おはようございます。
医師のキャリアプランを研究し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
当ブログでは何度かお知らせしてきました
人生の二大失敗要因…。
「焦り」と「慢心」。
私のように長く医療業界で
転職・開業シーンで仕事をしていますと
実に様々な失敗の話しを伺います。
よく考えてみると
これらの失敗の要因は
そのほとんどが「焦り」と「慢心」なのですね…。
本日のブログのタイトルは、
【 医師の転職や開業時の失敗は
「焦り」と「慢心」を遠ざけると相当に防げます! 】
といたしました。
<目次>
1.医師の転職時の失敗事例
・焦って決めた職場選びの失敗
・慢心して上層部と決裂した転職活動の失敗
2.クリニックの開業時の失敗事例
・焦って決めた開業物件選びの失敗
・慢心して業者が次から次へと去っていった失敗
*まとめ
目次
1.医師の転職時の失敗事例
医師の転職時の失敗事例では、
その多くが…
・求人に翻弄された
・転職エージェントに騙された
・事前に聞いていた話しと全く異なる
これらのいずれかのケースが多いようです。
焦って決めてしまったケースや
慢心が失敗要因だったというケースは多くありませんか?
今回はその辺りを見てみましょう。
・焦って決めた職場選びの失敗
医師が焦って次の職場を決めて
失敗してしまったパターンは
大きく分けて2つあると考えます。
退職日が決まっているために
早く次の職場を決めたかったパターンと、
転職エージェントからここで決めましょうと急かされて
ついYESと言ってしまったパターンです。
いずれにしても
あまりよい事はないと思います。
通常、退職の申し出は
次の職場が決まってからするものです。
しかし医師の場合は
特に大学医局や自治体病院では多いのですが、
退職するために半年から
場合によっては1年くらいの時間が必要になります。
こうなると次の職場を先に見つけて、
その上で退職の申し出をするのが
タイミング的に難しいケースも出てきます。
さすがに1年後に入職して下さるドクターを
医療機関側も面接して採用するのは難しいですからね。
であれば先に退職の目途を立てて、
それから転職活動をスタートして、
早く職場を決めたくて
どうしても焦ってしまって、
思わずYESと言ってしまうケースはありますよね。
その段階ではホッと胸をなでおろすことができても、
入職したら思っていたのと違う…となりがちなのです。
もうひとつは医師の転職エージェント。
これは業界の恥部でもありますが、
ホント恥ずかしいくらいにエージェントは
無理やり押し込もうとするのですね…。
会社からノルマを与えられ、
数字、数字と詰められる毎日。
売上に至るプロセスでも
KPIでガチガチに管理されており、
もう担当者としては
決めないと詰められる…と戦々恐々なのです。
だから大した理由がなくても
面接に行って内定が出たなら
とにかくそこに行って欲しいのです。
その結果として
無理な営業が蔓延ります。
こんなのに乗っかってしまってはいけません。
本当にいい所であれば
自信を持っておススメできますので、
無理強いする必要などないのですから…。
・慢心して上層部と決裂した転職活動の失敗
これはある先生の体験談です。
腕に自信のある先生。
一般的な手術はもちろん
オールマイティーにこなしますし、
自分の専門領域は手掛けている医師が少なく
希少性も高いのです。
センター長という役職を持ち、
若手ドクターやスタッフをマネジメントしています。
理事長や院長からも一目置かれる先生でしたが、
ある日、経営方針を巡って上層部と口論になり、
勢い余って暴言を吐き、
こんな病院いつでも辞めてやる…と。
どうせ自分がいなきゃ回らないのだから、
理事長や院長の方から折れてくるだろうと
高を括っていたそうですが、
待てど暮らせど何も言ってこない…。
え、オレ辞めなきゃいけないの?
プライドの高い先生は
自分から謝るという選択肢は持てず、
結果的にそのまま退職。
慌てて転職活動を始めたものの
ただでさえ希少性の高い専門領域ですので、
近隣の病院には噂話が流れているようで
どこも採用に二の足を踏んでいます。
致し方なく、
隣の県の病院で探して
ようやく職場は見つかりました。
ただし前職よりも
年収はかなり下がってしまったようです。
このような状況には
極力追い込まれないように
大人の対応が必要ですね…。
自分が1番だと思って、
他者との関係性を悪化する。
よくある慢心の失敗事例です。
<参考>
医師の転職失敗の乗り切り方とは?
2.クリニックの開業時の失敗事例
私は医師の転職は、
医師人生の分岐点でありますから
求人の条件面だけで判断するのではなく、
中長期的なキャリアプランを持って
慎重かつ将来のために
戦略的に考えるべきであると思っています。
しかしクリニックの開業の場合は、
銀行から多額の融資を受けて行う場合が大半ですし、
失敗が許容できるものではありませんよね。
私は安易な転職には反対ですが、
安易なクリニック開業なんて
決してあってはならないと考えています。
・焦って決めた開業物件選びの失敗
釈迦に説法ではありますが、
クリニックを開業するにあたって
開業地の選定、開業物件探しというのは
最初の大きなハードルです。
妥協して決めてはいけません。
誰もがそんな事は百も承知なのですが、
なかなか良い開業物件と出会えないと
段々と焦ってきて、
もうこれでいいか…と妥協しがちなのですね。
本来は開業コンサルタントが
さらに良いものを徹底的に探さねばならないのですが、
どうしてもコンサルも早く決めたいですし
医師が焦ってくると
これでいいか…となりがちです。
それが先生の掲げている
クリニックのコンセプトにバッチリ合っていて、
ターゲットとする患者層が多く居住していて
事業計画上も無理のない諸条件であればいいですが、
そうでないのに妥協で決めてしまうのは
後々後悔する事になりかねません。
開業物件については、
妥協はしてはならないのです。
またもっと言えば、
開業コンサルタント選びの方が重要です。
よい開業コンサルタントなら
人脈が豊富ですし、
物件情報も次から次へと手に入ります。
また時には先生、もう少し粘りましょう!
もっとよい物件があるはずです…と
こういったアドバイスをしてくれるコンサルが
やはり望ましいですね。
・慢心して業者が次から次へと去っていった失敗
クリニックの開業には
非常に多くの業者が関わる事になります。
みな仕事が欲しいというのはありますが、
あまりにも無理難題を押し付けて、
提案した内容を勝手に各社に共有して
さらに安価で請け負ってもらおうとするなど、
業者を開業を成功させるパートナーとしてではなく
それこそ下請け業者のように扱うと
力のある業者ほど離れていってしまうでしょう。
開業医は経営者ですから、
この先に頭を下げることも多いのです。
それなのに高飛車で、
上から目線で、
本来はパートナーとして機能すべき
業者の皆さんを邪険に扱ってはいけません。
これなど慢心が失敗に繋がる
よくあるパターンと言えるでしょう。
実際にこのような行動を続けて、
業者がどんどん入れ替わっていく中で
業者仲間に悪い噂が流れてしまい
誰も引き受けてくれなくなった先生がいます。
もったいないですよね。
みなそれぞれの高い専門性を持っているのに
勝手に見切って、文句ばかり言って、
どんどん違う業者に入れ替えていくうちに
誰にも相手にされなくなるなんて…。
<参考>
クリニックの開業が上手く行かない決定的な理由とは?
*まとめ
医師のキャリアの転換である
転職や開業シーンでも
「焦り」と「慢心」は
大きな失敗要因になることが
おわかりになりましたでしょうか?
私自身、今まで多くの先生方から
転職や開業の失敗話しを伺ってきました。
その失敗要因は実に様々ですが、
なかには医師の転職エージェントや
クリニックの開業コンサルタントが問題である事も
決して少なくありません。
私はプロとして
転職や開業を失敗する先生を減らしたいのです。
ですから当ブログを始めとして
事前にノウハウを手に入れていただくために
継続した情報発信を続けています。
失敗事例に関しては、
下記のリンク先でもまとめています。
転職・開業失敗事例
読み物形式で
すでに300件以上の記事がありますので
お時間ある時にご覧になって下さい。
それでは、また…。
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