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自由診療への片道切符で後悔しないよう若手医師への提言!

2022年6月29日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

この仕事をしていて
つくづく思うのは…
キャリアや人生って長期戦だなということです。

しかもですね、
過去は現在に繋がり
現在は未来に繋がるわけで
結果に対しては完全な自己責任なんです。

ある意味では恐ろしい世界だなと思います。
しかし人はずっとこの時間軸で生きているんですよね。

過去の結果が現在です。
現在の結果は未来に出てきます。

どこかで間違った判断をすると
確実にその結果の責任は自分に降りかかってくるわけです。

だからこそ判断を見誤らないように
よい人脈からよい情報を得て、
判断材料をしっかりと揃えた上で
賢明に決断していきたいですね。

 

本日のブログのタイトルは、
【 自由診療への片道切符で後悔しないよう若手医師への提言! 】
といたしました。

 

<目次>
1.自由診療への転身は片道切符なのか?
・片道切符にしない方法とは?
・経験年数や専門医資格の有無

2.自由診療はこのまま安泰なのか?
・顧客を獲得できないドクターの末路
・最後の最後は技術勝負か?
*まとめ

 

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1.自由診療への転身は片道切符なのか?

先日、キャリア相談に乗っていた先生がおっしゃっていました。
自由診療は片道切符と言われますので
なかなか決断できない…と。

私はキャリアに関しては
個々それぞれの志向性によって
全然異なる選択肢を選ぶことが多いのを理解していますので、
まあ確かにそうかもしれないとは思うものの
大事なのは決断に至るプロセスであり、
自分自身のモチベーションと
心からの納得感ではないかとも思いました。

たぶん決断するプロセスをきちんと踏めば、
何が何でもやってみよう!か
やっぱり止めた!か
いずれかの決断を気持ちよくできると思うんです。

ただこの決断に至るプロセスも
人それぞれで違いがあるでしょうし、
これが正解だ!というものがあるとも思えません。

しいて言うならば
その決断が正しかろうが誤っていようが
自分の価値観や判断基準に照らし合わせて
よしこれだ!と気持ちよく決断をすることでしょうし、
その前提として
事前に判断材料を手に入れることではないかと思います。

 

・片道切符にしない方法とは?

自由診療は片道切符。

確かに私も何度か耳にしたことがありますし、
自由診療から保険診療へは
なかなか戻りにくいのも確かかもしれません。

弊社の転職支援は
正直申し上げて保険診療が大半です。

おそらく9割が保険診療であり、
自由診療を希望するドクターは1割くらいです。

とは言え私どものスタンスとしては
スペシャリストである医師を支える
ゼネラリストとして機能することですから
別に自由診療への転職はNGなんてことはありませんし、
イチ時期はもっと割合が高かった頃もあります。

たぶん弊社にお声掛けいただくドクターの年齢層が
30代半ばから50代後半くらいが多いので、
形成外科から美容外科へとか
皮膚科から美容皮膚科へという
今を次に繋げるキャリアチェンジ以外はあまりなく、
若手のうちに保険から美容へというケースが少ないので
割合が低いのかもしれません。

ちなみにクリニックの開業支援においては
保険診療が100%であり、
自由診療は手掛けたことがありません。

嘘はつきませんので率直に申し上げますが
時々お問合せをいただくことはあるのです。

しかし保険診療とは異なるノウハウが必要ですから
安易にお受けするのは失礼でもありますし、
仲間の業者で自由診療をメインとしている方がいますので
その方にご紹介をするか、
頭を下げてお断りをするかをしています。

先生のほうから
是が非でも私どもにお願いしたいなんてことがあれば
考えるかもしれませんが、
なにせ自由診療の開業支援は素人ですから
なかなかハードルが高いです。

えっと、話しを戻します。
なぜ自由診療は片道切符と言われるのか?ですが
やはり最も大きいのは年収面があると思うんですね。

通常は保険診療中心の医療機関よりも
自由診療の医療機関のほうが年収はグッと上がります。

人間とは面白いもので
1度上がった生活水準を下げることが
なかなかできないものなんですよね。

年収3000万の生活をしたら
年収1500万の生活には簡単には戻せません。

質素な生活を心掛けていても
年収を半分にするとか、
それに近い水準に戻すというのは
心情的にもYESとは言いにくいですよね。

まして税金を考えると
さらに戻りにくいでしょう。

これが片道切符と言われる
ひとつの理由だと思います。

 

・経験年数や専門医資格の有無

もうひとつ大事な視点として
「いつ」自由診療への転身を
実行するのかというのもあると考えます。

例えば後期研修明けの若手医師が
速やかに自由診療へ移る場合と
10年目の専門医を持つ医師が移る場合では
やはり事情は異なると思うのですね。

医療現場での経験値が浅い医師の場合は
自由診療で思うように行かず、
保険診療に戻ろうとしても
ホントにイチから学び直しとなりかねません。

しかも大幅に年収を下げて……です。

これは転職のなかでも
かなり難しい部類に入ると思います。

しかし10年なり、
15年なりの経験を持つ医師であれば…
ましてや専門医を持っているならば…
ブランクがどの程度かは多少問われますけど
戻る場は「ある」ケースが多いことでしょう。

年収の問題はありますけど
その下げ幅は経験の浅い医師よりも少ないので
まだ戻りやすいというのはあるはずです。

戻り方や戻り先によっては
最小限の下げ幅で済むこともありますので
キャリア上のリスクとしては
わりと低いと言えるかもしれません。

むしろ診療科目によっては
もともと自由診療と変わらないくらいの
年収を得ている先生もいますので
戻ることで上がったりすることもなくはないです。

ですからあくまでも一般論にはなってしまいますけど
保険診療から自由診療へのキャリアチェンジは
必ず片道切符というわけではなく、
往復切符にすることもできなくはないと考えます。

この「いつ」というタイミングの問題は
かなり重要な論点ではないでしょうか。

 

<参考>
医師人生とキャリアチェンジ……ミスリードする情報に惑わされないで!

 

 

2.自由診療はこのまま安泰なのか?

自由診療とひと口に言っても
その行き先は様々ありますね。

代表的なのは美容外科、美容皮膚科となるでしょうけど
AGAや脱毛など最近ではメンズクリニックも増えています。

ただ、正直、増えすぎている感がありませんか?

特に東京都心部では飽和状態にも思えますし、
大手の出店意欲は高いままであり、
新規開業も増え続けていますよね。

別にそれが悪いと思っているわけではなく、
ひと昔前のブルーオーシャンだったものが
完全にレッドオーシャンに変わったように思います。

都内ですと
銀座、恵比寿、渋谷、新宿、池袋あたりは
激戦区と言っていいでしょう。

競争が激化すれば
そこで働く人たちに求めるものも
段々と高くなっていくことでしょうし、
勝ち組、負け組と二極化していくことも予想されます。

これは健診クリニック、不妊治療、再生医療なども含めて
構図としては同じではないでしょうか?

 

・顧客を獲得できないドクターの末路

最近は研修医明けとか
若手時代に自由診療に転身する医師が
年々増えており問題視されることもありますね。

私は別にそのこと自体を悪いとは思いませんが、
前述したようにタイミングは熟慮すべきと思ってます。
これはシンプルにキャリア論として…です。

片道切符で行くなら
それ相当の覚悟と意欲が必要ですし、
往復切符であれば
思い切ったチャレンジもありだと思います。

医療業界の不条理や
良くも悪くも人間味が丸出しの医療現場に幻滅したり、
ハードな勤務に耐えられなかったり、
医局の古い体質に辟易したり、
中長期的なキャリアが見い出せなかったりして、
自由診療、特に美容医療ですね、
こちらに関心を持つお気持ちはわかります。

高齢者は少ないし、
当直やオンコールはないし、
年収はグッと上がるし、
やればやるだけ上がっていくし、
旧態依然としたしがらみもないし、
確かにメリットは大きいですね。

しかし何事にもデメリットもあるわけでして
よく耳にするのが「ノルマ」であったり、
「顧客獲得」です。

おそらくそれぞれのクリニックによって
相当に考え方は違うでしょうし、
ノルマは一切ないとか
医師は施術に専念してOKのようなところもあるでしょうか。

ただ逆に「ノルマ」が厳しかったり
メインの仕事は「顧客獲得」だというところもあるでしょう。

実際に私のところにご相談にいらした先生の中でも
「SNSを運営するのがストレスで…」とか、
「自分で患者を獲得しないと施術させてもらえない」とか、
「売上が上がらずに給与を下げると言われた」など
ここで苦労して心が折れた先生もいらっしゃるのですね。

自由診療のなかで
やりがいが持てる職場と出会えればいいですが、
そうでないと保険診療に戻るか?戻れるのか?という
苦しいフェーズに入ってしまうこともあり得ます。

都心部では競合が多いので
各クリニックでも売上は必達となりがちです。

まして場所柄で家賃は高いですし
内装工事もかなり力を入れていますし、
宣伝広告費もバカにならないでしょう。

初期投資を回収するためには
売上確保は絶対に必要不可欠です。

医師こそブランディングにもなりますので
医師が営業職を兼務せざるを得ないのは
構造的に致し方ないのかもしれませんね。

よって営業やマーケティングが得意であることが
自由診療への転身には欠かせない要素と言えるでしょう。

 

・最後の最後は技術勝負か?

こんなことを書いていると
私は自由診療への転身に反対なのかと思われてしまいますが、
いえいえそんなことは全くありません。

今までに何名もの医師の転身をお手伝いしています。

ただタイミングは重要ですよということ、
保険診療とは全く違いますよということ、
2度と保険診療には戻らないくらいの
「覚悟」と「意気込み」が必要ですよということが
言いたいだけなんです。

つまり綿密な近未来の設計が
きちんとなされているならいいと思うんです。

「美」が好きだとか、
「女性医療」に関心があるとか、
それこそ「お金」が好きでもいいんです。

キャリアプランとして
美容医療、自由診療に本気で取り組む理由があれば
それはチャレンジしていいと考えます。

ただあまりにも安易な考えのケースもあり、
その場合はもう少し深く考えましょうという事なのです。

実際に知人の美容外科医などは
高給に釣られて転身する医師を厳しく諫めてもいます。

技術力、患者獲得力、カウンセリング力、
またビジネスモデルを構築する力など
保険診療にはないスキルが必須なのに
給料がいいから、楽そうだから、と来る先生方を
かなりきつく批判しているんです。

そりゃ超一流の美容外科医、美容皮膚科医から見たら
やっぱりプライドもあるでしょうし、
自分たちが学んできたプロセスを経ないうちに
一時だけ高年収をもらって
大したことができずに辞めていくのは
許せないと思うのかもしれませんね。

実際に甘くない世界だと思います。

形成外科医の先生だって
本気の学び直しが必要なシーンも多いらしいです。

どれだけ本気なの?というのが問われるのでしょうね。

また技術を学ぶと言っても
そう簡単には行かないと思われます。

自分に順番が回ってこないと
嘆いていた先生もいらっしゃいましたし、
自費診療の患者さんは
保険診療とは異なって
料金や施術内容にシビアですし、
気に入らないとすぐ他のクリニックに行ってしまいます。

もともと病気なのではありませんから、
急いで治療を受ける必要もないんですよね。

医師と患者の関係性も
保険診療と自由診療では相当に異なるのではないでしょうか?

患者の気持ちをグッと掴める先生と
患者にこの先生は嫌だなと思われる先生と
かなり二極化するように思います。

結局のところ
超一流の美容外科医、美容皮膚科医になるためには
保険診療の3次救急の病院や
ハードな勤務とは形を変えはしますけど
同程度の研鑽や努力が必要なのは変わらない気がします。

それだけこの業界で成功している先生方は
たっぷり時間を掛けて物凄い努力をされています。

わかってる。
それでもやりたいという先生は応援いたします。

 

<参考>
増え続ける美容医療の苦情件数…、医療をビジネス化してしまうと…?

 

 

*まとめ

別に医師だけじゃないんです。

お給料のよい方に流れる。
勤務が楽なほうを選ぶ。
きらびやか世界に憧れる。

ビジネスパーソンだって同じです。

でもそれってキャリア的には本質ではなくて
あくまでもプロセスだと思うんです。

成功する人はどこの世界でも成功しますし、
失敗する人はどこの世界でも失敗します。

成功する考え方と
失敗する考え方があるんですね。

自分はどちらを取るか?

どの業界か…ではなくて、
そこで自分は何のために、何をするのか?が見えないと
踏ん張り続けることはできないんですよね。

少なくとも私の知人の美容系ドクターは
お金とか、楽とか、そういう面ではなく、
必死にやってきた結果として
お金が手に入り、楽ができているように思います。

後先が逆になってはいけませんね。
最後に問われるのは本気度です。

それでは、また…。

 

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