おはようございます。
医師のキャリアプランを軸にして
転職、開業、経営シーンでサポートし続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
医療系の紹介会社に対しては
かなり厳しい目で見ている私ですが、
きちんと理由があるんです。
医療機関や、医師、看護師の皆さんから伺った話しが
その元となってますので、
あながち私の考えというよりは
むしろ現実を見て疑問を持っているという事なんですね。
本日のブログのタイトルは、
【 あなたもこの病院に来るのは初めてなんですね?という医師の転職支援 】
といたしました。
マッチングが雑すぎる!
人材紹介業とは、
人と人を仲介する訳ですか、
とてつもなく難しいものだと思います。
私自身15年も携わってきていますが、
何年やろうと答えが見えず
それこそ人と人は常に違う訳でもありまして、
その都度全く異なるものになるのですね。
まさに<複雑系>です…(苦笑)。
正解なんてないものだけに、
常に問い続ける姿勢を持ち続けねばならないと
いつもヒシヒシと感じております。
確かに私自身も15年間行う中で
ビシバシ決まって天狗になる時期はありました。
一応これでもトップセールスだったんで…。
俺様に掛かればどんな人でも決めてやるぜ!みたいな…(苦笑)。
でもこういう時にはちゃんとその後に痛い目に合う訳でして
謙虚さをいつも持たねばならない職業だとつくづく思います。
しかし医療系の大手紹介会社に限っては、
これっぽっちもこんな事は考えていません。
そもそも人と人を繋いでいるという認識すら
あまり持っていないと思われるケースが多いです。
・求職者である医師や看護師と会わずに紹介する。
・求人側である医療機関に足を運ばずに紹介する。
・システムマッチングに頼りきりで人を見ない。
ここらが代表的な欠点ですが、
医師や看護師の皆さんは、
担当者が医療機関を知らずデータとして
システムに入っている情報だけで案内するのを
どう思われますか?
医療機関の採用担当の皆さんは、
1度も会わずにプロフィールデータだけ送ってきて
それで高いフィーを請求する事をどう思われますか?
こんな事をしてきたお陰で
紹介会社なんかもう使わない…という
医師、看護師、医療機関が随分と増えたこと…。
実に残念ですし、個人的には悔しいです。
だってこんな事をしている会社こそ
企業規模が大きくなっていて、
大した事はしていないのに儲けが大きいのですから。
楽して儲かるというのは
ビジネス的には誤りではないですが、
社会全体、業界全体を考えると
医療系紹介会社においては憂うべき事態と思います
なかには悪意を持った経済的利益優先の会社もありますし、
なかにはただの無知、自分たちが何をしでかしているかすら
全く理解していない場合もあるのですが、
いずれにしても人材紹介事業をしている人間にとって
それはないよね?という事を
平気で行っているのが医療系の大手紹介会社なのです。
ビジネス系の紹介会社から見たら
非常に恥ずかしいレベルなんですよ。
それを知らずして、
売り手市場だから
面接にさえ連れて行けば内定が出るってんで
マッチングを舐めてきたんです。
その結果、不幸を振りまいているのです。
もう止めなきゃアカンでしょう。
サービスレベルが低いのに
利益ばかり得てしまって
最近ではM&Aを仕掛けてグループを拡大している。
どっかで痛い目に合うような気がします。
私どもはそういった紹介会社とは一線を引き、
独自のスタイルでサービス提供を行い、
ここにこんな考えで、
こういうエージェントがいますよ!と
大きな「旗」を立てていくしかありません。
病院見学に行ってみると…
先日あるドクターから伺った話しです。
今お勤めになっている病院は
大手の紹介会社から案内されたのだそうです。
その時のこと、
何件も送りつけてきた求人は
果たしてそれが良いものかそうでないのか
全く判断する為の材料がなく、
そうは言っても事情があって
早く転職先を決めねばならない状況だったそうで
よくわからないけど案内された中から1件を選んで
病院見学に行ってみたのだそうです。
当日は紹介会社の担当者と病院の最寄り駅で待ち合わせをして
駅からタクシーで一緒に病院に行ったそうなのですが…。
まずタクシーの運転手に対する
病院所在地の説明があやふやで
もうこの段階で、
あ~この人も初めて行く病院なんだなというのが
よくわかったそうです。
しかも病院に到着しても、
どこで何をしたら良いかよくわかっておらず、
先生の方からあそこが受付ですから
あそこで聞いてみるといいですよと
声を掛けてあげたそうです。
しばらくすると事務長らしき人が出てきたのですが、
紹介会社の担当者には一瞥もくれず、
先生に対して挨拶をしてきたそうなんですね。
普通は両者をお繋ぎする役割なんですけど…。
バツの悪そうな担当者は
無理やり事務長と名刺交換をしたそうですが、
先生から見てもその光景は
なるほど、この両者には信頼関係が全くないんだなというのが
一目瞭然だったそうです。
面接、見学自体は滞りなく進み、
院長の方針にも共感できたし、
院内を見学しても特に悪印象のところはなかったし、
事務長からオファーされた条件も良かったので、
早く決めたい一心でその病院にお世話になる事を決めたそうです。
ただその紹介会社の担当者に対しては
この人は何しに来たんだろう?と。
自分とも初対面だし、
医療機関の人たちとも初対面のようだったし、
面接や見学の最中もひと言も口を挟まず
ただ同席していただけ。
紹介会社ってのはこんなもんかね~?と思っていたそうですが、
その後、入職してみると事前に聞いていた話しとの食い違いが多く、
先生としては紹介会社なんて
もう2度と使わん!と思っていたのだそうです。
エージェントよ、目を覚ませ!
ところでなぜ私がこの話しを伺えたか?ですが
こちらの病院の在籍期間も長くなってきて、
この先生が次の展開を考えるようになった時に、
いろいろと情報収集をしていく中で
な・なんと私のブログに辿り着いたんだそうです。
とても嬉しいです。有難い事です~。
求人に翻弄されてはいけない!とか、
まずはキャリアプランを考えましょう!とか、
非公開求人なんて8割方嘘っぱちだ!とか、
中長期的なプランがあってこその転職活動だ!とか、
宣伝広告には騙されないで!など
私が当ブログで主張し続けている内容に共感をしてくれ、
1度この人の話しを聞いてみたいと思って下さったのだそうです。
私としては大変に有難い事ですが、
当直なくても年収アップ!とか
転職した医師の年収アップ率94%!とか
当社を利用して転職した医師の満足度は92%!とか、
そういう自分たちの都合の良い宣伝広告ではなく、
もっと医師や医療機関に対して
良質な情報提供を行い、
高品質のサービスを行い、
選ばれる紹介会社にならんといけませんよね。
今までの大手紹介会社は、
宣伝広告の力で医師、看護師という求職者を獲得し、
売り手市場で採用に困る医療機関に問答無用で売り込み、
マッチングの質よりも量を優先して
紹介を成立させてきた訳です。
しかし最近はそれが通用しなくなってきて、
戦略を変えてきたようです。
量から質に転換するなら良いですが、
そうではなく彼らの次の戦略は医療機関の囲い込みです。
1社独占で医療機関と連携し、
他の紹介会社を締め出すのです。
その代わり自分たちの所に来た医師や看護師は
優先的にその医療機関に紹介しますよ…と。
だいたい大手の紹介会社というのは
宣伝広告費がとんでもなく掛かっており、
社員数も多く、一等地にオフィスを構えてますので、
掛かる費用がベラボーに高いです。
それを賄う為に…
どんな手を使ってでも売上を上げなければならないのですが、
今度は医療機関囲い込み戦略を実施しているのですね。
ところが医療機関にとっては、
安定的に求職者を紹介してくれるから
これは受け入れた方が良いだろうとの判断でしょうが、
そもそもマッチングの質は高くない会社のやる事です。
私はこの戦略は早晩破綻すると考えています。
お宅が紹介した人たちの定着率が低いんだよ…となるでしょう。
そして何より問題なのは、
医師の皆さん、看護師の皆さん、
この方々の思いを踏みにじっているという事です。
こういう事をしている紹介会社に登録すると、
ここの医療機関を強烈にプッシュされるんですよ。
ご本人の希望とか、より良いキャリアとか、
そんな事はお構いなしです。
ある看護師さんなどは涙ながらに…
あなたにはこの病院しかない。
他の所なんて受け入れる訳がない。
悩んでいないでここに行くべきだ!と
恐喝されたという被害もすでに出始めています。
これでいいんですかね~?
1社と独占契約を締結している医療機関さん。
このような恐喝まがいでお宅を薦めている
紹介会社で本当にいいんでしょうか?
病院の評判が下がる一方ではありませんか?
ダメなんですよ。大手は。
自分たちの生き残りしか考えておらず、
人様にどれだけ迷惑を掛けようが
知らぬ存ぜぬなのですから…。
まあバカな経営者は良いです。
責任をいずれ取るべきシーンが来ますから。
でも現場のコンサルタント達は
魂を売って悪事に手を課さざるを得ないんですよね。
あまりにも可哀そう過ぎます…。
医師、看護師の転職マーケットが変わりつつある!
医師、看護師の転職マーケットは
売り手市場が続いていました。
ですから極端な事を言えば、
面接・見学に行きさえすれば内定が出たんです。
後は押し込むだけ…。
これが大手紹介会社の戦術です。
しかし看護師に関しては
私の感覚ですと売り手市場は終わりを迎えつつあります。
やはり7:1が解消された事、
病床数が削減されつつある事、
受け皿となる訪問看護は経営母体が小さいので
採用人数に限りがある事、
これらが理由です。
どうせすぐに次が見つかるから…と
職場を転々としていた方は
そろそろ性根を入れて末永く働ける職場を探しましょう。
その為には何か良い求人はないかなあ?ではなく、
まずご自身のキャリアプランを構築する事ですよ。
医師の場合は看護師ほどではありませんが、
一部の診療科目や人気のある業務内容では
段々と売り手市場の終焉を感じるようになってきています。
その証明となりそうなのが、
スポットのアルバイトや
定期非常勤の給与が下がりつつある事です。
まだ高水準を維持している科目、仕事はありますが、
これらも段々と下降していく可能性もあります。
子育て中の女医さんなどは、
いかんともしがたいでしょうが、
例の麻酔科の専門医更新の要件として
同一施設で週3日以上の勤務という縛りが付いたように、
今後は常勤医が優先されると思われます。
当然、気軽なバイトとは違いますから
それだけ医師も真剣に自分と向き合い、
将来設計も踏まえた上で
キャリアプランを考えていかねばなりませんね。
大半の求人は情報ではなく広告なんです!
以上のように、
医師、看護師の転職シーンも過渡期が訪れていると思います。
まして今後医療現場でも働き方改革が推進されるとなると、
想像よりもダイナミックな変革となる可能性もありますね。
当ブログではここ何年にも渡って
キャリアプランを考えましょうと提唱してまいりましたが、
まさに時代が追い付いた感があります。
どうしても転職とか、
新たな職場探しとかを考える際には、
何かいい求人ないかなあ?と考えがちですが、
そんなオイシイ求人はありません。
あってもそれはオイシイ求人ではなく、
裏事情のある引っ掛けのような求人だったりします。
こういう求人に引っ掛かって後悔する方々を
私は散々見てきましたからホント気を付けて頂きたいです。
良い求人なんてあり得ません。
でも普通の求人は
待遇、条件がごく一般的でも
能力・経験・人柄、ビジョン、期待できる貢献によって
待遇や条件は一気に変わるのです。
交渉次第ですけど…。
何ができるのか?
何をしたいのか?
これが明らかで、
そのウリとなる部分を欲している医療機関に行けば、
当初の求人内容なんて関係なく大幅にアップするんですよ。
交渉次第ですけど…。
だから求人サイトや求人誌に掲載されている求人を
一生懸命見る必要などありません。
そもそもこれらの求人は、
医療機関から言われた通りのものを出しているだけで
〇〇先生用の求人ではないですからね。
だから平たい内容、
どこに出しても問題にならないレベル、
いわゆる一般化した求人なんです。
私はこれらは求人広告だと思ってます。
必要なのは求人情報であり、
なぜその病院が募集しているのか?
前任者はどうして辞めたのか?
院長はどんなビジョンを掲げているのか?
こういう事の方が余程必要だと思います。
特に私が気を付けて頂きたいのは、
・高年収
・雇われ院長(管理医師)
・週3日で常勤
・100%自費診療
・座っているだけでいい
このようなものです。
必ず裏がありますし、
あまり良い案件とは言えないと思います。
広告というのは、
広告主の都合の良い情報だけが掲載されます。
今、巷に溢れる医師、看護師の求人は
まさに求人広告です。
でも本来必要なのは、
求人情報であり、
それは広告主の意図を超えて、
真実を、広告主の痛いところをも、
含んでいるものです。
私どもはまだまだですけど、
この求人情報をお届けする希少なエージェントを
社員一同目指しております。
だけど、求人の前に
やっぱりキャリアプランです。
これがないと高条件の求人に翻弄されるんです。
だからと言って条件が低くてもいいじゃないか!なんて事を
考えている訳ではありませんよ。
逆なんです。
これからはキャリアプランが明確な人こそが
高条件を勝ち取れるようになります。
そりゃそうでしょう。
医療機関だって、
高条件に惹かれて入職する人と、
何ができるのか?何がしたいのか?が明確で、
将来のためにキャリアプランを描いていて、
どのような形で医療機関に貢献できるのかが明らかで、
その上でこの病院で働きたいという人と、
どちらに高条件を出した方がいいか?
そりゃ自明ですもんね。
これから医師も看護師も
益々キャリアプランが大事になります。
キャリアパスでも、キャリアビジョンでも、
キャリアデザインでも、キャリアプランニングでも、
言葉は何でもいいですけど、
キャリア面での将来設計を持つ事が
自分を有利にしてくれる時代が近づいていると思います。
それでは、また…。
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・医師の転職支援とクリニックの開業支援の両方ができるからわかる事!
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・医師向け情報取集サイト 医療ビジネス健全化協議会<IBIKEN>
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