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雇われ院長について<2024年版>

2024年3月6日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

このブログを
最初に書き始めたのは2011年1月ですから
今年で14年めとなります。

いやはや…思えば遠くへ来たもんだ…と。
我ながらよく続けてきたと思います。

当初は毎日更新を自分に課していましたので
メンタルが壊れそうになるほど
ネタがない、書けないと苦しんだ時期もありましたが
粘り強く続けているうちに
いつの間にか乗り越えることができました。

その後は更新頻度を落としていますので
今はだいぶ楽になっています。

ただホームページ制作会社さんからは
ブログが多すぎると注意をされており(笑)、
これでも1000件くらいは削除をしたんです。

もう少し減らさねばならないかもしれませんので
新しく書くブログは厳選して
中身の濃いものにしていく所存です。

 

本日のブログのタイトルは、
【 雇われ院長について<2024年版> 】
といたしました。

 

<目次>
1.なぜか読まれる雇われ院長の記事
・過去こんなに書いてきました
・雇われ院長という働き方

2.医療法人側の事情
・オーナーは誰だ?何がしたいんだ?
・雇われ院長で働くための注意点
*まとめ

 

 

1.なぜか読まれる雇われ院長の記事

長年ブログを書いてきて思うのは、
よし、これは会心の出来だという記事はあまり読まれず
普通に書いたものが意外と読まれたりすることです。

そこが難しいところですけど
そもそも医師に向けての情報発信という使命で
当ブログは続けていますので
あまり肩肘張らずに
こういうのってどこかの医師が
参考にしてくれるかもしれないなというレベルで
今後も続けていこうと思ってます。

なぜだかわかりませんが、
今回テーマにした「雇われ院長」の記事は
すごく読まれているんです。

それだけ雇われ院長に就任すべきか否かという
悩みを持つ医師が多いということでしょうか。

私自身は雇われ院長に対しては
わりと中立的な立場で考えています。

それは私自身が医師の転職エージェントであり、
クリニックの開業コンサルタントでもあり、
クリニックの経営コンサルタントでもあるという立場ですので
雇われ院長を募集する側の背景も
雇われ院長に就任する側の事情も
両方をよく理解しているのですね。

大手の転職エージェントのように
雇われ院長の求人を右から左に流すような
そんな浅い仕事をしていないだけに
見えている領域が全然広いのかもしれません。

そんな私だから書けること、
今回はそんな観点から書き進めてまいります。

 

・過去こんなに書いてきました

雇われ院長にはメリットもデメリットもあります。

しかしメリットばかりが強調されて
デメリットを全く知らずに就任してしまい
後々後悔する話しが実に多いのですね。

実際に失敗した先生からお話しを伺い、
ちょうどその頃は「転職・開業失敗事例」と題して
当サイト内に新コーナーとして書いておりました。

転職・開業失敗事例

ライトに読めるストーリー仕立ての事例集であり、
実はこの中で雇われ院長の失敗事例を
結構な本数で書いてきたんです。

いずれも2~3分で読める内容なので
下記でご関心が持てそうなものがあれば
是非ご一読下さい。

雇われ院長…患者が少ないのは医師の責任なのか?

つい即決してしまって大失敗…。
こうして雇われ院長は騙される…。

医療法人の経営者が激変した…。
雇われ院長の苦労の末の結末…。

院長にあこがれて…。
雇われ院長大失敗!転職を後悔する医師…。

安易に雇われ院長の誘いに乗って大失敗!
就任後のまさかの展開に困惑する医師…。

クリニックの譲渡を約束していたのに…。
俺は使い捨てなのかと憤る雇われ院長…。

将来のクリニック譲渡を前提とした雇われ院長就任だったのに…。
長年の努力が無駄になった雇われ院長失敗…。

こんなはずじゃなかった雇われ院長、
聞いてた話しと全然違う!

これらもアクセス数はかなり多くて
雇われ院長の失敗事例に対するニーズが高いことを知り、
もっとしっかりしたものを書かねばと思い
下記の記事を書きました。

・雇われ院長の失敗事例が多すぎる!

・まだまだ続く雇われ院長の失敗事例!

・雇われ院長の求人にはご用心!

そうしましたところ
この3本も驚くくらいのアクセス数があり、
雇われ院長についての情報収集をしている医師が
世の中には多いことを知りました。

今でも継続して読まれているのですが
最後の記事が2021年のものですので
そろそろ最新事情を書いたほうが良いかなと思い
<2024年版>と題して本記事を書いています。

 

・雇われ院長という働き方

雇われ院長とか、
分院長という言い方をしますが、
これも公的には「院長」であり、
「管理医師」として
行政上の責任を負うことになります。

つまり保健所や厚生局に
先生の氏名で手続きがなされるということですね。

もし医療法人側が悪意を持って
とんでもない悪事に手を染めてしまったら
院長として何らかの責任を負うことになります。

まあそんな事例は滅多にないですけど
皆無というわけではないのが恐ろしいところです。

特に実質的なオーナーが
営利企業だったりするケースでは注意が必要です。

最近では自由診療の範囲で
カネ儲けしか考えない企業が進出してきて
医師を騙すケースもあるようです。

脱毛クリニックなどでは
イチ時期話題になりましたよね。
もう完全に詐欺のような手口でした。

確かに雇われ院長とはいえ
院長であり管理医師であるわけですから
普通の勤務医よりは責任が重い。

業者によっては
全ての取引が医療法人ではなく
クリニックで、つまり院長名で行われることも
実は少なくないのですね。

ですけどご自身で開業した
開設管理者ほどではないのも事実です。

院長とはいえ
医療法人に雇われているのですから
基本的には、業績が悪いからと金策に走ったり
給与がゼロになるということもありません。

もともと院長手当があるケースもありますし、
法人への貢献が大きくなれば
さらに年収アップとなることもあり得ます。

逆に来院患者が少なくて
法人の負担になるようであれば
翌年度から院長の給与を減らすこともあり得ます。

ポジション的には
開業医と勤務医の真ん中のようなものですから
メリットとデメリットは確実にあります。

よって合う合わないが大きいという点は
就任前によくよく考えておくのがいいでしょう。

開業医と同じくらいの意気込みがあるなら
苦しい時期も乗り越えることができるでしょうけど
勤務医と同じ感覚でいると
かなり辛いことを味合うかもしれません。

ただでさえ医師として働くだけで
大きな責任を負い、
昨今では訴訟リスクなども負わねばならないのです。

そこに経営的な責任を負うのがいいのかどうか。
これはご自身でなければ結論は出せないと思います。

安易に勤務医より年収がいいとか
当直やオンコールがなくなるとか
そのレベルで雇われ院長に付くのは避けたほうがいいです。

引き換えに「経営」という未体験ゾーンで
新たなリスクを背負うことになるのですから。

そりゃ医療法人側は
そこをサポートはしてくれますよ。

でもですね…
前述したように失敗事例はあまりにも多いんです。

なぜなら…を後半に書きます。

 

<参考>
クリニックの承継や分院展開の失敗パターンとは?

 

 

2.医療法人側の事情

医療法人の分院展開とひと口に言っても
そのバックボーンは千差万別です。

前述したように実質的なオーナーが企業の場合もあれば
完全に医師がトップに君臨しているケースもありますし、
すでにいくつもの分院を持っていることもあれば
今回が初めての分院となることもあるでしょう。

理事長先生がイニシアティブを持つこともあれば
コンサル会社のようなところが間に入ることもあり、
それぞれによってノウハウには差があることが予想されます。

ただ総じて言えるのは
分院展開という計画自体は走り始めていて
医師の採用、院長の招聘に関しては
かなり焦っているという点ではないでしょうか。

時にはすでに物件を抑えてあり
内装工事の設計プランも進めていて
あとは院長が決まれば
話しが一気に進むのに…という
こんなケースも少なくありません。

ただ稀にこういうパターンでは
すでに数度の院長就任の経験がある先生に
足元を見られてしまって
条件を大きく上げてしまって
それでも短期で退職に至ってしまって
後々大慌てで
再度の医師採用に動くということもあるのですね。

逆に医療法人側の事情が全くわからずに
院長ならまあいいかと
条件も今より上がるしと
気軽に受諾をしてしまって
入職後に思っていたのと違うとなり
早期の退職に結びついてしまったケースもあります。

別にどちらが悪いということではなく
お互いの理解不足が根底にあるように
私には思えるのです。

それが前述したような失敗事例になっていないでしょうか?

雇われ院長は法的に問題があるわけでもありませんし、
医療法人の発展のためには
必要不可欠であることも多いですよね。

当然、失敗事例の裏側には
成功事例だってあるわけですし、
失敗しないためには
雇われ院長として働くことの理解が
大前提として必要と考えて
情報発信をさせていただきます。

 

・オーナーは誰だ?何がしたいんだ?

医療機関でも、企業でも、
やはりトップが誰で、何を成そうとしているのか?
突き詰めるとここに行き着くんじゃないかと思うんです。

しかも私が考えているのは
理事長とか、院長とか、
そういった手続き上のトップではなくて
実質的なオーナーが誰なのか?
その人がしたいのは何なのか?なのですね。

これがなかなか見えてこないんです。
あんまり表に出たくないのか、
裏で暗躍したいのか?

つまり見えてこなければ
その話しは懐疑的になったほうがよいかもしれません。

あくまでも傾向の問題ですけど
実質的なオーダーが医師であり、
すでに複数店舗の分院を持ち、
ブレーンがしっかりしているところはおススメです。

実質的なオーナーが見えず、
何だか企業がバックにいるようだけど
オーナーとはお会いできないようなケースでは
ちょっと慎重になったほうが良い感じがします。

雇われ院長に就任すると
医療法人の理事になります。
手続き上では経営陣の一角なのですね。

ほとんどの場合、
医療法人側が診療以外はバックアップするので
先生は診療に専念できる体制を作りますと言うことが多いです。

でもこれも程度問題が重要で
そこで行き違いがあってはなりません。

いい方に考えると
院長のサポートが手厚くて有難いとなりますけど
悪い方に考えると
何もかも法人側の言いなりになるしかなく
自由度が全くないということになりかねません。

おそらく大概がこの中間的なバランスだとは思いますけど
具体的にどこまでのバックアップがあって
自分の権限として何をどこまで任せてもらえるのか。

この辺りは事前に綿密な打合せをしておくことを
おススメします。

それと結構トラブル事例として多いのは
「給与面」です。

当初の招聘時は
それなりの年収でオファーしてくれたけど
最初の1年目のクリニックの売上に応じて
翌年度から極端に年収ダウンしてしまい、
これは自分は要らないということかと
退職に繋がってしまうことも少なくありません。

最初の年収だけではなくて
翌年度はどうなるのか?
売上とはどの程度の連動があるのか?

この辺りも要チェックポイントですね。

雇われ院長の給与というのは
医療法人の理事長から
その裏にいる実質的なオーナーが決めることが大半です。

だからこそ実質的なオーナー、
これが医療法人の理事長と一体であればベストですが
そうでないなら誰が実質的なオーナーなのかが
入職するかどうかの判断材料として
相当に大きくなるのではないでしょうか。

 

・雇われ院長で働くための注意点

何度か指摘しているように
雇われ院長といえども
医療法人の経営陣の一角となります。

仮に診療以外の全てをバックアップすると言われても
クリニックの売上については
院長の責任となることは少なくないでしょう。

患者数が思ったように伸びなくて
何か手を打たねばと考えて
法人側にこれをやりたい、あれをやりたいと提案しても
ほとんどが却下されてしまい
どうにもならないというケースもあるかもしれません。

自分の裁量で何をどこまでして良いのか?
事前に丁寧に刷り合わせをしておきたいですね。

また逆のパターンもあるでしょうか?

あまりにも患者さんが増えてしまい
一診体制では無理が出てきている。

待ち時間が長くて患者さんからも不満が出ており
早期の二診体制への移行が必要で
法人側に何度も話しをしているけれど
一向に医師の採用に動いている様子がない。

これも院長に多大なる負担が掛かり、
ひとつ間違えると早期退職の要因となりそうですね。

その分、年収アップをしてくれるならまだしも
全く変わらないなんてこともよく伺います。

私はいつもキャリアは
中長期的な視点が必要ですと述べていますけど
雇われ院長への就任も同じだと考えています。

本来は医療法人側にとっても
長く院長として勤めてくれて
患者さんを増やしてくれるならば
そのほうがいいはずなんですよね。

でも法人側が短期的な利益を追求していたり、
実質的なオーナーの方針が二転三転するようでは
長く勤めたくても
勤められなくなってしまうでしょう。

細かい就業条件の問題よりも
私は実質的なオーナーと腹を割って
中長期的な展望をじっくり話し合えるかどうか。

ここに尽きるのではないかと考えます。

裏を返すとこれさえできるのであれば
詳細の条件面はそれほど気にしなくていいかもしれません。

とにかく最重視すべきなのは
実質的なオーナーと握手できるかどうか?

その機会すらないとなると
慎重にならざるを得ませんし、
場合によっては求めてもいいと思うんです。

それでも出てこないなら
何かあるのかな?と考えざるを得ないですね。

まあケースバイケースではありますけど
私は2024年版としても最もお伝えしたいのは
この点なのです。

今までの経験値として…。

 

 

*まとめ

今回の記事で強く主張したいのは
実質的なオーナーと話し合えるかどうかです。

ということはですね
じっくりと話し合えるのであれば
いくつかの注意点はありますけど、
上手く行く可能性がグッと上がると思うのです。

今までもそうでした。

トップが出てきて
ああしたい、こうしたい、
これをお願いしたい
それは受け入れられる
そこは折衷案でこうしよう。

こういうプロセスがあってこその
医療法人の理事であり、
院長への就任が望ましいのではないでしょうか。

あくまでも個人的な見解ですけど
トップと話し合える環境なのかどうかは
相当に大きいように感じます。

それでは、また…。

 

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