心臓血管外科医のN先生。
まだ40代半ばというのに
心臓外科医を止めて
他の道を探りたいそうです…。
某地方都市の中核病院で働いているN先生。
ハードな職場で奮闘してくれています。
結婚して、お子さんもいらっしゃるのですが、
長年、単身赴任との事です。
前職も別の地方都市で働かれており、
もう10年近く単身赴任だから慣れてしまったよ…と
おっしゃいますが、
お子さんの成長をほとんど見ていない事には
かなりの寂しさがあるようです。
仕事は忙しく、
通常業務に加えてオンコールや夜間出動、
当直に休日出勤と相当ハードな毎日ですが、
もともと勉強家なN先生は
こんな中でも学会発表や論文執筆もされています。
いつ休んでいるんですか?と伺っても、
たまの休みでも気になる患者さんがいると病院に行くし、
ホント…いつ休んでるんだろうね…と苦笑されます。
そんなある日…
時々連絡を取り合う中のN先生と
急に連絡が取れなくなってしまいました。
いつもこちらから送信したメールには
当日か、翌日にはご返信を頂けていたのですが、
1週間以上経っても連絡がありません。
とても心配していたのですが、
ようやく1カ月後に連絡が入りました。
入院していた…と。
長年続くハードワークが
原因で体調を崩してしまったそうです。
約2週間の入院期間には、
実にいろいろな事を考えておられたそうです。
もし自分に万が一の事があったら
妻や子供たちは大丈夫だろうか?
今のような働き方を続けていては
いつか洒落にならないような事態が来るのではないか?
多くの患者さんを助けてきたつもりだけど
それと引き換えに
自分の人生を差し出してしまっているのではないか?
退院して久しぶりに出勤すると
部長先生からしばらくは無理をするなと言われ
当直やオンコールは免除され
手術もヘルプに回ったそうで、
少しのんびりした勤務をしていたようです。
自分の人生を振り返りながら
ゆったり勤務で心身に多少余裕が生まれたN先生。
こんな生活も悪くはないな…。
子供も中学受験が近づいてきたし、
少しでも勉強を見てやりたいな…。
多少収入が減っても自宅に戻り、
通勤圏内の病院に勤めたいな…。
心臓外科医としての成長や経験だけでなく、
人生にはもっと大事なものがあるんだよな…。
決して失敗事例という訳ではありませんが、
自分や家族の将来を考えて
新たな医師人生を歩む事を決断したN先生。
もともと人柄も良く有能な先生でしたので
すぐに自宅から通勤圏内の病院が見つかり、
今は時間に余裕のあるご勤務をされています。
それでも月に3回は当直してるよ…と苦笑するN先生ですが、
オンコールから解放されて、
だいぶ心も身体も楽になったようです。
我が国の医療は
医療従事者の自己犠牲を前提にしている所がありますが、
そうではない生き方も確実にあるんです。
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