おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
キャリアは中長期的な戦略が必要です。
これは人生も同様ですよね。
今だけカネだけ自分だけなんて
言葉が戒めとしてあるように
「今」ばかりに固執してはいけません。
でも「今」を軽視していいわけではなくて
いかにして「今」を「未来」に繋げていくか?
このような発想が不可欠ではないでしょうか。
それがキャリアプランであり
ライフプランであると思うのです。
ところがこの「プラン」というのは
別に正解があるものではないのですね。
それだけに難しいんです。
難しいからといって放置していいものではなく
難しいなりに自分ならではの意志表明や
態度、姿勢、立場、見方、視点が
かなり重要になってくるのだと思います。
キャリアや人生は
個別具体的なものですから
参考となるモデルケースはあったとしても
最終的には「自分」が問われます。
いえ、ここは主導権を握って
自ら問い続けるのが最善ではないかと考えます。
本日のブログのタイトルは、
【 10年後を想像するキャリア論 】
といたしました。
<目次>
1.年代別の10年後
・20代、30代の10年後は頂上を目指せ
・40代、50代の10年後は下山後を考えよ
2.ゴールからの逆算
・終わりなき旅の後半戦を模索する
・ゴールのその先こそが面白い?
*まとめ
1.年代別の10年後
よく言われることですが
主語が大きくなると
必然的に該当しない人も増えるので
必ずしも主張が正しくなくなる。
まあ確かに…と頷けますね。
キャリアやライフプランについても
30才ならこう、42才ならこうとは言いずらいですし
同じ年齢であっても
全く違うキャリアや人生を歩むなんて
ごく普通のことですよね。
ただ面白いなと思うのは
これを「年齢」ではなくて「年代」に置き換えてみると
意外と当てはまることは多くなるように感じます。
30代、40代と10年単位に刻んでみると
意外と多くの方が該当するものなのですよね。
よって今回は年代ごとの医師のキャリアについて
じっくりと考察してみます。
・20代、30代の10年後は頂上を目指せ
最近ではZ世代が代表するように
仕事に対してモチベーションが低くて
自分を成長させたいとか
より良い未来を作りたいという希望を持たずに
努力や苦労をすることなく
普通に生活できていればそれでいいんだ…みたいな
風潮が段々と強くなっているでしょうか。
私の世代などは新人類と言われていて
上の世代からは理解不能と思われていましたけど
まあ世代なんてそんなものですよね。
実際には今だって
物凄く仕事を頑張っている人もいますし、
強いキャリア志向を持って
日々の業務に取り組んでいる方もいらっしゃることでしょう。
一般的には大学卒で社会に出るのが22~23才くらいで
医師の場合は24~25才くらいですね。
あと40年とか、下手をしたら50年と働くことを考えたら
20代、30代というのはまだスタートを切って間もない段階です。
登山に例えれば
頂上を目指して登り始めたばかりですよね。
この世代で50才とか60才になったらという
長期的な展望はあまり考える必要がないと思います。
むしろやりたいことを見つけたら
思い切って突っ込んでいくとか、
ワクワクするものと出会えたら
後先考えずにチャレンジしてみるというくらいの
ポジティブな展開を描いて良いでしょう。
ただひとつだけ念頭に入れておいていただきたいのは
将来の「選択肢」を減らす決断は
できるだけ避けたほうがいいということです。
本来、キャリアというのは
自分の可能性を高めていくためにあり
それは「選択肢」を広げることに繋がります。
それなのに「選択肢」を狭めてしまうのでは
愚の骨頂と言わざるを得ません。
でも若い時分では
「選択肢」なんていくらでもありますから
それに気づけないものなんです。
問題は年を取ってから…
50代、60代になった時に自分が困ることになるんです。
せっかく登り始めた山なのに
下りのことを考えるのは気が早いのですけど
プランとしては持っておいたほうがいいですね。
ガムシャラに登りながらも
下りの水分は足りるかな?とか
天候は持ちそうかな?くらいは
やっぱり考えておくべきでしょう。
とはいえリスクマネジメントに気を取られ過ぎて
チャレンジをしないのも問題です。
25才の方の10年後は35才です。
医療業界ではまだまだ若手でしょうか?
身体的にも精神的にも
脂の乗り切った年代とも言えそうです。
35才の方の10年後は45才です。
もうどこに出ても恥ずかしくない
高度なスキルと経験を身につけていることでしょう。
転職マーケットで言えば
「売れる人材」として
医師人生の後半戦をどこで働くか?
よりどりみどりになっているかもしれません。
いや、なっていなければ困ります。
それこそが「キャリア」ですから。
20代をどう過ごすか?
30代で自分をどう成長させるか?
キャリアは積み重ねです。
40代、50代のための「今」なのですね。
大事に過ごしていただきたいものです。
・40代、50代の10年後は下山後を考えよ
がむしゃらに走ってきた20代、30代。
そのおかげで自信を持って
仕事ができるようになった。
40代に突入する前って
こういう状態ではないでしょうか?
ただこの先の10年、20年を
今までと同じスピードで突っ走るのは大変だ。
このままの働き方でいつまで持つのかな?
体力や精神力は大丈夫なのか?
ふとそんなことを考え始める
分岐点となる年代とも言えそうですね。
普通に考えれば
ペースを緩めなければいけない年代です。
私自身を振り返ってみても
40代に入ってから朝まで飲むとか(笑)
全くできなくなりましたし、
疲れが溜まるとか
無理が効かなくなることが
急に増えた実感があります。
そして40代後半になると
さらに深刻になってきましたし、
50代に入る頃には
大人しく、丁寧な生活をしないと
何があるかわからない感じに陥りましたし、
50代も半ばの今はオンボロ車を
おっかなびっくり乗っているような感じです。
でも、これはリアルな現実だと思いますし、
素直に認めてアジャストしたほうがいいですよね。
医師の場合は
当直やオンコールとか
夜間出動とか、緊急オペなど
それに輪を掛けて大変な業務も多いですから
本来は余計に考えるべきだと思います。
しかし患者のために
無理をし過ぎてしまう先生も少なくありません。
現実的な話しだけでなく
私はこの年代だからこそ
10年先、20年先を冷静に考えて
自分の体力、精神力に合った
適切な働き方を選んだほうがいいと思うんです。
しかしお子さんの大学進学とか
医学部を目指すことになったとか、
早く住宅ローンを払い終わりたいとか
実は蓄えがあまりないんだよね…と
高年収は維持しなければならない。
こうなると選択肢が限定されてしまい
結局自分が頑張らないといけないなどと
どうしてもなりがちなのですね。
ところがですね
我々のようなプロの視点で見ると
意外と程良い選択肢って
身近にあるものですよ。
もちろん誰でもというわけではなく
個別具体的な話しをしてみないと
何とも言えないところはあるのですけど
今までの経験上では
可能性は決して小さくないとは言えるのです。
40代、50代って
若いころと比較したら確実に無理はできませんし、
無理するとその先の医師人生に
悪影響を及ぼすことになったりもします。
ですから無理は禁物、
そして登山に例えるならば
ある意味ではすでに頂上に到達しているんです。
やった、頂上まで登ったぞ。
わーいわーいと喜ぶだけではなくて
いかに安全に下山するか。
心も身体も問題なく
麓に到着するまでが登山ですから
さらに気を引き締めて
自分を労わるべきでしょう。
登りほど大変ではないと思いますけど
登りとは異なる技術は必要になると思います。
20代、30代の時の10年後と
40代、50代になった10年後では
考えるべきことは当然違うことでしょう。
若いころと同じように頑張り過ぎたら
さすがに40代、50代の身体はへばってしまうかもしれません。
あと2~3年であれば
無理も効くかもしれませんけど
できるだけ無理のない働き方を模索するのが
キャリア的にも最善ではないでしょうか。
戦略の問題、
キャリア戦略を考えましょう。
ライフプランをベースにして
中長期的な視点を持って
自分らしいオリジナルなキャリアが必要なのです。
キャリア相談などをして
今の自分にない選択肢を手に入れると
グッと視野が広がっていくと思いますよ。
<参考>
若手医師のキャリアプラン、医師人生についてのレポート!
2.ゴールからの逆算
キャリアというものは
若者の特権ではありません。
若手は当然ポテンシャルも高いですし
これからのキャリアはいかようにでもなりますから
しっかりキャリアプランを定めたほうがいいです。
しかし中堅からベテランのほうが
実はキャリアをより丁寧に考えるべきだというのが
私の考えです。
だって社会的に考えたら
スキルも経験もしっかり身につけた方々のほうが
活躍してくれたら有難いじゃないですか。
もちろん若手には若手なりのポジティブな要素があり
また活躍する期間を考えたら
これから末永く躍進し続けていただきたいです。
でも中堅からベテランは
期間的にはどうしても不利になりますよね。
だからこそのんびり構える時間は
若手と比較したら足りないのですから
今までのキャリアを活かして
効率的かつ無理のない範囲で
奮闘していただきたいのです。
どんなふうに?
そのベースにはキャリアプランが必要でしょうか。
私は50代や60代の先生方とお話しする際には
「引退から逆算したキャリア」というテーマで
喧々諤々のディスカッションをすることがあります。
働く人間にとっては
引退=ゴールと言ってもいいでしょうか。
ひと昔前は「定年」がありましたけど
今はだいぶ形骸化しており
「定年」が引退になるケースは
それほど多くありません。
医師の場合は
「定年」後に勤務を継続することも少なくありませんし、
そもそも「定年」が区切りになっていないことも多いです。
心身に無理のない程度で
70才でも、80才でも働き続けることもありますね。
ただキャリアという観点で考えるならば
一旦ゴールを定めて、
それまでにどうする?と考えるのが望ましいです。
・終わりなき旅の後半戦を模索する
キャリアや人生というのは
中長期的な戦いです。
決して無限ではないですけれど
有限とは思えないほどに
長い、長い、戦いだとも思います。
むしろ終わりのないものと考えた方が
よほどいいんじゃないでしょうか。
ただ恐ろしいのは
終わりはないのに
終わらせることはできてしまうんですよね。
自分次第ということですけど
終わらせちゃってる人が最近は多いなと感じます。
あれも嫌、これも嫌、
仕事行きたくね~
仕事したくね~
もう辞めてえ~
やってらんね~って
そんなことを言葉に出してしまっては
もうその先は…
ネガティブ街道まっしぐらではないでしょうか。
まあ本人が良ければ
もう外野がどうこう言う問題ではないんですけど
仕事ってすべからく
他者や社会のためにするものだと思うんですね。
そして誰かが働いてくれた恩恵を
確実に自分も受けているわけじゃないですか。
大人の責務として
「傍を楽にする」という「働く」ことは
社会に生きる一員としての義務ですよ。
散々権利は主張するけど
義務は一切果たしませんって
さすがに開いた口が塞がらないです。
この人はこれからどうするのだろうか?
今まで何を学んできたのだろうか?
1人で生きてるつもりなのだろうか?
きっとこれから先も
クレクレと言い続けるのでしょうけど
間違いなくポジティブな方向には向かいませんよね。
まあこんな人たちは
自分で気づくまでは置いておくしかないですけど
ここでは10年後、
そして職業人生の後半戦を考えたいです。
医師は「定年」のない仕事です。
もう少し正確に言うと
医療機関には「定年」はあっても
医師という職業には「定年」はなく、
「定年」後でも
様々なところで働き続けることができますし、
そういうニーズもあります。
80才とか、90才のドクターが退職するので
後任のもう少し若いドクターを採用したい。
時々こんなご要望をいただくのですが
ホント頭が下がりますし、
ちなみにこの場合のもう少し若いは
60代とかで良かったりもします。
スゴイ職業ですね。
羨ましい限りですよ。
ですけど裏を返せば
こういう息の長い仕事だからこそ
ベテランになっても
キャリアが必要なんだと思いますよ。
医師の場合によくあるのは
若いうちは専門を高めて
年齢が上がるほどに総合診療に舵を切る展開です。
これは実は理に適っていて
積み重ねてきたキャリアを活かすことにもなりますし、
収入を落とさないことにも
新たなキャリアの積み重ねにもなります。
今の年齢は関係ありません。
20代でも、30代でも、40代でも、50代でも
10年後はどうする?
20年後はどうしようか?
このように中長期的な展望を模索することが
今の仕事を頑張るモチベーションにもなるでしょう。
人は「今だけ」を見ると辛くなるんです。
将来に希望が持てないとさらに辛いんです。
でも意外と自分自身で
視野を「今だけ」から未来に広げたり
早く未来が来ないかと希望を持ったりすることは可能です。
「今からの解放」
そのためにも
10年後にはこれをしたい。
20年後にはこうなっていたい。
そんな夢想が必要なのだと思います。
・ゴールのその先こそが面白い?
引退から逆算したキャリアプラン。
この発想はとても有用ですし、
自らを成長させ続けるためにも
持っておいた方が良い概念であるとも思います。
しかし…キャリアとは何だ?
何をどのように成長させるんだ?
昔の働くと今の働くは同じでいいのか?
このようなことを考え出すと
自ずと「選択肢」が広がるのが
キャリア志向の面白いところであります。
どうしても私たちは現代社会を生き抜く上で
「今だけカネだけ自分だけ」という
世知辛い考えに陥りがちですけど、
それはある意味では致し方ないのですけど
できることなら避けたほうがいいと思われます。
今だけでなく、
冷静に過去を振り返り
未来のために今を活かしていく。
お金以外の大事な価値観も
しっかり見つめて手に入れていく。
自分の幸せだけではなく
他者や社会の幸せも
できるだけ叶えるように活動していく。
こんな人がもしいたら
いいキャリアを築いていること
もう間違いないと思うんですね。
そりゃある時点では
憎まれっ子世に憚るみたいな奴に邪魔されたり、
正直者が馬鹿を見るのように
どうも思うように行かないこともあるでしょう。
でもそれはプロセスの話しであって
「今だけカネだけ自分だけ」を最優先する人と比較したら
確実にいい人生を歩むことができるはずです。
そうは言っても辛い時期もあるでしょうけど
そういう時こそ「引退から逆算したキャリア」を考えると
急に時間軸が伸びて
気持ちが楽になると思いますよ。
いやもうひとつ…
さらに時間軸を伸ばしてみるのもいいかもしれません。
「引退後」に思いを馳せるのはいかがでしょうか?
実は最近私は「引退後」というか
現役第一線とか、現場を少し離れるとか
当然そんな時がいつか来るわけですから
時々ふんわりと考えることがあるんですね。
その考え自体は
別に大したものではないのですけど
問題はその後です。
何でしょう。
何だかスッキリするんですよ。
心が軽くなるとでも言うんでしょうか。
皆さんどうしても目の前の患者さんだったり
今抱えている課題に必死なのだと思います。
そこからスコンと離れてみると
目の前にあることから思考が離れてくれて
冷静さを保ちつつ
楽になるような気がするのです。
ちなみに私がどんなことを考えているか?ですが
ホントお恥ずかしいのですけど
目標は2つありまして
「仙人のように生きる」というのと
「好々爺になる」ということです。
果たしてどの程度実現できるのか
自分でも全然想像ができませんけど
もう随分前からこの2つを周囲に伝えています。
するとどうでしょうか?
目の前にあることとか
どうでもいいわけじゃないですけど
何だか達観できるのですよね。
こういう感覚って
キャリア上でも悪くないどころか
それなりに必要な思考ではないかと思うのです。
キャリアとは「スキル」と「経験」であると
いつも私は述べていますけど
私がどんな仙人になるのか?
いったい私らしい好々爺とかは何か?
こんなことを考えるとですね
現実社会から脱却して
考えがグッと深まったり
逆に凝り固まった考えをスッと軽くしてくれたりという
意外な効果がありそうではないでしょうか?
10年先を考えてみるというのは
そのこと自体だけではなく、
複合的かつ多角的、
そして時空を超えるような広くて高い発想を
自分に与えてくれるのです。
これも長い仕事人生を生き抜くためには
必要な考え方ではないでしょうか。
<参考>
医師になるのがゴールだった…。
*まとめ
10年後を想像するキャリア論。
いかがでしたでしょうか?
まあ私のブログはどうしても話しが
あっちゃこっちゃに行ってしまって
わかりにくいところもあるのですが、
でもここでもう1度立ち止まって下さい。
言葉にすると簡単ですけど
つい「さあーっ」と流してしまいがちですけど
10年後のキャリアを想像するって
実はとてつもなく大事なことなのです。
私はこれを書いている今現在55才なのですが
しっかり10年後を見据えています。
今、自分が何を考え、どんな行動を取るのか、
それはすべて10年後のためなのですね。
是非とも皆様にも10年後を考えていただきたい。
そこに正解なんてありません。
正解を探す必要もありません。
ただただキャリアや人生を
今より少しだけより良くするために
こうしたい、こうなりたいと考えることを
心からおススメいたします。
私自身、本気でキャリアについて考えるようになったのは
30代後半くらいでしたので
全然偉そうなことなんて言えません。
ですがキャリアを考えるようになってから
あらゆるものが好転し始めましたし、
生き甲斐、働き甲斐、やり甲斐が手に入りました。
ああ、20代とか、30代前半で考えておけば良かったと
多少の後悔があるくらいです。
キャリアを考える効用というのは
後々しんみりと理解できます。
その瞬間に理解できるものではありませんが
逆に言うとそれだけ深みのあるものだということでしょう。
医師の皆さんには
我が身を守るためにも
是非キャリアについて熟慮していただきたいですし、
私どものキャリア相談なども
お気軽にご活用いただければ幸いです。
それでは、また…。
*ジーネットTV youtubeにて医師のキャリアについてお話ししています。
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