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医師も「FIRE」を目指すべきか?

2021年12月8日by gnetdoctor

おはようございます。

医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

今振り返ると
私自身20代、30代に考えていたことって
何て稚拙だったんだろうと反省することが多いです。

いや、でもこれ、別に私だけじゃなくて
みなさんそうだと思うんですね。

若さは武器ですけど
もろさや弱みもあって、
人は成長することで
もろさをリスクマネジメントできるようになり
弱みを強みに転化できるようになり、
そして奇想天外なユニークな発想を失いますね。

そのプロセスのなかでは
実に様々な情報を手にして、
いろいろな人と出会い、
多様な経験を積み重ねていくわけですが、
誰にだって
ああ、あれは間違いだったとか、
なんであんなつまらない情報に振り回されてしまったんだろうとか、
よく考えればあんな奴に騙されるなんてあり得ないとか、
後々反省することは多いですよね。

ただ経験だけは
よい経験も悪い経験も
すべてが肥やしになっていくように思います。

頑固な頭で今を妄信するのではなく、
冷静に見極めていく必要がありますね。

特に流行りものには…。
数年後には忘れ去られているケースも多いですし。

本日のブログのタイトルは、
【 医師も「FIRE」を目指すべきか? 】
といたしました。

<目次>
1.最近流行のFIREってどうなの?
・悠々自適は憧れますけど。
・自分の価値観、キャリアアンカー次第でしょうか?
2.キャリアをFIREで止めてしまうリスク
・仕事は自分のためだけにするものではない!
・自分がこの世に生きている理由
*まとめ

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1.最近流行のFIREってどうなの?

最近SNSでこの「FIRE」という言葉を
目にする機会が増えています。

私は何となくのイメージで
投資で1発当てて大金持ちになって
悠々自適に暮らしたいと受け止めていたのですが、
よくよく考えてみると意味合いが
よくわからなかったので調べてみました。

FIREとは
「Financial Independence, Retire Early」の略とのこと。

私などこの時点で、あ!そうなの?
大儲けして「ファイヤー!」と叫ぶようなイメージでしたので
ちょっと恥ずかしくなりました。
ちゃんと意味あるんじゃんって(笑)。

直訳すると
「経済的自立と早期リタイア」という意味なのですね。
いやいや危うくどこかで大恥を掻くところでした。

今回は医師と「FIRE」について考えてまいります。

・悠々自適は憧れますけど。

まずはもう少し「FIRE」の意味を分析します。

「経済的自立」というのは
誰もが望むところと思いますけど、
「早期リタイヤ」を望む人が多いことに
私は驚きました。

そうなんですね…。
私はたぶん経済的自立を果たして
何年も給与を取らなくても暮らせるようになったとしても
仕事は続けると思います。
しかもハードに働くことでしょう。

そりゃ南の島でバカンス!みたいなものに
多少の憧れはありますけどね、
たぶん1か月くらいで飽きると思うんですよね。
根が貧乏性なのでしょうか。
でも私みたいな人間は昭和の遺物なのかもしれません(苦笑)。

しかも「FIRE」は、
早期リタイアして仕事を辞めた後も
不労所得である資産運用によって得られる収入により
生活費などを賄っていくことを意味しているらしいです。

あ、そうなんだ。
もう一生暮らせるくらいの資産を手に入れるのではなく、
資産運用はするのですね。

資産運用で安定収入を得ながらって
リスクが高い…と個人的には思うのですが
あまりリスクは考えられていないのでしょうか?

いやリスクを乗り越えるくらいの
資産運用の腕を磨かねばならないのですね。

もしくはリスクを恐れるようなレベルでは
「FIRE」はできないという事でしょうかね。

やはり一生暮らしていけるだけの資産を得るなんて
一般人には簡単ではありませんし、
非現実的とも言えますから
もう少し現実的なところで「FIRE」なんですかね。

欧米を中心に、
世界的に流行している新しい生活スタイルらしいですけど
金融マーケットに対しての信頼が高いのでしょうか?

私の世代ですと
バブル崩壊、リーマンショックなどを見ているので
そこまでマーケットを信用できません。

経済的に自立することで、
仕事から早期に解放されて
自分の時間を過ごせるようにするスタイルと言っても
仕事をしながらでも充分に自分の時間は作れるというか、
そもそも仕事の時間も大切なので
私のような人間は早期リタイヤはできなさそうです。

現代社会は価値観の多様化が進み、
個々それぞれの望む人生を送りやすくなっていますので
「FIRE」自体を否定はしませんし、
「FIRE」したい気持ちはわかりますけど
猫も杓子も「FIRE」では経済活動としていかがなものでしょうか?

金融経済よりも実体経済のほうが大事な気がしますが…。

昭和の右肩上がりの時代と違って
定型化した生き方をする必要はありませんが、
逆に「FIRE」に定型化されてしまうのには疑問があります。

選択肢の1つとしてはいいかもしれませんが
まあ実現できる人はそれほど多くないでしょうし、
憧れが先行しているのでしょうかね。

・自分の価値観、キャリアアンカー次第でしょうか?

まあそうは言いますけど、
私は「FIRE」自体を否定するものではありません。

ただ私はしないかなというだけであって
そういう選択をする方がいてもいいですし、
むしろそういう方が増えることによって
間接経済から直接経済への移行が進み、
プラスとなる側面もあるのだろうなとは思います。

「FIRE」達成へのステップとしては、
① リタイア後に必要となる年間費用を把握する(想定する)
② その年間費用を資産運用による収入で賄うことができる必要資産額を逆算する
③ 必要資産額を貯めるために資産運用を開始する

こんなプロセスを経るようですが、
想定外のことが続々と訪れる現代社会において
そんな思うようにいくのかな…という疑問がありますし、
しかも「FIRE」を実現するための1つのセオリーとして
「年間支出の25倍の資産が必要」とも言われているようです。

そして生活費を投資元本の4%以内に抑えることで
資産が目減りせずに暮らせる
ようですので、
こりゃ「FIRE」の生き方もそう簡単ではありませんね。

むしろ一生遊んで暮らせる資産を築くのと
そんなに変わらない気がします。

また「FIRE」の道も相当に厳しくて
・ハイパーインフレ
・病気や事故・出産や親の介護などの思わぬ出費
・消費税アップや保険料の増額
・金利の増減

このようなリスクはあるらしいです。
いやはや「FIRE」ってのも楽じゃないですね。

やはり「FIRE」も人それぞれで、
合う人もいるし、合わない人もいるという感じがします。

自分の価値観として
資産運用が性に合うとか、
人生においてお金が優先とか、
できれば働きたくないとか、
そういうものが確固としてあるなら良さそうですけど、
無理して「FIRE」するもんじゃありませんし
むしろ「FIRE」が合わない人も少なくないのでしょうね。

イチ時的に「FIRE」できたとしても
どこかで資産運用に失敗してしまったら
窮地に陥りそうでもあります。
リスクも考えておかないといけませんね。

やはりいつも述べるキャリアの4ステップでいう
「キャリアアンカー」ではないでしょうか。

自分ならではの価値観。
それが手に入って、しかも確立されなければ
安易に「FIRE」の道に進むと逆にキツイというケースも
意外と多いように思います。

「FIRE」を舐めちゃアカンですね。
相当の金融リテラシーが必要と思います。

<参考>
キャリアの選択は年収だけでいいのか?

医師年収 医師年俸 医師給与 医師収入 FIRE FinancialIndependenceRetireEarly キャリア相談 転職相談 開業相談 ジーネット株式会社

2.キャリアをFIREで止めてしまうリスク

バブル崩壊やリーマンショックを
実体験として味わった私としては
正直、「FIRE」は怖いです。

きちんと働き続けて
キャリアを磨き続けて、
時代に合わせて稼ぎ続けることのできる自分でいないと
いつか足元から崩壊するのではないかと恐れます。

まあこんな私だから「FIRE」には不向きなのでしょうが、
驚いたのは「FIRE」にもいくつか種類があるんですね。

Fat(ファット)FIRE:贅沢もできる状態でのFIRE
Lean(リーン)FIRE:倹約しながら最低限の生活費を資産運用して生活するFIRE
Barista (バリスタ)FIRE:フルタイムではなく頻度を減らして働きながら生活費を賄うFIRE
Coast(コースト) FIRE:資産はあるがあえて働くFIRE

ほっほー。
バリスタFIREか、コーストFIREであれば
私でもできるかもしれません。

でもですね、
私がここで提唱したいのは、
「キャリア」+「FIRE」のハイブリッド型なのです。

・仕事は自分のためだけにするものではない!

仕事って何のためにするものでしょうか?

もちろん唯一解があるようなものではなく、
個々それぞれで自分らしい答えがあっていいと思います。

今回のテーマで言うならば
「FIRE」のための仕事であったり、
「FIRE」のために稼ぐとか、
「FIRE」と「キャリアアップ」の同時並行とか、
選択肢はいろいろありそうですよね。

でも私はすべからく仕事は
「他者」のために存在すると考えていますし、
引いてはそれが「社会貢献」に繋がると思ってます。

目の前の仕事に汲々としてしまうと
どうしても視野が狭くなってしまって
大原則を見失ってしまうこともあるのですが、
どう考えたって、
すべての仕事が「他者」のためにあるんですよね。

大昔なら全部自分や家族でしなければならなかったものが
物凄く細分化されて、分業化したのです。

まあ組織によっては
無駄な仕事が内部に腐るほどあるなんてこともありますが、
原則としては間違っていないはずです。

いくら資産を築けたとして、
資産運用で定期的にお金が入ってくるとして、
そんなことで仕事を辞められますか?
本当に辞めていいのでしょうか?

「他者」や「社会」との繋がりが
お金だけになる…
お相手は金融マーケットだけだなんて
ちょっと寂しくないですかね?

な~んて偉そうなことを言ってますけど、
これは私が現在52才という年齢だからというのは
確実にあると思います。

もし私が20代や30代だったら
「FIRE」に対しての憧れは半端なかったかも(笑)。

でもね、逆に言うと
人生ってそういうものだと思うんです。
年を取らないとわからないものがあるんです。
そしてその最も足るものは
「足るを知る」なんですよね。

・自分がこの世に生きている理由

私は仕事が大好きです。
これも今の年齢だから言えること。

若い頃は全然好きではなかったし、
アーリーリタイヤしたかった…。

仕事に対する意義や価値を全く知らなかったと
今になると理解できましたが、
当時は本当に仕事は嫌いでした。

やらされ仕事だったとか、
上司の手の平でしか動けなかったとか、
会社の言いなりになるしかなかったとか、
まあ今で言う「社畜」的だったのだろうなと思います。

しかし長年仕事をしてきて、
仕事がある種の存在証明のようなものになってきました。

それはなぜか?
人様のお役に立てるようになったからです。
社会のなかで確固たる立ち位置を確保できたからです。

嫌々ながらも一生懸命に仕事をして、
もう30年も仕事をしてきて、
人や社会のお役に立てるような
「スキル」を身に付けたからなんですね。

自分のやりたいことをするのもいいですし、
社畜のように、馬車馬のように働くのもいいですが、
愚直に歩まなければ手に入らないものかもしれません。

それだけに「FIRE」ごときのものに惑わされるのではなく
将来の自分にプラスとなる
「スキル」の習得が最優先でないでしょうか。

たぶん1~2年も経てば
「FIRE」なんて言葉はなくなってるでしょう。
その程度の流行りものだと思いますよ。

だって人生においての重大性が
それほど高いとは思えませんから。

所詮、損得勘定です。
大事なのは「善悪」です。

医師にとっての「FIRE」は
選択肢にはなるものの
あくまでも医師としてのスキルがあってこそ
その先のプラスαではないでしょうか?
つまりスキルありきのハイブリッドがベストと思います。

<参考>
何のために仕事をするのか?

医師 経済的自立 早期リタイヤ FIRE 年収UP 収入UP 年俸UP キャリアプラン ライフプラン キャリア相談 転職相談 開業相談 医師紹介会社 ジーネット株式会社

*まとめ

えっと、自分で言うのも何ですが、
今回のブログはかなり好きです。

これ大事なポイントですが、
「今」の「私」が好きであるということです。

キャリアアンカーなんですね。
ライフアンカーと言ってもいいかもしれません。
「今」の「私」のオリジナルな価値観に合致しているのです。

ですから価値観が違えば、
お前は偉そうに何を言ってるんだよと思うかもしれません。
もちろんそういった異論反論は尊重します。

ただし「今」の「自分」だけで判断して欲しくないんです。
「将来」の「自分」は
もしかしたら私と似た価値観になるかもしれませんし、
「今」の「他者」はこの内容で大きく頷いてくれるかもしれません。

いつも言うことですが、
キャリアも人生も「中長期的な視点」が必要です。

せっかくお読みになって下さったのだから
頭の片隅に入れておいて
数年後に思い出して下さい。

ああ、今の自分なら理解できる…。
そんな時が来るかもしれませんよ。

それでは、また…。

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