おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
世界は揺れ動いていますから、
我が国にも多大な影響が出そうです。
医療業界におきましては
陰に陽にさまざまな余波が出てきそうですが、
あくまでも予測はできても、
実際にどうなるのかは
神様でもないとわかりません。
最近はキャリアや転職、
医師紹介会社に関する記事が多かったので、
今回は久しぶりに「クリニック開業」について
思う存分に語ります。
本日のブログのタイトルは、
【 それでも自分のクリニックを開業したいのですか? 】
といたしました。
<目次>
1.開業に逆風の時代の到来?
・初期投資金額は大きくなるばかり
・開業規制はどこまでか
2.それでも開業したいのですか?
・ビジョンとプランはあるか
・開業する目的は明確か
*まとめ

1.開業に逆風の時代の到来?
さまざまなモノの値段が上がっています。
そして人件費もうなぎ登りに上がっていますし、
金融機関からの融資の金利も上昇傾向です。
普通に考えたら、
今は「クリニック開業」なんて
避けた方が利口だと思います。
しかも開業規制も始まりそうですし、
これから新たに開業するというのは
やめておいたほうがいいと思うのが普通でしょう。
でもですよ、それでも開業したい。
そういうものなんです。
むしろ開業に逆風の時代だからこそ
ライバルが減るなら、むしろ好機ではないか。
本物の経営者は
こういう発想をするんです。
ある意味では「お利口さん」ではありません。
ですけど世の中の創業者って
そういう人ばかりではないでしょうか?
今までのクリニック開業は順風満帆でしたが、
これからは違います。
だからまずは強い意欲と覚悟が問われますし、
その上で戦略と戦術、ビジョンとプランが必要です。
開業という選択は、
勢いだけで決めるものではなく、
自分の人生観や仕事観そのものが問われる決断です。
・初期投資金額は大きくなるばかり
しかしあらゆると言っていいくらいに
物の値段は上がっていますね。
私の妻などは
高い、高いといつも嘆いています。
クリニックの開業におきましても、
まずテナントの月額賃料が上がっています。
そして内装費用は劇的と言っていいくらいに
かなり上がってしまっています。
医療機器や什器、家具などは
まだそれほどではありませんが、
確実に微増はしており、
今後は上がっていくかもしれません。
その他、税理士や社会保険労務士の顧問料も
やや上昇傾向にあるようですし、
私ども開業コンサルタントをはじめとした
費用も今後上がっていくでしょうか。
もともと私どもは
それなりのコンサルフィーをいただいていますので、
しばらくは上げるつもりはありませんが、
これからの展開次第では考えざるを得なくなるかもしれません。
これは社会全般の人件費アップが要因です。
看護師や医療事務などのスタッフさんも
2年、3年前と同じ感覚ですと
誰も応募してくれないなんてことになりかねません。
金融機関の融資金利も、
少し前までは0.9%とか、1.0%という水準も
ごく普通にありましたが、
今では1%半ばですら難しくなり、
1%台の後半や2%も普通になりました。
ひと昔前は
一般的な内科クリニックは、
運転資金も含めて
7000~8000万もあれば
問題なく開院できましたけど、
いまはそういうわけにはいきません。
都心部で家賃が高かったり、
CTを入れるとかすると
すぐに1億円を超えてしまいます。
普通の感覚だと
こんな時代に開業するのは
リスクでしかありません。
しかし経営者というのは
リスクを背負ってでも
やりたいこと、なし遂げたいことが
あるのも確かなのです。
・開業規制はどこまでか
開業規制については
当ブログを書いている現段階では
まだ全貌は見えてきていません。
外来医師過多地域に指定された
東京23区のうちの17区、
京都、大阪、福岡、神戸については
何らかの縛りがついてしまいそうです。
専門医の有無を問うとか、
僻地や地方での一定期間の勤務経験を必須にするとか、
さまざまな話が出ていますが、
まだ確定的なことは言えません。
だから一刻も早く開業準備を進めるべきだ。
そんなことが言いたいのではありません。
あくまでも個人的な印象ですが、
規制と言えるほど強いものにはならないと思います。
むしろ小さな障害があっても、
自分は本当に開業したいのか?
大事なのは「意欲」と「覚悟」です。
昔から「デモシカ」開業は避けたほうがいいと
この業界では言われてきました。
開業「デモ」するか。
開業「シカ」ないか。
これからはこの程度の感覚では
開業することは難しくなってきます。
だからこそ自分との対話を繰り返して、
本当に開業したいのかを問うたうえで
ご決断なさるべきです。
<参考>
勤務医から開業医へ、どんなリアルな変化があるのか?

2.それでも開業したいのですか?
先日、facebookにこんな投稿をしました。
相通じるところは少なからずあるように思います。
・ビジョンとプランはあるか
国語辞典的に言いますと、
ビジョン= 将来の構想。展望。また、将来を見通す力。洞察力。
プラン= 計画。構想。案。
ま、そうだよねという話ですけど、
経営者になるのであれば
ビジョンとプランに関しては
一晩中でも語れるくらいの思いがないと
どこかで疲れてしまいます。
・なぜ開業するのですか?
・どうしてこのタイミングなのですか?
・この場所を選んだのはなぜですか?
これらの質問は、
融資の面談の際に銀行の担当者が
必ずと言っていいくらいにされるのです。
別にプレゼンするのではないので、
スラスラ上手に話す必要はありません。
ただ銀行マンが
「なるほど」と思ってくれればいいのです。
口下手でも、不器用でも構いません。
大事なのは出てくる言葉ではなく、
その原点となる「思い」です。
ひと昔前であれば、
とりあえず開院してしまえば、
段々と患者さんは増えました。
いまはもうそんな甘い時代ではありません。
「思い」に加えて、
・どんなクリニックをつくりたいのか?
・数年後にどうなっていたいのか?
このような観点も必要です。
当ブログでは、
「キャリアプラン」について
何度となく語ってきましたが、
開業、経営もまったく同じです。
現状を冷静に分析して、
「これからどうする?」を言語化して、
具体化していけるのかが問われます。
・開業する目的は明確か
「これからどうする?」においても
「なぜそうしたいのか?」という
根源的な「目的」が重要です。
キャリア的な「ゴールからの逆算」にも通じますが、
私たちが将来設計を考える際には、
常に「なぜ?」を明確にすべきです。
目的のない目標は、
お飾りになりがちですし、
目的のない手段は、
モチベーションが下がります。
手段は目的を達成するために
遂行するのがベストですし、
目標と目的は常にセットで持つべきです。
開業医は経営者ですので、
すべての責任を背負うことになります。
後々立地のせいにしたり、
関わった業者さんのせいにしたり、
スタッフのせいにするようでは、
経営者としての自覚に
欠けていると言わざるを得ません。
私自身も経営者として
常に振り返りと反省の日々ですけど、
やはりその原点は「なぜ?」の追求です。
なぜ開業をするのですか?
もう一日中でも語れるように、
自分との対話を繰り返して
すべての責任は自分にあると
当たり前のように思えるくらいに
問うて、問うて、問い続けるべきだと思います。
開業前からこれを習慣化すると、
開院してからもずっと問い続けることができます。
こういうクリニックは中長期的にうまくいきます。
目的を微調整したり、
刷新したりしながらも
サスティナブルなクリニックを目指す。
困難に負けてしまうようでは困りますし、
ちょっと儲けたら勘違いするようではいけません。
これからのクリニック開業は、
今まで以上に難しくなります。
それでも開業したいか?
その答えを自分で出す。
すべてはここからではないでしょうか。
<参考>
失敗しないクリニック開業準備 開院後に困らないチェックリスト

*まとめ
これからのクリニック開業は、
これまで以上に厳しい時代に入っていくでしょう。
物価上昇、人件費上昇、金利上昇、
そして制度面での規制強化の可能性まで考えれば、
普通に考えれば慎重になるのが当然です。
しかし、それでも開業したいという思いがあるのなら、
最後に問うべきは
「本当に自分はなぜ開業したいのか」という
もうこの一点に尽きます。
開業は、単に勤務医を辞めて独立するという話ではなく、
自分の理念、覚悟、責任感、
そして将来設計のすべてが試される経営そのものです。
逆風の時代だからこそ、
勢いだけで進むのではなく、
感情的に流されるのでもなく、
まずは「目的」を明確にして、
ビジョンとプランを言語化し、
自分との対話を重ねることが欠かせません。
それでもなお「やりたい」と思えるのなら、
その思いには挑戦する価値があるのだと思います。
それでは、また…。
*ジーネットTV youtubeにて医師のキャリアについてお話ししています。
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「経営者」というのは、
頭のネジが数本欠けている人が多いです。
ぶっ飛んでいる。
コンフォートゾーンがない。
未来しか見ていない。
まあ、いろんな言い方がありますけど、
それくらいでないと
事業なんて背負えないのでしょう。
しかし現実は甘くありません。昨年は1万社以上が倒産し、
今年2月も全国で851社が倒産したそうです。
必死にやっている“つもり”でも、
倒れる会社は倒れます。
私の見たところ、
自分だけ甘い汁を吸おうとする人、
せこい人、考えない人、
他責な人、学ばない人、
独りよがりな人。
こういう人は、どれだけ汗をかいても、
結局は倒産に近づいていくだけです。
努力の量でごまかしても無駄です。
方向が間違っていれば、
頑張るほど崖に近づきます。
ネジが欠けていることが、
吉と出るか、凶と出るか。
その分かれ目は、
事業の「目的」にある気がします。
上っ面の理念ではありません。
きれいごとでもありません。
トップの心の奥底にある、
本物の目的です。
私利私欲が強い人は、
だいたい最後に足元をすくわれます。
事業は、そんなに甘くない。
世の中は、思っている以上に
よくできています。
別に経営者ではなくても
知っておくとよい現実です。