんの著書を読む事は、

ある種のライフワークでもあり、

それこそ中毒患者のようでもあります(苦笑)。

 

しばらく読んでないと

ああ、今読んでる本が読み終わったら

次は絶対内田さんだあ~となるんです。

 

本日のブログのタイトルは、

待場の読書論 】といたしました。

 

医師キャリアブログ

 

本書をピックアップした理由

『 待場の読書論 』

内田 樹 太田出版 を読みました。

 

読書…。

私自身は本を読む事が大好きで、

暇さえあれば読書しているタイプです。

 

電車の移動時間などはその最も足るもので

横にスマホでゲームしている人がいようが、

前にグースカ寝ている人がいようが、

電車内は私にとって最高の読書タイムとなっています。

 

小学生当時から結構本を読んでいたのですが、

部活動にのめり込んだ中学、高校時代は全く読んでおりません。

この期間に読書をしなかったのは

私の人生の中で後悔のひとつなのですが、

大学時代から読書熱が復活してきて、

社会人になってからは猛烈に読むようになりました。

 

それから25年以上経ちますが、

不思議と全然飽きませんね~(笑)。

 

読書のない人生など考えられなくなっています。

知らない事を知る。

知ると知らない事がなぜか増える。

だから知らない事を少しでも減らしたい。

そんな繰り返しですもんね、読書って。。。

 

そして私の敬愛する内田さんが読書論を語る…。

そりゃ読むでしょう(^^)。

 

今まで読んできた内田さんの著書の中でも

紹介されていた本を読んで

すごく勉強になったケースも多く、

かなり楽しみに読み始めたのでした。

 

目次

第1章 文芸棚

第2章 人文棚

第3章 ウチダ本棚

第4章 教育棚

第5章 著作権棚

第6章 表現とリテラシー

 

感想

いや~、さすがですね~。

もう絶対外れがないのが内田本ですね~。

 

普通、読書論と言えば、

著者のおススメ本を紹介しながら

それを解説するようなイメージを持っていたのですが

やはり内田さんはひと味違う。

 

本の解説というよりは、

すでに主題を持っていて、

その主題について語っている中で

サラリと本を紹介していく。

 

しかもピックアップする本が、

正直、私はほとんど読んでいなくて、

勉強不足を痛感させられるとともに

内田さんの興味の守備範囲の広さに驚きです。

 

この方は哲学からマンガまで(笑)、

日本文学から世界中の文学まで、

あらゆる書籍を読んでるんじゃないか?と思うほどの

圧倒的な幅広さに感銘を受けました。

 

ここからはいつもの如く、

私が本書の中でうむむ…と唸らせられた箇所を

ご紹介いたします。

 

「うまく説明できないもの」に反応する知性、

それを「導き手」として「前段」を「案出する力」、

それがどれほど稀有のものであり、

また真に知性的なものであるかは、

シャーロック・ホームズが嘆くように、

まだ人々には十分に理解されていない。(P15)

 

「世界の終わり」というのは、

リニアな時間の流れの最後に

「エンドマーク」が出るということではなく、

時間の流れを考量すること自体が

不可能になるような事況に投じられることだと

僕は理解しています。

つまり、「最初」とか「最後」とか、

「前」とか「後」とか、

「原因」とか「結果」とか、

「前提」とか「結論」といった言葉そのものが

無意味になること。

私たちが親しんでいる論理形式そのものが

機能しない場にいること。(P64)

 

本を開いてぱらぱら頁をめくっていれば、

それはすでに「読書」である。

というのは、読書には少なくとも

二つの形態がありうるということである。

一つは「文字を画像情報として入力する作業」、

一つは「入力した画像を意味として解読する作業である。

私たちが因習的に「読書」と呼んでいるのは

二番目の工程のことである。(P67)

 

「自分の知性では理解できないことを理解できている知性」を

想定することなしに、

人間の知性はその次元を繰り上げることができない。

科学者とは

「普通の人よりたくさんのことを知っている主体」のことではない。

そうではなくて、

「知っていると想定された主体」抜きには

人間の知性は速度も強度も長くは維持できないという真理を

経験的に知っている主体、

すなわち「自分の<生身性>を痛感している主体」、

「身体を持った主体」のことである。(P75)

 

自分の人生を豊かにしてくれる可能性を潜在させている人と出会うと、

生物的に「ぴん」とくる。

悟性的な判断ではありません。

でも、「わかる」。

人間だって生物ですから、

出会うものが

「自分の生きる知恵と力を高めてくれるもの」

かどうかはわかるんです。(P228)

 

「成熟」というのは、

知性的なものであれ、

感性的なものであれ、

自分が今手元に持っている「ものさし」では

考量できないものがこの世には存在するという

自分の「未熟さ」の自覚とともに起動します。

それはある種の運動性です。(P233)

 

もっとも弱く、

非力なものとともに共同体を作り上げ、

運営していくためには、

どうしてもそれなりの数の「大人」が必要です。

十分な能力があり、知恵があり、

周囲から十分な敬意や信頼を得ているものは、

その持てる資源を自己利益のためではなく、

かたわらにいる弱く、苦しむ人たちのために

用いなければならないと考える「大人」が必要です。(P244)

 

私たちの社会では、

「エビデンス」のないものは「存在しない」ことになっている。

私は先ほど「アラーム」と書いたが、

もちろんそのようなものに「エビデンス」はない。

だから常識的に考えると。

「アラーム」というのは私の「妄想」だということになる。

だが、そのような種類の危険に対するセンサーが

現に作動していなければ、

武道の稽古が成り立たないということは

経験的にはたしかである。

私が「アラーム」と呼んでいるものは

「エビデンス」が存在しないのではなく、

「エビデンスを考量できる計測機器がまだ存在しない」ものだと考えたい。

(P292)

 

ウェブと新聞のいちばんの違いは、

新聞は「読む気がないのに目に入る」情報があるけれど、

ネット上の情報検索では「読む気のある情報」しか

目に入らないことだと思います。(P312)

 

「質のよい情報」とは物性のことではない。

そうではなくて、

自分の発信する情報が

「情報環境全域」の中でどこに位置づけられ、

どう機能しているかを

「マップ」できるということである。

「私はこのことを言うことによって

『何を言いたいのか』」を言える情報のことである。

「今発信されつつある情報の評価についての情報を含む情報」のことである。

それが良質な情報である。

質の悪い情報とはその逆のもののことである。(P362)

 

えっと長くなってすみません。

他にもご紹介したい箇所がたくさんあるのですが、

前後の文脈がわからないと

真意は伝わらないかもしれませんね。

 

でも何を言わんとしているのかは

何となく理解できるでしょうし、

ふむ、と頷けるようであれば

本書を読むとその何倍もの納得感が得られると思います。

 

評価

おススメ度は ★★★★★ と満点といたします。

 

この街場シリーズも結構読んできましたが、

どの本も本当に勉強になります。

 

本書は特に第4章の教育棚、第5章の著作権棚、

第6章の表現とリテラシー、

ここは読み応えが特にありました。

 

いわゆる社会的常識って

別に常識でもなんでもないんだな。

もっとより良い考え方があるんだな…という事を

論理的に、倫理的に理解させてくれました。

 

そして内田さんの本と言えば、

面白いのはまえがきとあとがきです(笑)。

 

本書はまえがきがなくて残念でしたが、

その分、あとがきが素晴らしい!

このあとがきだけでも

掘り下げれば充分に1冊の本になりそうです。

さすがの文筆力です。

 

メッセージが運搬しうるもっとも重要なメタ・メッセージは、

「宛て先が存在する」であるということです。

リーダビリティの本質はコンテンツにあるのではなく、

「そのメッセージは自分宛てのものだ」と

直感する人を得ることにある。

 

いやいやホントに数珠のような言葉の連続です。

自分の知性を起動させたい方には

超絶おススメいたします。

 

それでは、また…。

 

 

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