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もう看護師の転職はエージェントを利用しない方がいい?

2020年3月20日by gnetdoctor

おはようございます。

医師のキャリアプランを
事例、ノウハウを提供しながら
転職、開業、経営シーンでサポートし続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

このテーマは書くかどうか
正直に申し上げて…悩ましかったです。

でも最近は看護師さんを
テーマにする事も少なかったですし、
そろそろ本気で改革しないと
業界全体がマズイ事になると思い、
断腸の思いで書く事にしました。

本日のブログのタイトルは、
もう看護師の転職はエージェントを利用しない方がいい? 】です。

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もう看護師の紹介会社はやり直さなきゃダメじゃね?

今日のタイトル、
あまりにもズバッと言い過ぎでしょうか?

うちは医師の転職支援が中心ですし、
クリニックの開業支援が次の柱になるとはいえ、
ご本人より依頼されたり、ご紹介を受ければ
看護師の転職支援も手掛けています。

よってこんな事を言える義理はありませんが、
それでも現状を踏まえて考えると、
【もう看護師の転職はエージェントを利用しない方がいい?】と
言わざるを得ないのが本音です。

そしておそらく看護協会は賛同するでしょうし、
多くの医療機関の看護師の採用に関わっている方々、
そして紹介会社の魔の手に掛かってしまった
少なくない看護師さん達も同様に賛意を示してくれるでしょう。

わかっていないのはエージェントだけ。
特に経営層です。
すべての責任はトップです。

本当の意味での改革が必須だと感じています。
だから敢えて直言しようと思うのです。
まずは何が、どう問題なのかから考察いたします。

そもそも紹介事業とは?

私たち人材紹介に携わる企業は、
すべからく厚生労働省から許可を受けて
職業紹介事業を営む事となります。

なかには無許可のまま
紹介事業を行う悪質業者も存在しますが、
これは許されるべき事ではありません。
絶対に利用しないで下さい。

無許可の業者については下記の記事で語っています。
無免許は断固として許してはいけないと思う…。

ま、話しを戻しまして…
紹介事業を行う為には
許可要件がいくつかありますので、
それをクリアした上で労働局に申請し、
厚生労働省から認可を受けるという手順です。

ただ良くも悪くもですが、
参入障壁が決して高くない為に
紹介免許を持とうとする業者は増え続けており、
やはりどうしても数が増えれば
質は劣化してしまうものなんですよね…。

医療系に限った話しではありませんが、
紹介事業の免許を持っているからと言って
必ずしも良質なサービスを行っている訳ではありません。

誤解をして欲しくないのは、
少なくとも半数以上の紹介会社は実に真っ当です。

そして現場で奮闘しているコンサルタントは
それ以上に真っ当な思いで仕事をしています。

経験不足、力不足はあっても
不埒な考えて仕事している人は少ないです。
悪いのは経営者なのです。

求職者と求人企業(医療機関)を
適切かつ両者の思いを組んで、
早期退職にならないようにお繋ぎし、
マッチングが成功すると
両者に喜んで貰えて、
有難うが2倍となる…
そういう仕事でもあるんです。

人と人の世界ですから、
思うように行かない事も少なくありませんし、
ストレス耐性が強くないとできない所もありますし、
トラブルとは無縁とは中々行きません。

現場は疲弊していて、
上からは数字を求められ、
求職者からは良い求人先を求められ、
求人企業(医療機関)からは良い求職者を求められ、
なかなか大変な仕事でもあるんですよ。

しかし有難うが2倍という
大きな感謝を得る事もできるので
やりがいを持ってエージェント業をする人は
意外と多いのです。

紹介会社の役割を果たしていない看護師エージェント!

と・ところが…。
医療系、特に看護師の紹介会社はどうか?と言いますと、
正直なところ、とてつもなく稚拙な仕事しかしておりません。

本来、紹介会社のコンサルタントは
求職者に転職を成功して頂くために、
求人側の採用を成功して頂くために、
ありとあらゆるサポートをするものです。

しかし医療系では…
いやもっと具体的に言えば
そこまでやってる看護師の紹介会社は
ほとんどないと言っても過言でありません。

ハッキリ言ってしまうと楽してるんです。

これは経営方針です。
責任は間違いなく経営者にあります。

ではなぜ楽をしてしまうのか…この構図からご説明します。

売り手市場を逆手に取って…

この業界では有名な話しですが、
以前、看護師の紹介会社でトップである企業の社長が
テレビに出演した時に、どや顔で、
登録した看護師さんとは会いません。
効率とスピードをを優先しますという事を述べたそうです。

これ、おそらく、
日本中の転職支援に従事するコンサルタントが耳にしたら
この人は頭がおかしいんじゃないか?と思うでしょうね。

求職者と会わない会社ですから、
当然、求人医療機関に足を運ぶ事もないでしょうし、
結局、データを仲介するだけの
楽な商売をしますよという宣言なのだと思います。

こういうスタイルの会社が業界トップなのです。
(今はわかりません。少し前まではトップでした。)

なぜこんな会社が通用するのか?

ひとつはサイトの力です。
強力なサイトを作って、
看護師さん達がつい問合せをするような仕掛けさえあれば
その会社の内情など通常看護師さんは知らない訳ですから、
思わず問合せしてしまいますよね。

すると間髪入れずに何件もの求人を紹介し、
有無を言わさずどこかの医療機関を受けさせるんです。

こうしてよくわからないままに
つい面接に行ってしまって
この段階で初めて担当者が出てきて、
(面接の場にも来ないケースもあるようです)
無理やりにでも押し込む訳ですね。

そりゃこんなやり方じゃ当然ミスマッチも起こりますし、
結果的に看護師さんは早期退職となり経歴を汚し、
医療機関は紹介料を支払ってまで採用したのに
すぐにまた再度の採用をしなきゃならなくなるのです。
確実にクレームとなるでしょう。
ひとつ間違えれば大きなトラブルにもなりますよね。

でもサイトが強いと
こんなビジネスモデルでも成り立ってしまうんです。

それはなぜか?
看護師さんの転職マーケットが売り手市場であり、
面接にさえ行けばほぼ内定が出るからなんです。
(最近は変わりつつありますが)

このトップ企業だけでなく、
大手を中心にしてほぼ似たようなビジネスモデルですから
求人医療機関は足元を見られていると言っても良いでしょう。

その上ですよ、
通常紹介会社は早期退職になった場合は
返金規定を設けていて
これが一般的には最大で6か月未満となってるんです。

すると6カ月経過後に…
返金規定が過ぎた頃に看護師さん達に連絡するんです。

そしてどうですか?とか言いながら
ちょっと夜勤が大変で…とか、
人間関係に苦労してます…とか、
上司と合わなくて…とか、
思っていた仕事内容とは違うみたいで…などと言おうものなら
もっといい所がありますよ~と
再転職を促すんです。

これ、イカンですよね。
悪質と言わざるを得ませんよね。

そしてクレームが看護協会に上がり、
看護協会から厚生労働省に話しが入り、
挙句の果てには下記のような団体ができました。
医療系紹介協議会!?

普通、こういう団体って
優良企業が名を連ねるものじゃないですか?

ところがこの団体は厚生労働省からお叱りを受けた企業達が
もうしません、是正しますと言って作った団体なんですよ。

だから業界内では評判の悪い会社が
何社も名を連ねているんです。
こんなんおかしな話しですよね?

しかもガイドラインを定めて
会員企業は順守しますとか言いながらも
その多くは是正されていないようです。

もう言語道断なんです。

でもそこそこの知名度があって、
立派なサイトを作れば
看護師さん達が集まりますから
こういうスタイルが通用しちゃうんですね。

今後、紹介会社を利用しようと思う看護師さんは
下記のような会社は絶対に避けて下さい。

① 事前に相談で会う事をしない。
② 求人ばかり押し付ける。
③ 内定が出たらその医療機関に行かせようとする。

ついでにもうひとつ言うと、
登録をしたら〇万円差し上げます!とか、
転職が決まったらお祝い金を差し上げます!などと
いかにも求職者にとって良い事をしているような会社もありますが、
こういう会社で真っ当な所はありません。

実際に本年1月に改正された職業安定法でも
禁止まではしていないものの
金銭等の提供はNGだと、避けるべきだと明記しています。

詳しくは下記をご覧下さい。
求職者を惑わせる金銭、金券を提供しての登録誘致!?

要は過度な宣伝広告、
無理な転職への誘いという事でしょう。

さらに言うなら
本業のサービスでは満足させられない証明でしょう。
だから金銭や金券で釣る…と。
アカンでしょう…。

これから急性期病院の集約化であったり、
入院から在宅へという流れの加速であったり、
医療の形は変化していく事が予想されます。

看護師さん達にとっても、
病院の病床数の削減など
ネガティブな要素も出てくる訳です。

当ブログでは再三に渡ってお伝えしておりますが、
これからは医療従事者もキャリアプランが重要です。

このキャリアプランに触れる事なく、
求人だけで転職させようとする紹介会社など
実に低レベル、利用する価値などないと思います。

メディアも注目しているようです!

先日、誰もが知るテレビ番組の制作会社の方から
取材を受けました。

どうやら看護師の紹介会社について取り上げたいようで、
その為に情報を集め、取材を進めているようです。

当然、私は上記のような構図をごく普通に述べました。
だって事実ですもん。

しかしですね、
看護協会や医療機関や看護師さん達にとって
紹介会社はダメダメじゃん…だけな話しではないんですよね。

これまた当ブログで何度となく述べてきておりますが、
医療機関に人事部がないと
紹介会社を使わざるを得ないんです。

〇億円も紹介会社に支払っているとよく言われますが、
だったら自院で採用できるようにならねばなりません。
そうすれば紹介会社など使わなくて済むんですから…。

看護部長が採用担当者だなんて…。
本来は現場のマネジメントに専念すべきですよね?

でも人事部を作り、
自院で採用できるようになる為には
いくらくらいのコストが掛かるでしょうか?

そう簡単ではないと思います。

人事部員たちだって
必ずしも採用に長けている人達だけではありませんし、
常勤で雇用するほどのコストを吸収できるのか?
そもそも人事部員を採用できるのか?
できたとしても紹介会社以上に看護師さんを集められるのか?
入職した看護師さんは定着するのか?
医療業界の特性を理解できるのか?

残念ながら相当に難易度は高いと思います。
場合によっては紹介会社を使った方が
コストパフォーマンスが良いかもしれません。

また一部の看護師さん達が
職を転々と変え過ぎている事もあります。

半年、1年、2年程度で
転々としている方は少なくありませんからね。

これは紹介会社経由だろうが、
直接応募だろうが、
一定数はいらっしゃる訳ですね。
(まあそれでも紹介会社経由の定着率は悪すぎますが…)

人手不足で現場はハードですから
常に募集はしている。

でもどこも募集をしているから
入職後、すぐに辞めても次がある。

こういう背景も間違いなくあるんですよね。

今は早期退職した場合に
紹介会社の責任を問えばいいですが、
直接応募だったら文句のつける先もありません。

また医療機関によっては、
待遇や条件に問題があるケースもありますし、
人間関係が良くないとか、
夜勤は病棟に1人になってしまうとか、
わからない事があっても聞く人がいないとか、
先輩からパワハラを受けているとか、
看護部長や看護師長が怖いとか、
主任は何も教えてくれないとか、
いろいろ定着しない理由があったりするのも現実です。

こういった点を是正しないで、
紹介会社経由で採用するとすぐに辞めてしまうと
何でもかんでも紹介会社の責任にされても
そりゃ違うだろうとも言いたくなるでしょう。

…とまあ、長文になってきましたので、
ここらでまとめに入りますが…。

看護師資格を持っている人の
約半数しか現在医療現場で働いていません。

女性の多い職種ですから、
結婚、出産、子育て、介護などで
働く事ができなくなってしまった方もいらっしゃるでしょう。

また働きたくともブランクが長くて、
怖くて働く勇気が出ないという方もいるかもしれません。

中にはもうあの世界には戻りたくない。
あんなハードな仕事は
もう絶対に嫌という方も少なくないと思われます。

私は看護師の紹介会社の責任は大きく、
それこそ数社退場させてでも、
健全化をすべきという考えです。

しかしそれだけではダメだと思うんです。

看護協会さんが求人サイトを作りました。
利用者は少しずつ増えているようですが、
果たして定着率はどうなのでしょうか?
誰も辞めていないなんて事はないと思います。

強引に受けさせようとする…なんて
苦情を耳にした事もあります。

やはり医療機関側も受け入れ態勢を整えなければなりません。
場合によっては看護部内の改革も必要かもしれません。

誰かの責任にして溜飲を下げるのではなく、
みなが一体となって日本の医療のために、
看護師さん達が活き活きと働ける職場作りのために、
本来はみなで協力しなければならないのではないかと思うんです。

もちろん中には素晴らしい看護師さん、
素晴らしい医療機関、
素晴らしい紹介会社だってあります。
(今のところ看護師の紹介会社ではないかなあ 苦笑)

関連する方々が様々な工夫をしているものの
一向に解決しないのは
根本的なテコ入れをしていないからではないかと思うんですね。

それは看護師にもキャリアプランが必要だという事です。
ここが変わらねば、
紹介会社に騙されたり、翻弄される方は減りません。

高条件だけで求人を選ぶのではなく、
自分自身のキャリアプランを持って
次の職場を主体的に決める事ができる。
それを支える紹介会社。

こういう構図ができたら、
悪質な紹介会社を使う人は減るでしょうし、
看護師の採用シーンもより良い方向に向かうと思います。

先程申し上げたメディアの方にも、
大きな枠組みから具体的な事例までお話ししました。

実際に放映されるのかもわかりませんが、
私としては業界の健全化のためと思い、お知らせしました。

私自身、母親が看護師だったというのもあり、
何とかこの業界を良くしたい思いは強いです。

しかし、一部の悪質な紹介会社は、
営業停止処分など断固たる対応が必要だと思います。

それをきっかけにして
業界が良くなるような気がします。

まだまだ言いたい事はありますが、
長文になったのでこの辺りで終えます。
おそらくいずれ続編があると思います。

それでは、また…。

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