おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
医局に残るか、出るか。
これは、多くの医師が
キャリアの中で一度は直面する
大きな分岐点ではないでしょうか。
特に、若手~中堅のタイミングで
この悩みにぶつかる方は少なくありません。
「このまま医局にいていいのだろうか?」
「出たい気持ちはあるけれど、後悔しないだろうか?」
「医局を離れたら、何が待っているのか不安だ…」
そういった迷いを抱えるのは
ごく自然なことです。
むしろ、慎重に考えるからこそ
出てくる葛藤とも言えるでしょう。
ですが、悩み続けたまま
時間だけが過ぎていくのも、
もったいないですよね。
そこで今回は、
「医局に残る・出る」で迷っている医師の方々に向けて、
冷静な判断をするための「5つの視点」と、
行動に踏み出す前に
自分自身に問うべき「10の質問」をご紹介いたします。
本日のブログのタイトルは、
【 大学医局に残る?出る?
──迷う医師に問いたい「5つの視点」と「10の質問」 】
といたしました。
<目次>
1.医局に残るか迷ったときの視点
・視野を広げて判断を誤らないために
・5つの視点でキャリアリスクを可視化する
2.決断前に自分に問いたい10の質問
・他人ではなく自分の価値観で選ぶには
・10の質問で未来のキャリアを整える
まとめ

目次
1.迷ったときの「5つの視点」
大学医局には特有の魅力がありますから
医局に残るか、出るかの決断は
そんなに簡単にはできないと思います。
いや、むしろ、悩みに悩んで決断を下すべき
医師人生の重大な分岐点と言えるのではないでしょうか。
この二択を迫られると、
多くの方が「今のままでいいのか」
「出たほうが成長できるのか」と迷い、
感情的になってしまいがちです。
ですが、重要なのは「どちらが正しいか」ではなく、
「どちらが自分にとって納得のいく選択か」なのだと思います。
迷ったときにこそ必要なのは、
焦って答えを出すことではありません。
大切なのは、いったん立ち止まって視野を広げ、
冷静に全体像を捉え直すことです。
目の前の不満や
不安だけに目を奪われて判断をしてしまうと、
あとになって「こんなはずじゃなかった」と
後悔してしまうリスクもあります。
医局という仕組みには、
確かに良い面と悪い面があります。
そのバランスは、
所属している医局や
個人のライフステージによっても
大きく異なるでしょう。
だからこそ、まずは
「どんな観点から自分の今と未来を見つめ直すべきか」を
明確にする必要があります。
今回ご紹介する「5つの視点」は、
医局に残るにせよ出るにせよ、
どちらを選ぶ場合でも冷静な判断材料となるものです。
この視点を持っていれば、
「なんとなく不安だからやめよう」
「周りが辞めてるから自分も」という
浅い判断を避けることができ、
自分のキャリアを
自分でコントロールする力がついてきます。
次章では、その「5つの視点」について
具体的にご紹介してまいります。
・視野を広げて判断を見誤らない自分になる準備とは
「医局を出たい」と感じたとき、
その背景には多くの場合、不満や不安、
違和感があることが多いですよね。
例えば、待遇や人間関係、
将来への不透明感、働き方の不自由さ…。
そのどれもが、日々蓄積されると
「このままではいけない」と感じさせる
大きなストレスになります。
けれども、こうした「マイナスの感情」だけで
判断してしまうのはとても危険です。
一時的な環境や人間関係の問題であっても、
時間とともに変化することもありますし、
「出たい」という感情に引っ張られて
視野が狭くなっていることもあるからです。
ですからまず必要なのは、
「視野を広げること」。
つまり、自分が見えていない可能性のある選択肢や、
今後起こり得る変化を、
できるだけ多面的かつ冷静に捉える姿勢が必要です。
たとえばですが…
・「今の医局にどんな“良さ”があるのか?」
・「医局を出た先に、どんなリスクや不安があるのか?」
・「5年後・10年後、どんな医師でいたいか?」
・「どんな働き方・生活を実現したいのか?」
こうした問いを、
自分の頭の中だけで考えるのではなく、
信頼できる第三者と一緒に
「言語化」してみることをお勧めします。
ただ退局すればいいという問題ではありませんし、
客観的に現状を肯定してみたり
他者の視点も参考にしてみると
判断材料が増えることにもなると思うのです。
人は、視点が限られると、
選択肢も限られるように感じてしまいます。
一方で、広い視野を持っていると、
自分の状況を相対化できるようになり、
より納得感のある判断がしやすくなるものです。
そしてもうひとつ、大切なことがあります。
それは「自分は何を大切にしたいのか」という
価値観の棚卸しです。
周囲の意見や、世間の空気、
SNSで流れてくる他人の選択…。
それらに左右されて、
自分の「本音」や「理想」が埋もれてしまうのは
やはり避けたいところですよね。
「自分は、どう生きたいのか?」
「その生き方は医局に残ることで実現できるのか?」
「それとも、退局したほうが道が拓けるのか?」
こうした深い問いを立てられるかどうかが、
ブレない判断軸を持てるかどうかに直結します。
視野を広げるとは、
情報を集めることだけではありません。
自分自身の内側を
深く見つめ直すことでもあります。
これができれば、
「選ばされる」のではなく、
「自分で選ぶ」判断ができるようになります。
その結果として、
たとえ困難な道を選んだとしても、
納得し、乗り越えていける力が育つのです。
つまり、視野を広げることは、
ただの情報収集ではなく、
未来を切り拓く“準備”なのだと私は思います。
これこそ「主導権」を握った決断ではないでしょうか。
・この「5つの視点」を持つことが危機管理になる
医局に残るか出るか――
これは、今後の人生やキャリアを左右する、
大きな決断です。
だからこそ、勢いや感情、
なんとなくの空気感で判断してしまうのは
非常にもったいないことです。
医師としての将来設計をするうえで、
どちらの道にもリスクは存在します。
残る場合のリスク、出る場合のリスク。
そのどちらも、十分に理解しておく必要があります。
またご家族の意向であったり、
自分自身の充実感も想定しておきたいですね。
とはいえ、リスクとは
“避けるもの”ではなく、“備えるもの”です。
そして備えるためには、
できるだけ早い段階から多面的に考え、
視点を増やしておくことが重要となります。
今回ご紹介する「5つの視点」は、
まさにこの“リスクマネジメント”の観点からも
実はかなり有効に働きます。
ここでリスクの種類を考えてみます。
是非この5つの視点を意識して欲しいのです。
・経済的なリスク
(収入が不安定になる/年収が下がる)
・キャリア的なリスク
(専門性を活かせなくなる/研鑽機会の喪失)
・社会的なリスク
(人脈の断絶/立場や肩書きの喪失)
・精神的なリスク
(孤独/自己否定/キャリア迷子)
・ライフスタイルのリスク
(勤務環境の悪化/家族との軋轢)
これらのリスクは、
医局に残っていても、退局しても、
どちらの道にも起こり得るものです。
そして、リスクが表面化するのは
決して“退局後”だけとは限りません。
つまり、リスクの「芽」は、
いつでも自分の足元にある。
だからこそ、リスクを未然に見つけ出し、
心身の余裕があるうちに考え、
備えておくことが肝要なのです。
ここで「5つの視点」を持っておくことで、
自分にとっての“見えないリスク”にも
気づけるようになります。
一方向の情報や、
医局内だけの常識にとらわれていると、
どうしてもリスクの存在に
気づけなくなることがあるからです。
反対に、多様な視点を持つことで、
“準備できるリスク”は確実に減っていきます。
「もし○○になったら、こう対処しよう」と
あらかじめ考えておけば、
心のゆとりも生まれるでしょう。
そして何より、「リスクを正面から見つめる力」は、
医師としてのキャリアを支える大事な土台になります。
医療現場でも、
事前のリスクマネジメントが
患者の予後に大きく影響するように、
キャリア選択でも「先手を打つ意識」は、
後悔を減らし、
自信を持った行動へとつながっていきます。
言い換えれば――
「視点のなさ」は、
そのまま「リスクへの無防備さ」なのです。
今回ご紹介する5つの視点は、
あなた自身のキャリアを守る“盾”にもなり、
“羅針盤”にもなるはずです。
この5つをもとに、
自分の現在地と未来の展望を
照らし合わせてみてください。
次章では、具体的にどのような視点を持てばいいのか?を
ひとつずつ解説していきます。
<参考>
大学医局という存在と医師のキャリア!

2.決断する前に「自分に問いたい10の質問」
キャリアの岐路に立ったとき、
多くの医師が抱えるのは
「何が正解かわからない」という不安です。
医局に残るべきか、外に出るべきか。
開業するか、勤務を続けるか。
あるいは、今の職場を辞めるかどうか。
選択肢は多いようでいて、
自分にとっての「本当の選択肢」が
見えていないことも少なくありません。
そんなときこそ、
誰かの意見や流行ではなく、
「自分の内なる声」に耳を傾ける必要があります。
情報を集め、条件を比較し、
損得を計算することも大切ですが、
最終的に納得できる選択は、
常に“自分との対話”から生まれるのです。
本章では、大きな決断の前に
ぜひ立ち止まって考えてほしい
「10の問い」をご紹介します。
これらの質問は、
あなた自身の価値観・信念・人生観に光を当て、
答えを外ではなく“内側”に
見つけ出す手助けになるはずです。
焦らず、急がず。
どの問いにも、正解はありません。
でも、自分の未来を自分で選び取るためには、
こうした問いかけを避けては通れないのです。
・誰かの価値観ではなく、自分の価値観で決断する
・この「10の質問」が自分の未来を切り拓く
キャリアに悩んだとき、
多くの人は「何を選ぶか」に意識を向けがちです。
しかし本当に大切なのは、
「自分がどう生きたいか」という問いに、
まず立ち返ることではないでしょうか。
選択肢の良し悪しを比較する前に、
自分の価値観や人生観にフォーカスしなければ
どんな選択も後悔につながるかもしれません。
そこで、決断前に立ち止まり、
自分に問いかけてほしい「10の質問」をご紹介します。
1.この働き方を、このまま5年後も続けたいか?
2.本当にやりたいことに、今の仕事はつながっているか?
3.「辞めたい理由」は本音か?それとも表面的なきっかけか?
4.自分がキャリアで大切にしたい価値観は何か?
5.世間体や誰かの期待を抜きにしたら、どうしたいか?
6.今の自分は、過去の自分が望んだ姿か?
7.不安の正体は何か?本当に恐れているのは何か?
8.心から尊敬できる医師は、どんな選択をしているか?
9.「今動かないこと」のリスクを、ちゃんと見ているか?
10.5年後の自分が、今の決断をどう評価するだろうか?
これらは、自分自身の中にある
“まだ言葉になっていない想い”を
引き出すための問いです。
すぐに答えを出す必要はありません。
しかし、こういった問いを持った瞬間から、
人は変わり始めるものではないでしょうか?
思考の方向が定まり、
情報の取り方、人との会話、
それこそ日々の選択が少しずつ変わっていきます。
小さな内省の積み重ねが、
やがて「未来の景色」そのものを変えていくのですね。
焦らず、丁寧に。
この10の問いは、
自分自身の“人生のハンドル”を、
自分の手に取り戻すためのツールだと思ってください。
どうか冷静に、落ち着いて、静かに、
自分の心に問い掛けてみてはいかがでしょうか?
未来は、待つものではなく、
自分で作るものだと思うのです。
<参考>
大学医局を辞める前に考えておくべきこと

*まとめ
キャリアの選択に「正解」はありません。
同じ選択をしても、
うまくいく人もいれば、
うまくいかない人もいます。
重要なのは、選んだ道が
自分自身の内側から出た
“納得のいく決断”であるかどうかです。
医師という職業は、
どうしても「こうすべき」「こうあるべき」という
社会的な枠に縛られやすいものです。
医局の常識、先輩の言葉、周囲の期待…。
それらはある意味で善意に満ちていますが、
人生の責任までは取ってくれません。
だからこそ、自分の価値観に立ち返り、
自分で自分に問いかける力が求められます。
今回お伝えした「5つの視点」と「10の質問」は、
キャリアに悩んだときだけでなく、
人生のあらゆる分岐点で役立つはずです。
問いは、思考の流れを変えてくれます。
自分の本音と出会わせてくれるのです。
そして問いこそが、
行動の方向を定め、覚悟を生み出しますね。
私たちは、誰かの人生を生きるために
生まれてきたわけではありません。
不安や迷いがあることは
ごく自然なことですが、
その感情すらも
大切なサインとして受け止めながら、
丁寧に「自分と向き合う時間」を持つことが、
何よりも価値ある準備になると思います。
キャリアは、
ただの職業選びではなく、
生き方の表現です。
どんな肩書きを選ぶか以上に、
どんな価値観を軸に生きるかを明確にすることが、
豊かで後悔のない道につながります。
この10の問いが、人生の羅針盤となり、
納得のいく一歩を踏み出す
きっかけになれば幸いです。
自分の未来は、自分自身の手の中にあります。
それでは、また…。
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