おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私どものメイン事業は
医師の転職支援と
クリニックの開業支援です。
よって基本的には
勤務医の先生をサポートします。
ただ開業支援に関しては
勤務医から開業医への転身を
ずっと支えておりますし、
開業した後、つまり開業医となってからも
お付き合いは永遠に続いています。
またSNSでは多くの開業医の先生とも繋がっており
一部の開業医の先生に対しては
経営コンサルティングという形でご支援もしています。
そういう点では
勤務医にも、開業医にも
精通していると言ってもいいでしょうか。
まあ私の中では
別に勤務医の先生だから…
開業医の先生だからという
区分けみたいなものは一切ありません。
医師は医師。
むしろ専門とする診療科目のほうが
傾向と対策みたいなものがあるかもしれません。
ただ開業医は経営者となりますので
その点での意識転換は強く求められます。
実際に開業準備期間中は
経営談義をすることも多く、
そんな時には拙い私の経験値が
意外と役に立ったりするものです。
ぶっちゃけ勤務医と開業医に
どちらが上とかないと考えています。
ただ経営者と労働者では
いい悪いは抜きにした
明確な「違い」があるというだけの話しです。
今回はこの勤務医から
開業医に変わるプロセスについて
私の思うところを書いてまいります。
本日のブログのタイトルは、
【 勤務医から開業医へ、どんなリアルな変化があるのか? 】
といたしました。
<目次>
1.勤務医も捨てがたい
・ハードワークだけど最新医療に携われる
・安定とプライド
2.開業医になった後の変化
・経営者という役割
・自由と責任
*まとめ

1.勤務医も捨てがたい
開業準備を始める段階では
もう強い意欲と覚悟がありますから
あとは開業医を目指して
粛々と準備を進めていくだけです。
しかし開業するか、勤務医のままで行くかという
この大きな分岐点では
先生方、相当に悩まれることが多いように感じます。
ちょうど今も開業するか悩まれている
小児科の先生がいらっしゃいます。
今の状況も決して不満足なわけではないし、
それなりのポジションもあり
やりがいはそこそこ持っていらっしゃるのですね。
安定している今を捨てて
開業して良いものかどうか。
それともう1人…
産婦人科の承継案件を受けるかどうか
お悩みの産婦人科医の先生もいらっしゃいます。
分娩施設でもあり
いわゆる1人院長の小さなクリニックではないために
果たして自分が受け継いで切り盛りできるのか。
私はとても健全な悩みだと思いますし
踏ん切りがつくまで大いに悩むべしとも思います。
だから質問をいただけばアドバイスはいたしますが
基本的なスタンスとしては「熟慮」してくださいです。
開業コンサルタントのなかには
とにかく開業に引き込もうとする
不埒な輩もいるようですが、
弊社はそういうことはいたしません。
いつも言うように
開業医は経営者になることですから
経営をしたいとか
トップになりたいという
志や大義がないとなかなかできないものなのです。
開業「デモ」するか…とか
開業「シカ」ないかという
いわゆる「デモシカ開業」が通用する時代ではありません。
これだけ競合が増えて、
診療報酬も厳しくなっていくなかですので
そんな困難を何が何でも乗り越えていくという
強い思いが必要不可欠となります。
だからご決断をじっくりお待ちしますし、
取り止めになっても全然構いません。
・ハードワークだけど最新医療に携われる
私どもは転職支援を主力事業の1つとしていますので
今までも多くの勤務医の先生の転職をサポートしてきました。
人それぞれの「退職理由」がありますし、
また個々それぞれの「転職理由」もあります。
新しい職場を探す「理由」としては
似通っている「退職理由」と「転職理由」ですが
厳密に言えばこれは食い違っているべきと考えます。
通常「退職理由」はネガティブな要素が多いですが、
これからの転職活動を考えると
ポジティブな「転職理由」に転換させる必要があるのです。
そうは言いましても
どんな職場だって嫌なところばかりではないし、
長所やメリットもありますよね。
そのバランスは異なれど
【 長所>短所 】 と思えるならば
今の職場を辞める必要性は高くありませんし、
【 長所<短所 】 となるならば
次の職場を考えざるを得ないとも言えますね。
うちの場合は開業と同じで
転職も無理に導くようなことはいたしません。
冷静かつ的確にご判断いただけるように
判断材料は提供いたしますけれど
気持ち良く決断をしていただくために
首を長くしてお待ちするようにしています。
その結果、転職しないと決断されてもいいですし、
大事なのはこれからのキャリアを考えて
どういう選択が未来の自分のためになるか?だと考えています。
ですから転職のご相談にいらっしゃっても
今の職場の良いところの話しで盛り上がることもあります。
貴重な症例経験が積めるとか
最新の医療機器が揃っているとか
上司の指導が熱いとか
コメディカルスタッフが頼りになるとか
居心地がすごく良いとか。
ただその一方で悪い話しで盛り上がることもあり
こちらは…まあ無限大に事例が出てきますね。
ハードワークなどはその代表的なものであり、
医師の働き方改革以降は
多少なりとも改善されてきていると思いますけど
その弊害もなくはなく
まだまだ道半ばというところでしょうか。
そもそも医学というものは
日進月歩で進化するものですし、
医師たるもの最新医療に携わり続けたいという思いは
多くの方にあるのかもしれません。
変な例えですけど
私は千葉県佐倉市という街の出身ですが、
昔は都内で流行っていたものが
だいたい10年遅れでやってくると言われてました。
当時はまだネットもなかった時代ですけど、
医療においても大学病院のようなところと
地域の中小病院とかクリニックでは
多少の遅れはあると思いますし、
やりたくてもできないということもありますし、
むしろ無理せずに紹介すべきとも言えますよね。
ある意味では最新医療とは
尖がった一部の世界でもありますので
できるだけ長くその世界に身を置きたいという
お気持ちは理解できます。
最終的には自分で判断するしかないものですけど。
・安定とプライド
どの業界でも同じですが
その業界内でしか通用しない
よくわからない常識や慣例ってものが
なぜだかあるものですよね。
私どもの転職支援業界でも
開業支援業界でも
外部では通用しないものがいくつもあります。
これは医療業界でも同じですよね?
患者にとっては同じ医師でも、
医師同士のなかでは
大学病院に勤務しているとか
診療科目とか
年次とか、役職とか、専門領域とか
実に細かいところで優劣があったりしますね。
別にそれに対して悪くも思わないですし
業界特有の慣例なんで致し方ありません。
ただ勤務医の先生は
やや開業医を下に見る傾向があり、
これまた逆に開業医の先生は
勤務医の先生を下に見る傾向もあります。
もちろんお互いに
リスペクトしている先生も少なくありませんから
結構個別的な話しなのだろうと思います。
ただ勤務医から開業医になることを決心したなら
勤務医時代のプライドは捨てたほうがいいですね。
内科のクリニックにだって
皮膚科とか、耳鼻咽喉科の患者さんは来院しますし
それを断るわけにもまいりません。
単にスイッチを押して
感覚を切り替えてしまうだけの話しです。
開業医としての
開業医らしいプライドを持つようにしましょう。
あとよくあるのが
今の安定を捨てていいのか?という葛藤です。
これはビジネスパーソンでも同じですけど
自分の成績や成果に左右されずに
毎月決まった給料が振り込まれるのは
心理的にも安心ですし
生活も安定します。
それに加えて
医師という職業の場合は
患者も、スタッフも、経営陣も、
基本的には尊重してくれますし
医長や部長など役職が付くならば
なおさらだと思います。
安定を捨てるなんて言うと
そう簡単に決断をできるものではありません。
むしろ安定よりも大事なものが
その先にあるか?ではないでしょうか。
世の中を見渡したって
公務員やら、サラリーマンやら、勤務医やら
多くの人が安定を選択しているわけです。
いや場合によっては
意識すらすることなく
ごく自然に安定した場所にいたということもあるでしょう。
人は安定を求めるのが普通です。
それが決して悪いわけではありません。
しかし独立心が旺盛な方や
経営にすこぶる高い関心がある方や
利他の心を持って
世のため人のために尽くしたいという方など
安定よりもプライオリティの高い価値観を持つ方もいます。
どっちも素晴らしいじゃないですか。
ただ自分はどちらのタイプなのか?という
それだけの問題であると思うのです。
合う合わないもありますけど
実はそれだけではなくて、
やりたい気持ちが強いか弱いかとか
チャレンジ精神のあるなしとか
ステージを変えたい思いの強弱とか
そういうものが安定を忘れさせてくれるものです。
でもその根底には
人は安定を望むというものがあるんです。
それでいいんです。
それを望むのが普通なんです。
だから開業を目指したけど
やっぱり止めたでもいいんです。
だけど止められない人がいるんです。
開業医になりたくてしょうがないんです。
経営者になるのが当然なんです。
何もかもを自分で差配して
自分らしい毎日を送りたい人がいるんです。
こういう人だけが開業すべきです。
安易な開業には反対です。
まして業者に乗せられての開業なんて
あってはなりません。
やりたくて、やりたくて、
多くの人に反対をされたけど
諦める気が全然湧いてこなくて
まっしぐらに挑める人こそが
開業医になるのです。
<参考>
クリニック開業に向けた経験値アップは勤務医とは全然違う!?

2.開業医になった後の変化
ここ数年、なぜか開業志向の強い医師が増えました。
これが社会全体にとって
良いのか悪いのかは私にはわかりませんが、
医師のキャリア志向の変化とは言えそうです。
その要因というか、背景には
実に様々な問題がありますし、
当ブログでも様々な角度から取り上げてきています。
医療制度の問題もありますし、
医師の働き方の問題もあります。
ですが私はやはり「キャリア」という観点から
開業医を考えてみます。
おそらくそういう観点で
物事を語る人は多くはないと思いますので
必死に差別化をしてみます(笑)
・経営者という役割
一応、私も経営者です。
しかも最初に社長になったのは38才の時です。
もう15年以上前となります。
今思えば失敗と言わざるを得ない経験でしたが、
これはこれで今となっては大変に助かっています。
そもそも経営者になりたいなんて
私の場合はあんまり考えていなかったんですよ。
たまたまトントン拍子で出世して
前任の社長が親会社に行くことが決まり、
お前がやれと指名されただけなのです。
妻は大反対でしたし、
自分でも大丈夫なのかな?と不安でした。
だけどそうなってしまった以上は
もうやるしかない。
その会社は社員が70名くらいでしたので
みんなの生活を守らなければならない。
必死に働きましたし
かなり勉強もしました。
ですがちょうど1年くらいで
親会社に吸収合併されてしまい
私はそのまま親会社の事業部長に格下げ。
ぶっちゃけ失敗ですよね。
別に何かミスをしたわけではないし、
売上は下がったけど利益は増やすなど
時はリーマンショック真っ只中だったのですが
自分としてはできるだけのことはやったと思ってます。
でもこの経験が今の会社に活きています。
何より設計図が大事だということで
ミッション、ビジョン、バリューとか
経営方針、営業方針を明確にして
行動指針のようなものを作り上げました。
時々当ブログでも書きますけど
社内では全員が深く理解していると思います。
ま、それだけに理解できない人は辞めていきますが
私ごときが万能になれるはずもなく、
それは個々それぞれの人生ということで
もう致し方ないかと思ってます。
えっと、私のことなんでどうでもいいのですが、
ここで考えたいのは、
キャリアとしての「経営者」です。
いつも言うように
私はキャリアを「スキル」と「経験」と定義しています。
もちろん勤務医の皆さんは
経営者の経験をお持ちの方は少ないでしょう。
しかし医療業界のなかでは
医師は必然的にリーダーとして働いてきていますし
当然、診療経験は豊富なわけですし、
もともと勉強家の方ですから
経営者としての資質をお持ちの方は多いです。
今まで開業のお手伝いをさせていただいた先生方を見ても
「スキル」や「経験」という観点で
心配になることはまずなかったのですね。
開業時に必要なのは「意欲」と「覚悟」です。
「スキル」と「経験」は
「意欲」と「覚悟」でカバーできます。
もちろん誰でもではありませんし、
程度問題はあると思いますよ。
ただ医師の皆さんに限定すれば
経営者としてのキャリアは問題ありません。
事実、開業準備の期間中で
どんどん経営者らしくなっていく様子を
私どもは毎回見させてもらっていますが、
全く心配ないと断言できます。
開業準備の初期は
開業物件であったり、
医療機器の選定であったり、
内装工事業者を選んだり、
金額も大きいですし
取り返しがつかないものなので
かなり慎重に、おっかなびっくり決めていきます。
この段階では私どもも手厚いサポートをしますが
銀行から融資を受けて準備が進んでいくなかで
どんどん経営者らしく、たくましくなっていくのです。
そしてスタッフ採用をする頃には
堂々と院長としての振る舞いが板につきます。
研修期間が始まると
もう自然と院長としての言動が出てきます。
いつの間にか
経営者に変身していくんですね。
たぶん勤務医時代とは
もう全然違う自分になっていると思いますよ。
すべてが自分の責任ですし、
それが当たり前になっていく。
クリニックの開業準備期間というのは
さなぎから成虫になるプロセスというか、
経営者に変身するために必要不可欠なのだと思います。
・自由と責任
私が経営者になって
最初に大きく戸惑ったのは
「自分の給料を自分で決める」ということでした。
考えてみれば
ごく当然のことなのですけど
まさに「自由」と「責任」です。
社員がうちの社長はもらい過ぎだと思えば
それは設定が間違っているかもしれませんし、
社員がうちの社長はもっと貰うべきだと思うなら
それは設定が正しいと言えるかもしれません。
これは社員だけではなく
クライアントからの視点もあるでしょうか。
経営者は何をしてもいいんです。
でもすべての責任を負わねばなりません。
集患マーケティングひとつ取っても
医療広告のガイドラインはありますけど、
それに違反しなければ
何をしてもいいんです。
でも洩れなく責任が付いて回るのです。
それが経営者としての「存在価値」なのです。
そういう「役割」なのですね。
経営者、開業医というのは。
だから自分の給料は自分で決めるのですし
スタッフの給料も自分で決めます。
診療日や診療時間も自分で決めますし、
標榜科目も自分で決めますし、
誰を採用するか?
どの業者を使うか?
診療方針などもすべて自分で決めます。
それが勤務医から開業医になった際の
かなり大きな変化です。
そして「意欲」と「覚悟」にも繋がりますし、
そのまま「スキル」と「経験」にもなるでしょう。
ここにメリットを感じないなら
開業は止めたほうがいいです。
経営者として辛くなりますし、
勤務医に戻りたくなると思います。
原則的には開業するということは
片道切符だと思ったほうがいいです。
それくらいの強い気持ちがないと
開業準備期間中に後悔し始めると思います。
大変なんですから…開業準備って。
それを乗り越えてこその経営者なんです。
いや乗り越えるのが当然なのです。
当初は経営者という意識は
それほど強くないかもしれませんけど
段々と強まっていくんです。
でもキツイんです。
結構辛いんです。
医学部の受験や国試などのように
強い思いがないと諦めがちなんです。
これも経営者になるための訓練みたいなものです。
私も経営者を長くしていて思うのは
経営者なんて誰だってなれるんです。
ですけど「続ける」ことは
並大抵のことではありません。
クリニックを開院したあとは
当然のごとく続けなきゃいけないわけです。
「続ける」には
根底に強い思いがないとできませんよね。
裏を返せば
「続ける」ことのできる自分になるという
覚悟の問題なのですね。
医療業界は
決して生易しい世界ではありませんから
勤務医として続けるのは大変です。
ですけど開業医になったら
楽できるなんて発想では
上手く行かないと思うんですね。
それこそ開業「デモ」するかとか
開業「シカ」ないかという
「デモシカ」開業が通用する時代ではありませんし、
勤務医とは異なる大変さがあるのです。
当初のコンセプト作りから
プランやビジョンに悩み、
重大な決断を何度も何度も下してきてという
プロセスが自分を磨くものなのです。
その結果として
大幅な年収アップがあったり、
家族との時間が増えたり
やりがいのある日々の診療があるんです。
手段と目的を混同すると
思うように行かないことは多いんですよ。
成功したいとか
お金を得たいとか、
そういうお気持ち自体はいいのですが
「何のために?」が重要ですし
「なぜ」を問うべきです。
患者さんに支持をされて
多くの患者さんに来院していただいて
地域の信頼を勝ち取れば
必然的に成功やお金も手に入ります。
診療報酬改定が不透明で
場合によっては厳しい査定となる可能性もあります。
それでも開業を目指すということは
生半可な思いではできませんし、
中途半端な気持ちではしてはいけないと思うんです。
それだけ地域への責任であったり
スタッフの雇用責任もあるわけです。
やりたいようにできる。
でも全責任を負う。
それが開業医であり、経営者であります。
勤務医から開業医への転身で
最も大きなリアルな変化とは
まさにここと言えると思います。
<参考>
クリニック開業の舞台裏…ぶっちゃけ版

*まとめ
コロナ禍があけて
開業を目指す先生が増えていると言われます。
「開業規制」なんて話しが出てきて
なおさら加速しているようにも感じます。
ただ猫も杓子も開業という風潮には
やはり疑問を持たざるを得ません。
本当に経営者になりたいのか?
この問いを自分に何度も投げ掛けてみて
それでもなりたい!やりたい!と思える人。
こういう方が開業医に向くのではないでしょうか。
手段と目的を混同せずに
結果だけを求めることなく、
なぜ?を問い続けながら
自分の意思で決断することが大事ですね。
それでは、また…。
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