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医師のキャリアにおける悩ましい分岐点とは?

2018年10月30日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師のキャリアプランを軸にして
転職、開業、経営シーンでサポートし続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

私は医療従事者ではありませんから、
(母親は看護師でしたけど)
医師や看護師の皆さんに対して
常に謙虚な姿勢と
心からのリスペクトの気持ちを持たねばならないと
考えています。

ただ医療従事者ではないからこそ
気づける事、見える事、感じる事については
率直に言葉にして情報発信する事で
医療従事者の皆さんに対して考えるきっかけを提供するのは
それなりの価値があるのではないかとも思ってます。

 

本日のブログのタイトルは、
【 医師のキャリアにおける悩ましい分岐点とは? 】として
私が今までやり取りをさせて頂いた先生方から学んだ
事例やノウハウを元にして
医師のキャリアの分岐点について考えてまいります。

 

医師キャリア分岐点

 

医学部を受験するか?

まずは18才の時点を考えてみます。

医療従事者の皆さんにとっては
ごく当たり前の事ではあるようですが、
世間的にはかなり異質です。

18才で人生を決めるという事が…。

一般の人は、
高卒で就職するか、
専門学校に行くか、
短大に行くか、
大学に行くか、
花嫁修業をするか(笑)、
まあ他にも選択肢はあると思いますが、
18才の時点でその後の長い職業人生を決めるという事は
あまりないと思います。

私自身も大学に入学する際に、
将来どんな職業に就くかなんて
正直まったく想像できませんでしたし、
考える必要もなかったです。

4年間あればその内やりたい事でも見つかるかな?と
お気楽なものでした。

しかし医師の皆さんは違いますね。
医学部を受験する。

合格できなければ
他の選択肢を取るしかありませんけど、
合格すればそのまま医学部で6年間学び、
医師国家試験を受けて、
合格すれば初期研修に入り、
そのまま若手医師から中堅医師、ベテラン医師となり、
長い医師人生を送る訳です。

18才で決めるって
そりゃスゴイ事なんだと思います。

いや現実的には医学部受験をする為には
もっと若い内から受験への備えが必要ですから
15才~17才くらいで覚悟を持っているでしょうし、
それこそ小学生や中学生当時から
準備を始めたという方も少なくないのかもしれませんね。

裏を返せば、
私の個人的見解ですが、
やっぱり医師という職業には
それだけの魅力があるんだと思います。

それは単なる高給が保証されるとか、
生活が安定しそうだとか、
尊敬される職業だとか、
そういうものだけではなく、
もっとあらゆる角度から人に関わり、
生死に直結するピンチを救ったり、
病気やケガの人を通して
大きな社会貢献ができるからではないかと考えています。

 

臨床研修をどこで受けるか?

医学部に6年通い、
国試にも合格して医師免許を手にしました。

さあ次は臨床研修を
どの施設で受けるかを決めなければなりません。

ひと昔前は母校の大学病院を選択する方が
ほとんどでしたが、
最近では他大学を選んだり、
民間病院を選んだりする方も増えていますね。

マッチング制度が導入されてからは、
研修医=労働力という観点が鈍り、
いかに魅力的な研修を行うか?が
選ばれるポイントとなっています。

だから各病院ともに研修医を採用するのに必死です。
イベントに参加してアピールしてますもんね。

果たして母校の大学病院が良いのか?
他大学が良いのか?
自治体系の病院?民間病院?

いずれにもメリット、デメリットがあると思いますので
一概にこれが良いとは申せません。

でも、だからこそ、
ご自身のキャリアデザインを思い描く事が肝要です。

研究は?教育は?
臨床1本でやっていくのか?
将来的に開業は視野に入るのか?
ずっと総合病院で働くのか?

これから研修という段階で
明確なプランは描けないでしょうが、
それでもやんわりとしていても、
自分の医師としてのキャリアプランを考える事には
大きな価値があると思います。

 

診療科目は何科を選ぶか?

今まで私がお会いしてきた先生にお話しを伺うと、
〇〇科にするか、△△科にするか
最後まで悩んだ結果、△△科を選んだんだよ…など
やはり先輩ドクターも悩んだ末に決断されているようです。

また数年経った後に転科を検討されたり、
実際にもう1度学び直しになりますが
転科を実行に移した先生もおられます。

何科を選ぶのが正解なのか?という観点ではなく、
自分に向くのか?合うのか?と考えるのが良いかもしれませんね。

あくまでも例えば…ですけど、
将来的に開業を検討されているなら
耳鼻咽喉科はそもそもの診療所数が少ないので
繁盛する可能性が高いなどは言えます。

皮膚科も同様ですが、
診療報酬の点数が低めですからどうなんだ?とありますが、
自費診療の領域も大きいので潰しは効くかもしれません。

内科の中では、プライマリケアとして
総合内科が増えていますが、
やはり循環器、消化器の医療ニーズは高いです。

意外と呼吸器内科は医師数が少ないと言われますので、
人気を選ぶか、競合の少なさを選ぶか…。

外科系は、ハードな働き方が求められる傾向が強いようです。
緊急オペなども入りますから致し方ないでしょう。

でも手術が好きな先生にとっては
こちらを選ばざるを得ないでしょうね。

ただいずれメスを置く時が来るという宿命もあり、
外科系の先生はセカンドキャリアをも
考えておいた方が良いかもしれません。

消化器外科から内視鏡を中心とした消化器内科へ…とか、
55才まで手術をバリバリやって、
その後はプライマリケアの領域へ…など
様々な転身の仕方はあり得ると思います。

一般的には内科系の先生は文化系が多く、
外科系の先生は体育会系が多いなどとも言われます。

確かに…と思われる先生もいらっしゃれば、
あれ?という先生もいらっしゃいますので、
厳密な意味では正解とは言えないですが、
何となくその傾向はあるように思います。

診療科目について語るとすごーく長くなりそうですので、
この辺りにしておきますが、
やはり後悔のない決断をして頂きたいですね~。
その為にも情報収集が必要です。

 

研究、教育、臨床、どの道を歩むか?

本庶佑先生がノーベル賞を受賞し、
基礎研究の大事さを問うていますね。

確かに我が国では基礎研究をないがしろにしてきたともいえ、
今回のノーベル賞の受賞によって
今後、研究職も見直されてくるかもしれません。

また医学においては教育も重要です。

大学に残る為に、研究を続ける為に、学位を取る為に、
しょうがなく教育にも携わっているなんて話しも伺いますが、
医学教育のスペシャリストみたいな先生が
増えてもいいのではないか?と思います。

今でしょ!で一世を風靡した林修先生などを見ると、
教育者として一流の人にはタレント性もあったりして
人間としても魅力がありますからね。

ただ良くも悪くも研究、教育は
経済的な報いは臨床と比較すれば少ないです。

今後、改善があって欲しい所ですが、
果たしてどうでしょうか?

やはり医師を志す方々は、
臨床医になる事を考えて
医師になるケースが多いようです。

とは言え臨床医も
研究や教育に全く携わらない訳にも行かないでしょうし、
臨床を長く続けたからこそ
研究がしたい、教育がしたいと思うようになるケースも
なかにはあると思います。

歯科の世界では、
開業医が大学に戻ったり、
大学で教えたりする事が少なくないと聞きますし、
スタディグループのようなものも多く立ち上がっているようです。

医科と比べても開業医の割合が多いだけに、
開業した後に大学と関わる点は必要不可欠なのでしょうか。

いずれにしても医科も大学医局の力が低くなっているだけに
今後は新たな仕組みが出来上がると良いかもしれませんね。

ホントかどうかはわかりませんが、
いまだに厚労省は医師は余剰になると言ってるようです。

でも研究や教育に転身する事も考えたら
多少余剰の方がいいのかもしれないなあと考えたりもします。

 

どうする専門医?学位は取っておくべき?

これは私自身も若手の先生から質問される事があります。
でも答えはないと思うんですね。

医師の皆さんは私から見ると資格が好きなようです。

専門医をいくつも取得されている先生も多いですし、
勉強好きの姿勢には頭が下がりますが、
更新料など結構なお金も掛かってしまうんですよね…。

また学位に関しては、
取得するまで大学との関係を
上手くやらねばならないみたいなので、
それも結構ストレスなのではないかなと思うんです。

よく足の裏についた米粒みたいな言い方をしますが、
現実的には確かに取らなきゃ気持ち悪い、
でも取っても食えないというものでもありますよね…。

でも取りたい人はやっぱり取るべきと思いますし、
専門性の証明ではあると思います。

ただ私が考えますに、
採用シーンで専門医や指導医や医学博士号が
待遇や条件にプラスになる事がほとんどなく、
それはどうなんだろうか?と思いますね。

例えば企業の法務部では、
弁護士とそれ以外の方では確実に条件に差があります。

知的財産部でも弁理士とそれ以外は差があり、
財務部でも会計士や税理士とそれ以外の人は差があるものです。

この差が良いのか悪いのかわかりませんが、
専門医や学位に対するリスペクトが欠けているように思うのです。

というか、医療業界全体として
そこに価値を与えるのかどうか?の問題ですね。

新専門医制度も混乱しているようですし、
臨床研修では大学病院離れが顕著にもなっています。

ご自身のキャリアプランによって、
専門医や学位は絶対に取る!という方と、
別にいらないという方と、
取り合えず取得しておこうという方と、
自ら決断していかねばならなくなるのでしょうね。

 

勤務医で続けるか?開業を目指すか?

以前、医学部の学生さんからご相談を頂きました。

自分は開業医を目指しているのだが、
この先に何を考え、どう行動すべきか
アドバイスを下さいとの事でした。

正直、え!まだ学生でしょう?
そんなに焦らなくてもいいんじゃないかなとは思いましたが、
その熱い思いに応えて、
あまり導くような事は言わないようにして、
一般論的なアドバイスだけさせて頂きました。

勤務医で働くか?
開業医として経営者になるか?

この分岐点は医師の皆さんは
1度は考えた事があるのではないでしょうか?

実際に弊社は元々医師の転職支援のみ行っていたのですが、
多くのキャリア相談に乗らせて頂く中で
転職か?開業か?というお悩みに直面する事が少なくなく、
開業を選んだ先生は仲間の開業支援会社をご紹介していたのですが、
やはり最初に信頼して頂けた私どもへの期待が大きく
転職支援+開業支援、両方を行うべきと考えて
医員開業支援の勉強会に3年間通い学んだ上で
ついに開業支援も手掛けるようになったのです。

ま、それはさておきまして、
勤務医がいいのか、開業医がいいのか、
これは単なるメリット・デメリットの問題ではないと
私は考えています。

勤務医には安定がありますが
大きな発展は難しいでしょうし、
開業医にはリスクがありますが、
成功すれば大きな果実を手に入れる事もできます。

患者に提供する医療の質や内容は異なるでしょうし、
主業務以外にすべき事も全然異なりますしね。

考えるべきは良いか悪いかではなく、
経済的な観点からだけでもなく、
本当に自分がやりたいか?
自分に合うのかどうか?ではないでしょうか。

医科であれば40代、歯科であれば30代、
この年代のタイミングが悩む時かと思います。

ご両親の診療所を継ぐ場合は別ですが、
勤務医か、開業医かの決断は時間を掛けて
じっくり検討すべきと考えます。

 

セカンドキャリアをどうするか?引退までの道筋をどう描くか?

ある程度の医師人生を歩んでくると、
その先についても考えておいた方が良いと思います。

ずっと急性期病院で働くのは
段々と心身ともに辛くなってくるでしょうし、
いつまでも当直やオンコールをする訳にはいきませんからね。

また外科系の先生の場合は、
いつメスを置くのか?という
手術から離れるタイミングをどうすべきか?も
実に悩ましい問題だと思うのです。

私自身も、早ければ40代後半くらいから、
多くは50代、遅くとも60代前半の先生方から
セカンドキャリアをどうすべきか?のご相談を受けました。

もちろん人それぞれ次の道は異なるのですが、
自分にどんな可能性があるのか?の情報を得て、
その中からどの選択肢を選び取るのかは
できたら早めに検討だけでもしておいた方が良いと思います。

中堅からベテランのドクターだからと言って、
目先の事ばかり気にし過ぎるのではなく、
やはり中長期的なプランを持っておいた方が良いです。

自分は何歳で引退するのか?を想像しながら
そこから逆算して、何歳まではこう、
その前の何歳まではこう、とプランニングするのが
自分を有利にすると思います。

 

家族との関わり方をどう考えるか?

私の妻は…
私の好きなようにさせてくれるんですよ…と言いながら
転職や開業の際に大反対を受けてしまった事例が
実は結構あるんです。

いわゆる嫁ブロックという奴ですね。

女医さんが夫に反対されるという話しは
あまり聞きませんから(どこかにあるかもしれませんが)、
やはり新たな1歩を踏み出すのであれば
家族には早めに相談をしておいた方が良いですね。

また転職理由が、
今までハードな勤務で子供に何もできていない。

もう中学生になっており、
高校受験には自分がしっかり携わって
せめてもの罪滅ぼしがしたいんだ…と
おっしゃる先生もいらっしゃいました。

医師として、
特に急性期病院で働いていると
どうしても子育てに携わる事が難しい場合もありますよね。

でも本当にそれで良いのか…。

ここは人それぞれですし、
家族の形もいろいろあると思いますので
これが正解!というものはありません。

しかし自分の為にも、
家族との関わりをどうするか?
これはキャリアプランを考える際に
絶対に考えておくべき大事なものだと思ってます。

 

医師人生をどう歩むか?

私自身が今まで出会ってきた先生方から教わった事も含めて
医師のキャリアにおける分岐点で悩ましい事について
いろいろ書いてきました。

しかしこうすべき!という結論めいた事は
ほとんど書いていないと思います。

それは人生設計にしても、
キャリアプランにしても、
非常に個別的なものであり、
誰にでも通用する正解などないと考えているからです。

ですから私がキャリア相談をお受けする際にも、
基本的には答えは先生の中にあると考えて、
じっくりとお話しを伺いながら
いくつかの事例やノウハウを提供しながら、
内側にある正解を見つけるお手伝いをしているつもりです。

ダーウィンは、
答えを見つけるのではなく、
常に問い続ける事が大事であると述べていたそうです。

医師のキャリアも同様かと思います。

だからこそ情報収集をして、
様々な事例やノウハウを得て、
その上で自分らしいキャリアプランを描いて頂きたいと
心から思ってます。

今後、医療の形は大きく変わるかもしれませんし、
医師の働き方も変わらざるを得なくなっているとも思います。

ご自分らしい、相応しいキャリアプランを構築し、
オリジナリティ溢れる価値ある人生を歩んで頂きたい…。
私はその側面支援、後方支援をしてまいります。

スペシャリストを支えるゼネラリスト。

医師を支える有用なコンサルタントである事が
私の、当社のミッションです。

それでは、また…。

 

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