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クリニック開業セミナーに参加する必要はあるか?

2025年1月15日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

新しいことを始めるのは
誰だって多少なりとも恐れはあると思います。

何度か新しいことを始めてきた経験があると
それなりの「ノウハウ」がありますので
ある程度の恐れは軽減できるものですけど
初めてとなれば
そりゃ~やっぱり悩ましいのが普通ですよね。

クリニックを開業するということは
「経営者」になることです。

今までに経営者の経験があったり
ご両親が経営者だったり
親友が経営者だったりなどの幸運があればいいですが
そうではない場合は
かなり心許なく
こわごわと開業準備を始めることと思われます。

 

本日のブログのタイトルは、
【 クリニック開業セミナーに参加する必要はあるか? 】
といたしました。

 

<目次>
1.業者が群がる開業セミナー
・開業希望医師との接点が欲しい業者たち
・金で接点を買う業者たち
2.クリニックの開業セミナー不要論
・開業セミナーにノウハウはほぼない
・開業セミナーより経営の勉強
*まとめ

 

 

1.業者が群がる開業セミナー

クリニックの開業を志した際に
まずは様々な「情報収集」をされることと思います。

WEB上でクリニック開業と検索を掛けてみたり
いわゆる医療系のポータルサイトなどで
クリニック開業の記事を読んでみたりするでしょうか。

あまりお勧めはしませんけれど
開業物件の情報をチェックしてみたりもしますよね。

ところが私から見ても
正直、これは有益だなと思う情報は
残念ながらWEB上には少ないです。

最近ですとyoutubeでも
開業医をはじめとして
実にいろんな業者さんたちが情報発信をしています。

ところがその内容は…
かなりお寒いと私は考えておりまして
少し前に下記のような動画をアップしました。

注目を浴びる極端な話題は「王道」に勝てません! 

もちろん全てを否定するつもりはありませんし
なかには良い情報提供をしているものもあります。

ただ現状ではバズるための情報発信が多くて
本気でクリニックの開業を目指す先生にとっては
ちょっと害があるものが多いと言わざるを得ません。

WEB上にある情報が頼りないのであれば
今のところ最善なのは
先輩開業医の話を伺いに行くことではないでしょうか?

ただ10年前に開業した先生の話は
今では通用しなくなっているものもありますし、
いくら成功した先生のお話しでも
自分の理想とは異なるケースも少なくありませんよね。

そうなると参考になる点もあれば
そうではない点もあるというのが本音ではないでしょうか。

先日、ある先生から開業相談をお受けした時に
開業セミナーへの参加はどうなんですか?と
ご質問をいただきました。

今回はその先生への回答を共有するとともに
クリニック開業に備えて
どんな情報収集や勉強をしておくと良いのかについて
私の考えをお知らせいたします。

 

・開業希望医師との接点が欲しい業者たち

最初に申し上げておきますが
あくまでも私の個人的な見解でありまして
私の知る範囲でのお話しが今回の内容です。

開業セミナーのなかにも
素晴らしい内容のものもあるかもしれません。

ただ私が知らないだけということもありますので
それを前提にしてお読みいただきたいですし、
実は昨年は弊社が単独主催で開業セミナーを開催いたしました。

あくまでも弊社内でこじんまりと開催するつもりで
SNSでご案内しましたところ
7名のドクターにご参加いただきました。

掛けた費用はゼロ円です。

私自身が開業コンサルタントとして
今まで手に入れてきた事例やノウハウを
お伝えしようと企画したものですので
小さく実施したのですが
意外とご評価をいただけたようです。

理由は2つあると考えています。

ひとつはセミナー時も、
セミナー後も一切営業をしていないことです。

それはご案内時にも明言していたのですが
最初から営業には結びつけないというコンセプトでした。

もうひとつは
私どもジーネットが単独で主催したという点です。

では他の開業セミナーがどんなものかについて
冷静に分析してみましょう。

実は私も過去いわゆる開業セミナーに参加したことがあります。

決してお安くない費用を支払い、
ブースを出店させてもらうのですね。

結果的には完全に赤字ですし
オイシイ思いをするのは一部の主催者たちと
その人たちにおもねる腰巾着のような人たちだけです。

それ以外の人は
完全に「養分」となっているのです。

開業希望医師を集めるために
エムスリーや日経メディカルやメドピアなど
会員医師を多く持つ企業に
多額の宣伝広告費用を支払ってアピールします。

また一等地にある
広い会場を抑える費用や
設営のための費用も発生します。

その費用を賄うために
「養分」となる企業の参画が必要なのですね。

数十社という会社が集まるわけですが
費用対効果で元が取れている会社は
ごく少数であると思います。

また先輩開業医の講演なども企画にありましたが
当然、講演料も発生しますから
企画側、業者側とも
ここからどうやって売上に結びつけるかを
考えざるを得ない構図です。

私が驚いたのは
当然この先輩開業医の講演は
会の中でもメインとなる貴重なイベントです。

きちんとしたセミナー会場も用意されておったのですが
入り口からその会場まで
何十社もの業者が出しているブースを通らないと
辿り着けないようになっているんです。

これ、いかがなものでしょうか?

私なら嫌だなと思いました。
別に無理矢理ブースに引きずりこまれる訳ではないですが
何社もの営業マンの前を通らねばならないんですよ。

こういうところ!
結局、営業したいだけじゃんというのが
透けてみえるのは
私には気遣いのなさと欠陥に感じます。

少し企画内容自体を考え直さないと
もう開業セミナーに参加するドクターは
いなくなってしまうのではないでしょうか。

 

・金で接点を買う業者たち

これは医師の皆さんなら
すぐにピンと来ると思いますが
某モンスターサイトがありますね。

とんでもない数の医師会員を抱えているのはいいですが
ちょっと儲け過ぎてしまっているのでしょうか?

M&Aをバンバン仕掛けて
業種業態を驚くほどに広げています。

私には独占禁止法なんじゃないの?
公正取引委員会は動かないの?なんて
つい思っちゃいますけど
良くも悪くも成長著しいのは間違いありませんね。

でもその一方で
すこぶる評判が悪いところもなくもないです。

さすがにここまでの規模になれば
やっかみや嫉妬をされることは多いのでしょうが
それだけとは思えないのが現場の意見です。

ま、今回はそれを取り上げたいのではありませんので
これくらいで勘弁してあげますが(笑)
なぜこうなったのか?が大問題です。

私の個人的な勝手な分析ですと
圧倒的な医師会員を抱えているのをいいことに
各企業に「医師に向けた営業の機会」を提供した。

もうこれに尽きるのではないかと思うのです。
とんでもなく高い料金を取りますし、
その取り方が何せえげつないのですね。

細かくはここでは述べませんが
はいこれでいくら、次これでいくらと
次から次へと料金が掛かるのです。

100万や200万は、いやもっと多額の資金が
あっという間に吹っ飛ぶんじゃないでしょうか。

それだけ医師に対して営業したい
実に様々な企業が存在していたということですし、
そのニーズを上手く埋めたとは言えそうですが
医師の皆さんにとってはいかがなものでしょうか?

医薬品の情報や
最新の医療ニュースだとか
他の医師の考えを知るというのは
有益であるとは言えると思います。

しかし過度な転職への誘いであったり、
開業物件の案内となると
必要な医師は限られてくると思うのですね。

さらに高級車の情報や
株式やファンドなどの金融商品とか
マンションなど不動産投資であるとか
これらはどうでしょう?

それぞれの業者は相当に高い金額を払っていますから
何が何でも投資した金額以上に
売上を上げねばならないと考えているはずです。

果たしてこれで良質な商品やサービスが
期待できますでしょうか?

私にはとてもそうは思えません。

投下した資金を回収するために
高値掴みのような提案があったり、
強引な営業が行われる可能性があるのではないでしょうか。

そもそも現代社会では
真摯に、真っ当に
ほぼ無料で情報発信を行うツールは
いくらでもあるわけじゃないですか。

当ブログもそうですし、
各種SNSやyoutubeなどもそうですよね。

それなのに手間を惜しんで
金の力で解決させようとする企業が
本当に有益な情報を届けるとは思えないのですよね。

資本主義社会の欠陥というか
株式会社の欠点というか
こんな偽のマーケティングやら
カネまみれの情報提供なんてのは
もう止めなきゃいけないんじゃないでしょうか。

 

<参考>
クリニックの開業が上手く行かない決定的な理由とは?

 

 

2.クリニックの開業セミナー不要論

えっと話しがだいぶズレましたね。

クリニックの開業に関する情報収集として
開業セミナーに参加することは有効か?という点について
もう少し深掘りしてみます。

セミナーって基本的には勉強会ですよね。
講習会でも、研修会でも、
だいたいが同じ意味だと思うんです。

でもそれが主催者の営業の場であるとわかれば
学ぶ気なんて一気に失せますし、
参加したことを後悔することになりませんか?

前述したように
今は情報を届けるだけなら
お金を掛けずに
いくらでも方法はあるわけです。

例えば下記は私どものyoutubeチャンネルで
クリニックの開業をテーマにしたものですけど
ぶっちゃけ1円も掛けていませんが、
内容によっては
相当の閲覧数をいただくことができています。

<参考>
ジーネットTV クリニック開業

実際にこれらの動画をご覧になっていただき
開業に関してのご相談やお問い合わせは
有難いことに年々増えているのですね。

どこに多額の費用を掛けて
開業セミナーをする必要があるでしょうか?

逆に言うと
こういう情報発信を続けているからこそ
私どもが企画した開業セミナーには
ドクターがご参加いただけるのではないでしょうか?

邪な考えや不埒な作戦が通用するほど
現代社会は甘くないと思うのですよね。

主催者側はもっと熟慮すべきだと思います。

 

・開業セミナーにノウハウはほぼない

こんなこと言い切ってしまっては
本当はよくありませんね。

さすがに得るところがゼロというわけではありませんし、
とても有意義なセミナーもどこかにあるかもしれません。

ただここで言いたいのは
業者が営業したいだけのセミナーでは
あまり得るところがないのではないかということです。

しかし先生方にとっては
なかなかこの見極めは付かないですよね。

まして聞いたことがあるような
医療業界ではそこそこ名前の知られている企業が
何社も顔を揃えていたり、
知名度の高い大企業が数社もいれば
つい安心してしまうのはよくわかります。

ところがその実態は前述したようなものなのです。

つまりセミナーという名の営業機会の創出では
何ら意味がないどころか
むしろ害になることが多いのではないでしょうか。

これは私ども開業支援をご依頼いただいた
数名の先生から伺ったこととも合致します。

開業セミナーは意味がないことに気づいて
いろいろ情報収集をしてみたら
ジーネットさんに辿り着いたんですよ…と。

そういうことではないでしょうか?

クリニックの開業って
銀行から多額の融資を受けてするものですから
医師人生の中でも一世一代の大事業です。

WEB上で検索を掛けて
パッと出てきた宣伝広告に乗っかってしまうようでは
先行きが心許ないと言えるんじゃないでしょうか。

むしろ時間を掛けて、手間を掛けて、
心から納得のできる情報を出会うまでは
諦めずに探し続けるくらいの根気が必要なのだと思います。

経営者ってそういうものです。

どこにでもある情報に惑わされてはいけません。
希少価値のある情報を探し続けましょう。

ビジネスライクな宣伝広告なんて
ほぼ無価値であると思いますよ。

 

・開業セミナーより経営の勉強

さて、開業セミナーすべてとは言わないまでも
果たして参加すべきかどうかについては
ほぼ答えが出たでしょうか?

もちろんなかには大変に貴重な
素晴らしい開業セミナーもなくはないでしょうから
そういうものすべてを否定するつもりはありません。

ただ安易に参加して
あちこちから営業を受けてしまうという
リスクは結構大きいことだけ
ご理解いただければ充分であります。

今までクリニックの開業相談には
何十件と乗らせていただいた私としては
それこそ…
開業セミナーには参加したほうがいいですか?
開業本は読んだほうがいいですか?
先輩開業医には会いに行ったほうがいいですか?と
何度もご質問を受けてきました。

必要ありませんとまでは言いませんけれども
それもいいですが
もっと有効ではないかと思うのは…と
いつも説明しています。

開業医って経営者になることです。
経営者になれば
いかに売上を上げるのか?が大事です。

その感覚というのは
クリニックに限定した話しだけではなく、
もっと幅広い視野が必要だと思うのです。

ましてクリニックの経営に関しても
年を追うごとに厳しくなってきています。

診療報酬は下がるわ
競合は増える一方だわ
今まで通りでは通用しなくなるかもしれません。

何かを変える、
そこまで行かずとも何かを加えるとか
今までにないものを検討してみるなど
これはもう経営の根幹に関わる
重大な岐路と言えるのではないでしょうか。

そうだとするならば
今まで通りのクリニック経営ではなく
新たな経営を学ぶ、知る必要があるかもしれません。

となれば
クリニックに限定するのではなく
「経営」全般で考えてみてはいかがでしょうか。

我が国にも経営の神様と呼ばれる偉人がいますし、
中興の祖と言える経営者であったり
逆境を跳ね返した素晴らしい経営者がいらっしゃいますよね。

私はそういう人たちから学んだほうが
クリニックの経営にも活きるのではないかと思うのです。

個人的には
稲森和夫さん、古森重隆さんがおススメですし、
あとは中小企業について書かれた書籍
これは顧問税理士とか、
経営コンサルタントが書いたものが多いですが
こういったものもおススメです。

クリニック経営には王道がありますし、
診療報酬という公定価格はいかんともしがたいです。

そのなかで斬新な発想を持つためには
「他業界から学ぶ」ことが必要不可欠ではないでしょうか。

 

<参考>
クリニック開業を検討し始めたら……「デモシカ」開業からの脱却の処方箋?

 

 

*まとめ

私は仕事は美学であると考えています。

でもそんな甘っちょろいこと言ってるんじゃねえよ。
ビジネス界ではそう思われることも多いのですよね。

そしてビジネスとは
売上、利益、会社を存続させるためには
当然、絶対に必要なものであり、
避けることのできないものなのですが
私は後先が逆になってはいけないと考えているのです。

だって多くの会社が
後先が逆になっていて
顧客に見放されているように見えるからです。

いいことやってれば必ず報いはある。

まともなことをやってれば…
顧客に喜んでもらえれば…
きちんと跳ね返ってくるものだと思うのですよ。

私のビジネス人生は
ずっとそうでした。

だからこれは貫き通したいところです。

開業セミナーについても
本当の意味で正しく有益な情報提供をするなら
それは何回だって企画して良いと思います。

でも営業の機会が欲しいだけなら
段々と見透かされてしまい
集まりも悪くなってくるのではないでしょうか?

やはりビジネスとは大義と志して
行うものじゃないですかね…。

それでは、また…。

 

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