おはようございます。
医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
何事もタイミングって大事ですよね。
間違ったタイミングで先を急ぐと
思わぬ窮地が待ち受けていたりするものです。
今回は医師にとっての転職適齢期、
クリニックの開業適齢期について考えてみます。
そういうものがあるのかどうかはわかりませんが…。
本日のブログのタイトルは、
【 知らないと損する医師人生の転職適齢期?クリニックの開業適齢期? 】
といたしました。
<目次>
1.もし医師の転職適齢期があるとしたら?
・医師人生で転職って何回くらいするものでしょうか?
・ズバリ医師の転職適齢期は〇〇歳です!
2.もしクリニックの開業適齢期があるとしたら?
・原則、クリニックの開業は医師人生で1回だけです!
・ズバリクリニックの開業適齢期は〇〇歳です!
*まとめ
目次
1.もし医師の転職適齢期があるとしたら?
よく先生方と話題になるのは、
もし退局するならどのタイミングか?とか、
キャリアチェンジをするならいつか?とか、
そんな話しをする事があります。
これは個別的な話しであり、
一般論としての正解があるとは思えませんが、
考えておくことはマイナスではないでしょうから
まずは転職適齢期について考えてみます。
・医師人生で転職って何回くらいするものでしょうか?
時々、とても多くの医療機関で働かれてきて
プロフィールをいただくと
職歴が大変多くなってしまう先生がいらっしゃいます。
でも大抵の場合、
医局派遣などで1~2年ごとに動いてきただけで
ビジネスパーソンの職歴とは異なるのですね。
稀に民間病院を転々とされていらっしゃる先生もいますが、
年齢や経験年数に応じた回数であれば問題とはなりません。
基本的に医局派遣は1つでまとめて受け止められますから
例えばですが、
2000年4月 〇〇大学 〇〇科 入局
2000年9月~2001年3月 〇〇大学病院
2001年4月~2003年3月 ◇◇市立医療センター 医局派遣
2003年4月~2004年3月 △△総合病院 医局派遣
2004年4月~2005年3月 ◎◎市立病院 医局派遣
2005年4月~2007年3月 〇〇大学病院
2007年4月~2009年9月 ▽▽医療センター 医局派遣
2009年10月~2011年3月 ▢▢県立病院 医局派遣
2011年3月 〇〇大学 〇〇科 退局
2011年4月~2015年3月 ▲▲総合病院
2015年4月~2020年3月 ■■中央総合病院
このような経歴の場合は
3つの病院でご勤務し、
転職を2回したというように考えて問題ありません。
経歴的には多くても、
しっかり経験を積んでこられたという印象です。
もしこんな会社員がいたら
かなり問題ある経歴と言えますが、
医師の場合は大丈夫です。
ただ医局派遣でなく、
これくらいの回数の転職経験があると仮定したら、
40代以上のドクターであれば問題ありませんが
30代半ば未満のドクターですと
ちょっとこらえ性がないのかな?と思われる可能性はあります。
その場合は何を目的にしてその施設に行ったのか?
そこで何をして、どんな経験を積んだのか?
この辺りを併記しておくと良いと思います。
ビジネスパーソンには
かつて35歳転職限界説というものがありました。
今ではだいぶ緩みましたけど
それでも年齢を重ねる事は転職に不利になる事は
間違いがありません。
ところが医師の場合は
年齢を重ねる事はメリットになる事が多いです。
60歳以降になると
多少デメリットになる事も出てきますが、
40代、50代であれば何ら問題ではありません。
むしろ経験豊富なドクターとして
ウェルカムモードで迎えてくれるケースも多いですし、
条件的にも上がる場合もありますね。
たまたま入職した病院が気に入って
5年、10年といてしまった…という事もあるでしょうが、
医師にとっての転職はキャリアアップでもあり、
また医局派遣が1~2年で病院が変わるケースが多いために
医師の場合は転職回数に関して寛容であると感じます。
ですから医師は何度転職しても
そう問題にはなりません。
ただし医局派遣ではないのに
半年や1年程度で転々と職場を変えていたり、
退職時に大揉めに揉めた…などというのは
どうしてもマイナスになりますから
やはりキャリアプランを持って
意図のある転職をするのがいいですね。
・ズバリ医師の転職適齢期は〇〇歳です!
このような状況ですから、
医師の転職適齢期は1回ではありません。
それでも敢えて言うならば
あくまでも私の個人的見解ですが、
①30代半ば
②40代に差し掛かる前
③40代半ば
④50代に差し掛かる前
⑤50代後半
この5つのタイミングが
転職適齢期と言えるかと考えます。
ひとつずつ説明します。
いつ大学医局を抜けるかにもよるのですが、
一般的には「30代半ば」は最初の転職適齢期です。
研修医、専攻医と若手医師時代を過ごしてきて
まだまだ課題や学ぶべき事は多いですけど、
ひと通りのことはできるようになってきて
環境を変えてキャリアアップしたいと思う頃だからです。
方向性をガラっと変えるキャリアチェンジであったり、
時には転科であったり、
新たなチャレンジをしたくなる時期でもありますね。
ただ焦る時期ではありませんから、
自らのキャリアプランをじっくり考えた方が良いでしょう。
転職ありきではなく、
中長期的なキャリア設計が先決と考えています。
次に「40代に差し掛かる前」ですが、
この頃になると
経験も自信も付いてきて
今の職場では物足りなくなってくるという事が増えます。
外の世界でチャレンジしたいとか、
さらなる高みの世界で勝負したいなどですね。
中長期的な戦略を持って
1歩を踏み出すのも良いと思います。
そして次の「40代半ば」ですが、
ここ相当に重要です。
この時点での転職は
その後の医師人生を決めると言っても
過言ではないと思われます。
もしクリニックの開業も検討しているのなら
この時点がラストチャンスとも言えます。
かなり大きな分岐点ですから、
プロの第三者の見解も収集した上で
ご決断なさるのがいいですね。
そして「50代に差し掛かる前」ですが、
この時点になると引退から逆算した将来設計が必要です。
大きなキャリアチェンジもしにくくなりますので
過去の経験をどのように活かすか?という発想を持って、
冒険やチャレンジではなく、
手堅いキャリア設計が必要になってきます。
最後に「50代後半」ですが、
この先の60代、70代を無理なく過ごしていくための
大きな方向性を見定めるタイミングと考えます。
小さな変化は今後もあり得ますけど、
大きな変化は心身ともに厳しくなっていくでしょうから
ベテランドクターならではの落ち着いたキャリア思考が大事です。
ざっとご説明しましたが、
これを見ると30代後半から50代後半までは
ずっと転職適齢期じゃん…と思われる方も多い事でしょう。
はい、そうなんです。
別に転職というのはしなければならないものではありません。
してもいいし、しなくてもいいのです。
ただ医師人生を長い目で見た時には、
30代後半から50代後半の間は
転職を受け入れてくれる医療機関は多いという事ですね。
もちろん20代後半、30代前半、60代以降は
転職できないという事ではありません。
あくまでもこれは一般論であって、
個別具体的には様々なケースがある事を申し添えておきます。
そして最後にズバリ医師の転職適齢期は?と
もし私が問われたとしたら
「③40代半ば」と答えます。
さらに具体的に述べれば
42~47歳くらいでしょうか?
この時期は医師人生において
最も重要かつ大きな転機になると考えております。
私が最近頻繁にお知らせしている
医師のキャリアの4ステップで考えてみると、
キャリアドリフト
↓
キャリアアンカー
↓
キャリアプラン
↓
キャリアパス
40代半ばですと
充分なキャリアドリフトを積み重ねてきて
自分らしいキャリアアンカーも見えてきています。
あとは中長期的に、ライフプランをベースに、
自分らしいオリジナリティ溢れるキャリアプランを設定し、
具体的な戦略としてのキャリアパスを見い出せばよいのです。
専門性の高い医師だからこそ
この40代半ばは大きな分岐点と考えます。
ちなみにビジネスパーソンの場合は
30代半ばくらいであると思います。
<参考>
全く知られていない?キャリアドリフトなき医師人生の大きなリスクとは?
2.もしクリニックの開業適齢期があるとしたら?
続きましてクリニックの開業適齢期についてです。
こちらは医師の転職適齢期と比較すると
かなり明確にお伝えする事ができます。
クリニックを開院すればいいだけなら
あまり熟慮せずに突き進んでもいいとは思いますけど、
本当に大事なのは開院した後に
どのように経営していくか?ですよね。
3年とか5年だけ成功すればいいものではありませんし、
この先の20年、30年以上もの長い期間で成功し続けるためには
ベストなタイミングというものがあると私は考えています。
・原則、クリニックの開業は医師人生で1回だけです!
クリニックの開業にも様々な形態があります。
いわゆるごく一般的な新規の開業、
親子間や親族間での承継開業、
それ以外の第三者承継の開業、
医療法人が新規で分院を開業するケースや
あまり表には出せないグレーな開業まで
いろいろあるんですね。
ただ圧倒的に件数が多いのは、
一般的な新規の開業です。
1度、クリニックを新規開業して、
上手く行かずに閉院…、
その後に一念発起して再度の新規開業…というケース、
まあなくはないのでしょうけど、
相当なレアケースです。
通常は新規開業したら
長くそのまま続けるか、
上手く行かずに閉院して勤務医に戻るか、
いずれかしかありません。
90%以上のケースで長く続けていますので
必要以上に不安を持つことはありませんが、
原則、クリニックの開業は1回こっきりである事、
そして開院後は院長して、
つまり経営者として、事業家として
長期に渡ってクリニックを運営していくのだ!という
強い覚悟と高いモチベーションは必要不可欠です。
開業「でも」するか…
開業「しか」ないか…
いわゆる「でもしか」開業なんて言われてますが、
競合医院の少ない地方であればいざ知らず、
どこに出店してもだいたい競合がある首都圏では
「デモシカ」では上手く行きません。
運次第となりがちです。
そういう意味では
あまり早すぎてもいけませんし、
あまり遅すぎてもいけないのですね…。
・ズバリクリニックの開業適齢期は〇〇歳です!
今回はズバリ申し上げます。
医師がクリニックを新規開業する適齢期は、
「40代」です。
少し幅が広いですけど、
それでも私は「40代」であると自信を持って申し上げます。
繰り返しますが、
開業医になるという事は、
経営者として生きていく事になるのです。
失敗は許されません。
1人で運営するならいいですけど、
数名のスタッフを雇用する訳ですし、
来院患者さんはじめ地域への責任もある訳です。
もちろん融資を受けた金融機関のためにも…。
最も重要なのは「継続」です。
ですから大成功するに越した事はありませんけど、
別に成功とか失敗という判断軸だけではなく、
事業を継続していく事を考えるのが良いですね。
継続さえできていれば
起死回生の挽回だって可能なのですから。
では継続するために何が必要か?
キャッシュフローです。
キャッシュさえあれば
挽回の機会を得ることができますし、
新たな策を打つことも可能です。
でもキャッシュが回らなくなれば
事業はそこで終了です。
黒字とか、赤字とかではなく、
資金繰りが命運を握っているのです。
自分らしいクリニックのコンセプトを打ち立て、
初期投資をできるだけ抑えること、
無理のない事業計画を立てること、
適切な集患マーケティングを実行し、
損益分岐点を常に意識して経営する事が大切です。
ではなぜ「40代」なのか?
この辺りの経営マインドを持つ事ができ、
医師としての経験値も高く、
人として尖ったところが薄れ、
アドバイスを真摯に受け止める事ができ、
金儲け以外の価値判断があり、
自己資金をしっかり貯める事ができていて、
銀行からの融資が受けやすく、
返済計画に無理がない。
これらの理由からです。
重要なのは、
医師としての経験値、
そして人間としての丸みでしょうか。
開業医って
別に学位を持っているから、
専門医を持っているから、
上手く行くものではありません。
患者の支持は
もっと人間的なところにあり、
医師としての本質にあると言えるでしょう。
別に30代中ばや後半では開業しない方が良いのか?
50代に入ってしまったらダメなのか?
そういう事ではありません。
私どもにも30代半ばの先生からご相談を頂いたり、
50代後半の先生の開業のお手伝いをしてきた事もありますから。
多少のバッファはあるものの
ベストな開業適齢期はどこか?と問われれば
私は「40代」と答えますし、
さらに具体性を求められるのなら
「40代半ば」であるとお伝えします。
ここから先は個別の問題です。
30代だって、50代だって、
GOです!と言うケースもありますが、
諸々の条件をクリアしたらの話しです。
一般論としては「40代」が望ましく
「40代半ば」がベストです。
<参考>
ありそうでなかった本物のクリニック開業コンサルタントとは?
*まとめ
適齢期としてよく言われるのは
結婚適齢期ですね。
<セキララゼクシィ>
男女それぞれに質問!結婚適齢期って何歳?
こちらのサイトによると
<女性の結婚適齢期>
1位:27歳
2位:28歳
3位:25歳
<男性の結婚適齢期>
1位:30歳
2位:28歳
3位:27歳
アンケートによると
このようになったそうです。
結構みなさん早いんですね。
30代後半で結婚した私などは
超晩婚と言えるのかもしれません。
でも適齢期に結婚したから
幸せな結婚生活を送れる訳ではありませんよね。
早くても遅くても幸せな人はいますし、
適齢期に結婚しても上手く行かなかった人もいますし、
結婚だけが幸福とは限りません。
その意味では医師の転職の適齢期にしても、
クリニックの開業の適齢期にしても、
あくまでもだいたいの基準であり
気にし過ぎる必要はありませんし、
変な焦りも不要と考えます。
絶対的に重要なのは、
どんな選択をしたか?よりも
選んだ道で成功できるように努力する事だと思いますので。
医師人生の評価をするのは
突き詰めれば自分自身です。
自分の納得感のあるキャリアを歩みたいものですね。
それでは、また…。
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