おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
転職エージェントの1社である
私どもが言うのも変ですけど、
リアルな社会でも
ネット上でも
エージェントの宣伝広告を見ない日はありませんね。
これは私だけでしょうか?
おそらく気にしてないので
目に入っていないだけで
生活のあちこちで必死こいて
宣伝広告がなされていることと思います。
転職支援なんて
本来は過度な宣伝広告は戒めるべきと私は考えています。
厚生労働省も
みだりに転職に誘う宣伝広告は止めるように
ガイドラインで謳っていますからね。
これは各転職エージェントの
コンプライアンスの問題でもありますが、
もっと真剣に、
そして自主的に取り組むべきではないでしょうか。
本日のブログのタイトルは、
【 価値のある医師の求人とそうでない求人の決定的な差とは? 】
といたしました。
<目次>
1.エージェントは医師の求人をどう集めているのか?
・地道な医療機関へのアプローチ
・そもそも求人を真剣に集めているのか?
2.医師にとって価値ある求人とは?
・どこにでもある求人でいいのか?
・オーダーメードな求人にこそ価値がある!
*まとめ
目次
1.エージェントは医師の求人をどう集めているのか?
求人情報と求人広告。
なぜか混同されていますけれども
本来は別物ではないかと思います。
求人を広告にしてはいけないと思うのです。
それはなぜか?
答えはシンプルです。
求人って宣伝広告をする転職エージェントや
求人サイトのものではありませんよね。
求人を掛ける医療機関のものじゃないですか?
では医療機関がうちの求人バンバン宣伝してよ!と
言っているなら話しは別ですけど、
おそらくそんなことは言わないです。
候補者を紹介してくれとは言うでしょうけど、
高条件!とか、高待遇!とか、
非公開!とか、レア!とか、
そんな余計な言葉を付けて宣伝するなんて
医療機関は望んでいません。
これは転職エージェントや
求人サイトの都合なんですね。
医師に登録して欲しいばかりに…。
しかも実際には存在しないダミー求人を出していたり
すでに何年も前に充足している求人を今だに出していたり
これでは情報としても不正確であり、
存在価値がないどころか
害悪と言わざるを得ませんよね。
転職するには求人は必要です。
しかし求人だけではない、最優先ではない、
求人に翻弄されないほうがよいというのが私の考えです。
・地道な医療機関へのアプローチ
基本的に転職エージェントは、
地道に医療機関で電話やメールをして
求人を集めているものと思われます。
稀に医師の採用ニーズが高い医療機関は
先方からわざわざ連絡をくれて
求人をいただくケースもあります。
これはいいんです。
問題はそういった地道な活動をせずに
求人を自社サイトやポータルサイトに掲載している
そんなケースが問題だと思います。
医療機関のホームページに掲載されている
採用情報をそのままコピペしていたり、
他社が出している求人を再利用しているのですね。
これはさすがに楽をし過ぎと思いますし、
非紳士的な行為と言っても過言ではないでしょう。
要はこういう転職エージェントは、
募集の背景とか、
医療機関の特性とか
過去に勤めていた方の評価とか、
リアルな働く環境とか
在籍医師の個性、人間関係とか
ここで働くことで身に付く経験値とか
どんなキャリア志向の方が合うのかとか、
こういうことは一切お構いなしなんです。
ただ最低限の条件だけ手に入れて
それを求人サイトやポータルサイトに掲載して、
関心を持つ医師が出てくるのを待つだけなのですね。
でもそんなのそう簡単には来ないわけです。
だから冠言葉が登場するんです。
高条件!高待遇!など。
以前に当直なしで高年収だから応募して面接に行ったら
医療機関側は明らかに当直して欲しいという要望で
期待していた高年収も
その先生の年次では出ないことが明らかになり、
憤慨してエージェントの担当者に
これはどういうこと?と詰問したら、
すみません、私にはよくわからないんで…と言われたそうです。
このどこに転職エージェントの存在価値があるのでしょうか?
・そもそも求人を真剣に集めているのか?
求人サイトに掲載してある求人内容。
転職エージェントから来るメルマガの求人内容。
薄い内容だと思いませんか?
これでは何ら判断できないと思われませんか?
私は思います。
ハッキリ言っちゃうと書かれているのは
「概要」だけですよね。
定期非常勤やスポットならいいでしょうけど
常勤先を探すとなると
明らかな情報不足であると言えます。
なぜこんな薄い情報しか出さないのか?
これはですね、
出さないというより「出せない」んです。
もともと転職エージェントは
サイトに掲載できる最低限の情報しか集めませんし、
そこを深掘りするためには
医療機関側との交渉、調整が必要になります。
しかし候補となる医師がいないのに集めた求人では
それは不可能なわけですね。
A先生という固有の医師のために取った求人ならば
具体的かつ詳細に渡った内容を
医療機関は出せると思います。
しかしそうではないわけです。
巷に溢れる求人というのは
A先生でも、B先生でも、C先生でも、D先生でも、E先生でも、
どなたにでも合うような「一般化」したものなんです。
そう、つまり「広告」なんですよ。
だから余計な冠言葉を乗っけて
あたかも希少な価値ある求人に見せ掛けようとするんです。
これは転職エージェントの手法としては
下の下ではないでしょうか?
浅はかだと思います。
転職エージェントにしか手に入れられない
内情や背景たっぷりの世に出回っていない情報。
私はここにこそ価値があるんじゃないかと考えています。
<参考>
高年収求人で医師を釣った転職エージェントと
医療機関側の戸惑いとは?
2.医師にとって価値ある求人とは?
求人は「量」ではなく「質」が大事です。
何万件もの求人があっても
すでに充足している求人であったり、
自分とは全く関係のない求人であれば
ほとんどが意味のない求人となりますよね。
最近だとナンバー1と謳う転職エージェントが多いですが、
様々な角度から無理やり付けたナンバー1も意味がありません。
手前勝手なパーソナルブランディングです。
求人の広告化。
これは我が国の採用シーンを取り巻く
非常に由々しき問題であると私は思っていますが
賛同してくれる方は多くありません。
しかし採用現場では
いくら採用活動をしても採用できないとか、
ミスマッチが増えているとか、
早期退職が多いとか、
この根本的な要因のひとつには
確実に「求人の広告化」があるのではないでしょうか。
私は大いに危惧していますし、
このままでは求人サイトや転職エージェントは
衰退していくように思えて仕方がありません。
イチ早く「求人の広告化」から脱して、
求人者や求職者の納得のいく
判断に足る「求人内容」を出すべきと考えます。
・どこにでもある求人でいいのか?
言葉は適切ではないかもしれませんが、
内科系の医師なら誰でもいいような求人に
関心を持つことができますでしょうか?
2秒で自分には合わないと思うかもしれません。
開業医の先生は百も承知でしょうけれども
応募の母数を稼ごうとして
対象を幅広くすればするほどに
応募は来ません。
求職者の「心に響かない」からです。
もし応募が来ても入職に繋がるケースは
それほど多くないと思われます。
ピンポイントとまでは言いませんが、
自院に合ったターゲットを設定し
その層に響く「文言」を使わねばならないのですね。
医師の求人も全く同じで
ターゲットを広げれば広げるほど
医師の心には響きません。
例えば、呼吸器内科の先生が求人を探していて、
一般内科、消化器内科、循環器内科、呼吸器内科、糖尿病内科、
腎臓内科、一般外科、消化器外科、心臓血管外科、脳神経外科、
整形外科、泌尿器科、産婦人科、皮膚科、眼科、放射線科、
このような募集要項に関心を持ちますでしょうか?
おそらくこの求人は年数水準が1200~2000万などとなっており、
いったい自分はどこに当てはまるのか?
まったく見えないことでしょう。
私どもは医療機関の採用担当者から
求人内容をどう出すべきか?の相談を受けることもありますが
私が言うのはいつも同じ、
ターゲットを絞り込んで、
その人たちに届くワードを使いましょう…です。
仮に呼吸器内科の先生を是非とも採用したいならば
何年目くらいの先生がいいのか、
その人には具体的にどういう待遇を出せるのか、
細かく明確にする必要があると思います。
そして求職者である先生方には
この裏返しをアドバイスします。
自分が当てはまるのかどうなのかわからない求人とか、
条件や待遇が具体的ではない求人は避けましょう…ですね。
何でもできるは何にもできない…ではないですけど
百貨店の経営が厳しくなる一方で
「ユニクロ」や「ワークマン」や「しまむら」など
ある領域に特化している企業が伸びているのと
同じ構図と言えるかもしれませんね。
どこにでもある求人は
究極的にはないのと一緒だと思います。
・オーダーメードな求人にこそ価値がある!
ではどんな求人に価値があるのか?
どのような求人を選ぶべきかですが、
最もわかりやすく言えば
「あ、この求人、自分に合ってる!」と
思えるかどうかではないでしょうか。
その求人はターゲットが明確で
求人内容が具体的であると思われます。
これもさらに突き詰めていくと
私がいつも言う「オーダーメード」となるんですね。
もともと転職支援って
本来は「オーダーメード」であるべきなんです。
しかし効率化という企業の勝手な理屈で
「量」を右から左に、左から右にと、
グロスで展開されているのが現状です。
だから1人の医師に対して
数十件もの求人をご案内して
どれかが当たればラッキーのような
非常に雑な職業紹介になってしまっているのですね。
これでは業界の未来は暗いです。
オーダーメードな転職支援を突き詰めていくと
求人は「オリジナル」であるべきです。
A先生用の求人ということですね。
これはB先生には適応されず、
あくまでもA先生だけの求人となります。
このようなオリジナル求人を探したり、
作り上げたりするのが
転職エージェントの本来的存在価値であると
私は考えています。
おそらく転職エージェントに勤める方の大半が
そんなことできるわけがないと思うでしょう。
しかしできるのです。
ただし求人で求職者を集めようとしていては
そりゃ無理ってものです。
私は求職者である医師が
適切な判断を下すための情報を提供し、
気持ち良く決断できる体制を作るのが
転職エージェントの腕の見せ所であると考えています。
それを実行しようと思えば
医師なら誰でもいいみたいな求人ではなく、
お、これはオレのこと?オレを求めてる?みたいな求人が
当然のごとく望ましくなりますよね。
これが求人の良し悪しであり、
求人の価値となります。
「求人広告」ではダメなんです。
できることなら「オリジナル求人」が最適です。
しかしこれができる転職エージェントはごくごく一部です。
そもそもそういう発想すらありませんから。
オーダーメードな転職支援。
オリジナル求人を作り出せる転職エージェント。
目指すべきはここですし、
そういう方向に進んでいる紹介会社が
先生方にとっても、医療機関にとっても
有益ではないかと考えています。
<参考>
どこまで落ちぶれるのか?医師転職エージェントの近未来…。
*まとめ
このコロナ渦で
過去の常識が通用しなくなった分野は
かなり多いと思うのです。
それは決して悪いことばかりではなく、
これからの未来を考えれば
むしろ必然的な変化であったという面もあるでしょう。
医師の転職支援という業界も
変わらざるを得ないところは多いと感じますし、
弊社は1歩、先んじて実行し
業界の中では稀有な存在になっています。
普通の求人に冠言葉を付けて
求職者を釣り上げる手法は
そろそろ通用しなくなってきているでしょうし、
もともと医療機関のものである求人を
勝手に広告化して
価値を減退させてしまうのも問題だと思います。
医師の転職支援業界も真摯に受け止めて
求人、求職者の「ため」になる
本物の転職サポートをせねばならないと考えています。
それでは、また…。
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