ジーネット株式会社コンサルタント ブログ

歴史哲学講義

(公開: 2019年12月29日)

 

おはようございます。

 

医師のキャリアプランを軸に捉えて

転職やクリニック開業を支援し続ける

ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

今年最後の書評となります。

年明けからは書評ブログを独立させます。

 

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ある読書好き医療コンサルタントの書評ブログ!と題して

こちらで原則毎週日曜日に更新します。

 

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ちなみに過去ブログもすべて引っ越し済みです。

 

それでは、本日のブログのタイトルは、

【 歴史哲学講義 】 といたしました。

 

医師歴史哲学     医師哲学歴史

 

本書をピックアップした理由

『 歴史哲学講義 』

ヘーゲル 岩波文庫 を読みました。

 

我が家の毎年の行事のひとつに

神田の古本まつりに行くというのがあります。

 

ブックオフでは見つからない書籍を

大量購入してきます。

今年も30冊ほど買ってきました。

 

その中で真っ先に読みたいと思っていたのが

本書なんです。

 

歴史好き、哲学好きの私には

まさにピッタリの内容です。

 

しかも記憶にある限りでは

ヘーゲルの本を読んだことはない。

 

これは読まなきゃアカンでしょう!と思いつつ

手に取った次第です。

 

目次

<上巻>

序論

A 歴史のとらえかた

B 歴史における理性とはなにか

C 世界史の歩み

D 世界史の地理的基礎

E 世界史の時代区分

 

第一部 東洋世界

 第一篇 中国

 第二編 インド

 第三篇 ペルシャ

 

<下巻>

第二部 ギリシャ世界

 第一篇 ギリシャ精神の諸要素

 第二編 美しき個人の形成

 第三篇 外交の時代

 第四編 ギリシャ精神の没落

第三部 ローマ世界

 第一篇 第二回ポエニ戦争以前のローマ

 第二編 第二回ポエニ戦争から帝政成立までのローマ

 第三篇 帝政の時代

第四部 ゲルマン世界

 第一篇 キリスト教=ゲルマン世界の諸要素

 第二編 中世

 第三篇 近代  

 

感想

ふむ…、面白い…。

これは相当に良かった。

 

ひと言で申し上げるなら

世界史を哲学的に考察した本です。

 

ヘーゲルは、

歴史哲学とは、

世界史を理性のあゆみとして

あきらかにするものである…。

あるいは、世界史を自由の発展の過程として

描き出すものである…と定義しています。

 

何の事やら…とも思えますが、

要は歴史のテストに出てくるようなところに

フォーカスするのではなく、

歴史の現場、人、時代に

グイっと入り込むような感じです。

 

なぜ?どうして?そのプロセスは?と

しかも哲学的にグイグイ…。

 

そのアプローチの仕方が興味深く、

日本史選考で世界史は基本程度しか知らない私には

非常に面白く感じました。

 

それでは私がグッときた箇所をご紹介いたします。

 

善人の例は人の心を高揚させるし、

子どもたちの道徳教育にあたって、

印象ぶかい好例を提供するものだ、

とはよくいわれることですが、

民族と国家の運命、その利害、社会状況、動向は、

道徳とは別の次元にある。

君主や政治家や民衆にむかって、

歴史の経験に学ぶべきだ、と説く人はよくいますが、

経験と歴史が教えてくれるのは、

民衆や政府が歴史から何かを学ぶといったことは一度たりともなく、

歴史から引き出された教訓にしたがって

行動したことなどまったくない、ということです。

それぞれの時代はそれぞれに固有の条件のもとに

独自の状況を形成するのであって、

是非善悪の決定も状況のなかからおこなわれなければならないし、

また、それ以外に決定のしようがない。

世界的事件の渦中にあっては、

一般原則も、類似の出来事の記憶も、

なんの役にもたつはずがなく、というのも、

色あせた記憶をもってしては、

正規と自由にあふれた現在に

とても太刀打ちできないからです。

(上巻 P.18~19)

 

概念を形のある存在にするのは、

人間の欲望、衝動、すききらい、感情などのはたらきです。

(上巻 P.46)

 

人間の美質や道徳心や宗教心が

歴史上でこうむる運命を見わたすとき、

善意の誠実な人びとが多くの場合に不幸な目に合い、

邪悪な人びとがうまくやっているようにも見えますが、

そんなことをなげきの種にするのはあたらない。

うまくいくというのにもさまざまな意味があって、

富や外見上の名誉などもふくまれる。

しかし、絶対的に存在する目的を問題とする場合には、

あれこれの個人がうまくいったかいかなかったかは、

理性的な世界秩序になに一つかかわるところをもたない。

世界の目的という観点からすれば、

個人が幸福な状態にあるかどうかより、

道徳と法にかなった

よい目的が確実に実現されているかどうかのほうが重要です。

(上巻 P.66)

 

青年期はなにかと不満だらけなのに、

年をとると人間がおだやかになるという。

年をかさねることが判断を成熟させるからで、

利害にとらわれない目で

マイナス面をも評価できるようになるだけでなく、

まじめな人生経験を積むことによって、

洞察力が深まり、

ものごとの実体ないし実質をつかめるようになるのです。

(上巻 P.68~69)

 

自然物には、

つねに同一の固定した性格があって、

すべての変化もそこに還元されるが、

人間には、現実に変化していく能力があり、

それも、よりよいものへの変化であって、

つまりは、完全なものをめざす衝動があると思える。

(上巻 P.97~98)

 

精神にとっての最高のはたらきとは、

自己を知ることであり、

自己を直観するだけでなく、

自己を思考へともたらすことです。

(上巻 P.125)

 

魂が不死であるとは、

魂が自然とはべつのものであり、

精神がそれ自体で独立に存在する、ということです。

(上巻 P.352)

 

人間は正義や善の本質を

自分の内部に発見し認識すべきで、

この正義や善はその本性からして

普遍的なものだ、ということになる。

(下巻 P.81)

 

現代に生きるわれわれは、

自分たちの失敗にも我慢できないし、

失敗の予防手段にも我慢できない。

(下巻 P.93)

 

国家における自由は、

宗教によって承認され確証されるのであって、というのも、

国家の共同規範は

宗教の根本原理を実現したものにほかならないからです。

歴史がおこなうのは、

宗教を人間の理性として出現させること、

いいかえれば、

人間の心にやどる宗教原理を世俗の自由としても

実現することにほかならない。

こうして、心の内面と実生活との分裂が破棄されるのです。

(下巻 P.189)

 

火薬によってはじめて、

個人の感情をまじえない高度の勇気が生じた。

飛び道具の使用は、

個々の人物をねらうものではなく、

抽象的な敵にむかってねらいをつけるものだからです。

兵士は、全体のために一身をささげるとき、

死の危険を静かにむかえいれます。

(下巻 P.294)

 

歴史を年代や出来事にフォーカスすると

それこそ試験に出る出ないで判断するような

非常に表層的なものになってしまいます。

 

しかしそこで生きた人々の心や

生活にフォーカスすると

本当の意味での歴史の意味が見えてくると思います。

 

そういう観点で歴史を語る

実に興味深い良書でした。

 

評価

おススメ度は ★★★★☆ といたします。

 

まあ合う合わないはある内容です。

私のように歴史好き、哲学好きな人であれば

相当に読み込んで楽しめる事は間違いなしです。

 

ただそうでない方は

もしかしたら苦痛かもしれないです。

世界史専攻だった方などは

懐かしく読めるかもしれませんけど、

そうでない方は特別興味がない限り

ちょっとキツイかも…(苦笑)。

 

ただ私はかなり面白く読めました。

万人向けではないかも…ですけど、

歴史、哲学、世界史、ヘーゲルあたりのワードに

ピンときた方にはおススメできます。

 

それでは、また…。

 

 

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