おはようございます。
医師が転職や開業を通じて
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
医師の転職エージェントに関しても、
何らかの制限がかかりそうな気配です。
医療法等改正案の議論のなかで
医師転職エージェントにも
何らかのルール整備が進む可能性があります。
実はすでに数年前から問題視されており、
労働局の監査を受けたりもしてきました。
X(旧Twitter)などを見ていると、
一部には、
「ほらみろ、ざまーみろ」
「儲け過ぎなんだ」
「いっそのこと潰してしまえ」という論調が多くて、
う~ん、非常に残念だなと思いましたが、
ただ、そうした声だけで語ると、
構造の一部しか見えなくなるとも感じます。
当ブログでは再三申し上げてきましたが、
私は、医師の転職エージェントに対して
何度となく警鐘を鳴らしてきたつもりです。
このままでは拙いよ…と。
いつか来るだろうと思っていたことが
ついにやってきたということです。
幸い弊社におきましては、
どこに出ても恥ずかしくない経営方針で
今までも、これからもやっていきますので、
影響は軽微だと思っています。
しかし、医師の紹介事業自体が
もしできないことになってしまったら
さすがに悠長なことは言っていられません。
それは別の意味での法的な問題があるでしょうから、
そこまで追い込まれることはないと思いますが、
常に襟を正した
真っ当な紹介事業をしなければならないと
強く考えています。
本日のブログのタイトルは、
【 医師紹介の裏側を赤裸々に語る問題ブログ 】
といたしました。
<目次>
1.なぜ医師紹介は嫌われやすいのか?
・紹介ビジネスの収益構造が「定着」より「成立(入職決定)」を優先させやすい理由
・ミスマッチが起きる典型パターン(情報の非対称/急がせる/比較軸がない)
2.医師が紹介会社を見極める10のポイント
・求人より大事なもの(キャリア軸・価値観・生活設計)
・ここを見れば外さない:安心できる紹介会社の10チェック
*まとめ

目次
1.なぜ医師紹介は嫌われやすいのか?
医師紹介会社が嫌われやすい一番の理由は、
収益構造が「定着」より
「成立(入職決定)」に寄りやすい点にあります。
紹介会社は決定時に報酬が発生するため、
どうしても短期の成約が優先されやすい。
すると、
①情報の非対称
(現場の実態、空気感、働き方の温度感が十分に共有されない)
②急がせる
(比較検討の時間を奪う)
③比較軸がない
(本人の価値観・生活設計より求人条件が先に立つ)
といったミスマッチの典型が生まれます。
結果として
「紹介会社は自分たちの都合で動く」という不信につながり、
嫌悪感が蓄積していくのです。
裏を返すと、
紹介した先生が長く勤務して下さるなら
あまり問題は起きません。
・紹介ビジネスの収益構造が
「定着」より「成立(入職決定)」を優先させやすい理由
紹介ビジネスの収益構造が
「定着」より「成立(入職決定)」を優先させやすい理由は、
報酬が「入職が決まった瞬間」に発生する
システムになっているからです。
紹介会社の売上は、
基本的に成功報酬(紹介手数料)で成り立ちます。
つまり、どれだけ丁寧に支援しても、
決まらなければ売上はゼロ。
一方で決まれば、
短期でまとまった売上が立ちます。
この構造は、
担当者の評価制度(KPI、決定数、決定率、粗利)とも
結びつきやすく、
「まず決める」「今月決める」という圧力を生みます。
もう少し具体的に見てまいりましょう。
昨今の医師紹介会社が批判される要因のひとつに
紹介手数料の料率アップがあります。
ひと昔前であれば、
その多くが初年度年収の20%でした。
年収1500万のドクターが決まると、
紹介手数料は300万円となります。
これが料率が25%になると375万円となりますし、
30%になると450万円になるのですね。
採用する医療機関側としては
20%のほうが有難いに決まっています。
実は、弊社は現在でも20%のままですが、
多くの医師紹介会社は25%、30%とか、
なかには40%、50%というところも
出てきているらしいです。
さすがに高すぎるという考えは
感情論としては理解ができます。
では、なぜ紹介会社の料率は上がったのか?
一応、医師を確保するためのコストが上がったとか、
昨今のインフレに対応するという
言い訳じみた理由があるようですが、
それはあくまでも表面上の話です。
ぶっちゃけ話をしますと、
成功報酬なので、
成功しないと報酬はないという部分を
見逃がしてはいけません。
たとえば、あるコンサルタントが、
10人の医師を担当して、
3か月間、一生懸命動いたけれど
1人も成約に至らなかった場合は
売上がゼロにも関わらず
人件費などの経費は掛かるわけで、
大赤字になるのですね。
私が耳にした話では、
医師紹介業界のトップ企業でも
10人担当して1人決まるかどうかとのことでした。
これでは20%ではやっていけない。
せめて決まった時には30%をいただこう。
経営者がそう考えるのは
あながち間違いではありません。
しかし、自社都合だけです。
弊社が20%のままで維持できているのは
ただ成約率が高いからなのです。
つまり10人の医師を担当すれば
悪くとも5~6名、いい時は8~9名決まるのです。
私は、今後も紹介料率を上げるつもりはありません。
紹介の「質」が高ければ上げる必要がないのです。
今、25%とか、30%以上の紹介料率の会社は
なかなか決まらないというのが根本的な理由です。
求人を右から左に流すだけの人材紹介なんて
存在価値が低いです。
そんな会社ほど紹介料率が高いなんて
さらに存在価値を失わせています。
しかも担当者個人のインセンティブに結びつければ
無理やり押し込むような事態が出るのは自明でしょう。
紹介の「質」を上げるという
ごく当たり前のことをしない経営方針が
すべてと言っても過言ではないでしょう。
この構造の中でいくらもがいても突破口は見えてきません。
ここから脱して、「質重視」への転換が求められます。
・ミスマッチが起きる典型パターン
(情報の非対称/急がせる/比較軸がない)
医師の紹介でミスマッチが起きる典型パターンは、
・情報の非対称
・決断を急がせる
・比較軸がない の3点に集約されます。
まず「情報の非対称」から考えます。
通常、求人票には、医療機関名、住所、診療科目や
ごく一般的な雇用条件や待遇などしか書かれていません。
いわゆる「概要」しかわからずに、
その医療機関で話を進めるか否かを判断するのは
とても難易度が高いと思います。
私は判断材料に足りない求人情報と考えていますが、
巷に溢れる求人のレベルはこんなものではないでしょうか。
だからミスマッチにつながる。
そして紹介会社自体の評判が下がる。
確かに詳細の情報を得ようと思えば、
手間も時間も掛かりますけど、
それがあってこその存在価値だと思います。
それこそ医療機関側の不都合な情報も含めて、
適切な判断が下せるように情報収集すべきです。
これは転職を失敗しないための
最低限必要なサポートではないでしょうか。
次に「急がせる」ですが、
担当者は、「早い者勝ち」「今週中に返事を」と
判断を前倒しすることを求めがちです。
転職は人生の転機でもありますから、
しっかり熟慮をした上で
すっきり決断するのがいいに決まっています。
ところが紹介会社は一刻も早く売上が欲しい。
担当者はインセンティブなどもあるので早く決めたい。
いやインセンティブがなくとも
売上を作らないと上司に詰められることになる。
こんな構造上の欠陥を
紹介会社の内部上で持っていては
現場は魂を悪魔に売りかねません。
納得度が低いままの決断を促せば、
早期退職につながりかねないのは自明です。
弊社がノルマもKPIもなしにしているのは、
こんな事態に陥ることを防ぐためです。
最後に「比較軸がない」ですが、
外形的な基準、つまり年収、勤務日数など
それだけでは、自分に合うかが見えません。
今までも再三申し上げていますように
本来は、「キャリア軸」や「価値観(キャリアアンカー)」、
そしてその根底となる生活設計という「土台」があり、
その延長上で条件や待遇を見るべきです。
この土台がない状態で決めると、
入職後に「思っていたのと違う」が起きやすくなります。
つまりミスマッチは偶然ではなく、
構造的に起きるのです。
でも、話は難しくありません。
この3つを丁寧にフォローする紹介会社を選べば
ミスマッチは飛躍的に抑えることが可能です。

2.医師が紹介会社を見極める10のポイント
・求人より大事なもの(キャリア軸・価値観・生活設計)
求人より大事なのは、
「どこで働くか」より先に
「どう生きたいか」を定めることです。
転職は職場選びであると同時に、
人生の「設計」変更でもあります。
だから最初に確認すべきは、
キャリア軸・価値観・生活設計の3つです。
キャリア軸とは、
専門性をどう伸ばし、
どんな役割で価値を出していくのかという方向性。
軸があってこその
「キャリアプラン」となります。
価値観は、
何を大事にすると自分は納得できて、
何を失うと苦しくなるのかという判断基準。
簡単に見つかるものではありませんが、
これが「キャリアアンカー」につながりますので、
たっぷり時間をかけて、
自分らしい価値観を創り上げたいですね。
生活設計は、
家族・健康・住む場所・働く時間など、
現実の土台です。
必ずしも意見が一致することばかりではありませんが、
丁寧な話し合いを繰り返し、妥協点を見い出しながら
ほど良い落としどころを見つけたいですね。
これらが曖昧なまま
「年収が高い」「勤務が楽そう」だけで決めると、
入職後に、条件は良いのに心が削れる状態になりやすい。
逆に、この3点が整理できていると、
求人票の情報が少なくても、
面談で何を聞くべきかが明確になり、
比較検討の「質」が一気に上がります。
紹介会社選びは、
この土台づくりを飛ばさずに
きめ細かく伴走できるかどうかで、
本質的な価値が決まるのではないでしょうか。
・ここを見れば外さない:安心できる紹介会社の10チェック
<参考>
医師が転職エージェントを上手く使いこなす10の方法とは?

*まとめ
医師紹介会社が嫌われやすい背景には、
「定着」より「入職決定」で
報酬が発生する収益構造があります。
どんなに手間暇と時間をかけても、
決まらなければ売上はゼロですから
完全に経費倒れします。
それに同情して欲しいという話ではなく、
こんな構造は紹介業の宿命なのです。
医療業界への紹介会社の進出は、
まだ歴史が浅く、新参者が多く、
なおかつ経営者が
素人であるケースも少なくありません。
今後、優勝劣敗が進むなかで、
この構造を見極めて
戦略を立てた紹介会社は生き残るでしょうし、
旧態依然としたやり方に固執して
構造に巻き込まれた紹介会社は淘汰されるでしょう。
医師の皆さんには、
求人の数ではなく
“意思決定の質”を高めてくれる会社・担当者を
選んでいただくことが、
健全な競争原理を働かせるためにも必要です。
キャリア軸・価値観・生活設計を言語化し、
急がせず、不都合な情報も含めて伴走する紹介会社。
提示した10項目を基準に、
転機を後悔のない選択へ変えてください。
それが医療業界全体のためにもなると思います。
それでは、また…。
*ジーネットTV youtubeにて医師のキャリアについてお話ししています。
<ジーネットは様々な情報発信をしています!>
・ジーネット株式会社 正式コーポレートサイト
・<IBIKEN>医療ビジネス健全化協議会 医師向け情報提供サイト
・twitter ジーネット株式会社公式アカウント
・facebookページ ジーネット株式会社公式アカウント



