おはようございます。
医師の人生の転機でお役に立つ
転職・開業コンサルタントの
ジーネット株式会社の小野勝広です。
同じ業界でも経営方針やビジョンは千差万別であり、
それによって現場で働く人間達の仕事の仕方や考え方は
随分と異なるものになりますね。
今回は医療系エージェントにおける
大きな課題について切り込んでまいります。
本日のブログのタイトルは、
【 求人だけでなく、
転職ありきでない相談に力を入れるのがよいエージェントです! 】
といたしました。
<目次>
1.転職エージェントの役割とは?
①本物のエージェントは一連のプロセスを支援します!
②なぜか医療系エージェントは求人案内だけ…
2.転職のプロなら相談を大切にせよ!
①医師からの相談に乗れない担当者
②そもそも医療に関心のない経営陣
3.医師の転職エージェントとして機能するためには?
①医師の人生を詳しく知るべき
②情報弱者なエージェントは無用です
*まとめ
目次
1.転職エージェントの役割とは?
転職エージェントとは何ぞや?
おそらく多くの方が
何となくはご理解いただけていると思うのですが、
どうしても求人サイト運営業者や
人材派遣業者と混同されてしまう事が多いです。
それは転職エージェント業のみを行っている会社だけでなく、
転職エージェント+求人サイト運営とか、
転職エージェント+人材派遣業とか、
その他、様々な業種業態とミックスさせているケースが
多いからでもあります。
弊社も転職エージェント+クリニック開業支援ですしね。
まずは転職エージェントとは?という所から
ご説明いたします。
①本物のエージェントは一連のプロセスを支援します!
わかりやすいサイトよりピックアップしつつ
多少割愛しながらも下記でお知らせします。
正式には『有料職業紹介事業所』と呼ばれ、
厚生労働大臣から認可を受けた斡旋を目的とした会社の事をいいます。
『人材紹介会社』や『人材バンク』と呼ばれる事もあります。
一般的な転職エージェントとは、
転職希望者に対して、求人情報の提供から、
面接日時等の調整、採用条件等のとりまとめ、
入社日の調整など転職活動の一連を無料でサポートしてくれます。
近年では転職希望者に
専任のキャリアコンサルタントがアドバイスを行い、
適性や希望に基づいた詳細な求人情報の提供、職務経歴書の書き方、
面接突破のための指導・対策、内定獲得時の年収交渉など
エージェントとしてのサービスは拡充されてきています。
転職希望者にとってのメリットとは、
自分のキャリアや適性を客観的にアドバイスしてもらうことができる、
効率的に転職活動を進めることができる、
求人情報誌や転職サイトには掲載されない、
非公開求人なども扱っている場合がある、
そして結果的に自分だけで行う転職活動よりも
満足度が高くなる可能性があるという点が挙げられます。
転職エージェントでは、
直接雇用の正社員の職業紹介、斡旋を手掛けています。
以上です。
これで明確になりましたよね?
ポイントは、
①厚生労働大臣から認可を受けている。
②転職に関する一連の流れ全てに携わる。
③直接雇用の正社員、
医師の場合は常勤、非常勤、スポットいずれも
医療機関との直接雇用ですからこれに該当します。
この3点です。
求人サイト運営は
あくまでも転職エージェントとしてではなく、
求人を集めたいからの副業みたいなものです。
人材派遣は雇用主が派遣会社となり、
勤務先とは雇用契約はありません。
②なぜか医療系エージェントは求人案内だけ…
医師向けの転職エージェントにも
実に様々な方針の会社があります。
正直、私から見てもこの会社は
悪質だな、マズイなという所も存在しますが、
基本的には高レベルでのコンプライアンスが求められます。
心許ない会社も少なくないですけどね。
上記にもありましたように
本来的には転職エージェントの仕事は
転職に関わる事全般、多岐に渡ります。
しかし残念ながら医療系エージェントは
求人紹介に限定しています。
先生方に登録してもらうために
求人数や非公開求人で気を惹き、
多くの求人の中から先生に選んでもらい、
あとは求人側である医療機関側に丸投げです。
この結果として
多くのミスマッチを起こし、
医療機関の定着率を下げて
先生の経歴を汚してきたにも関わらず、
いまだにバカのひとつ覚えのように
求人、求人、求人って。
前述の赤字の文章の部分が
おざなりになってるんですよね…。
2.転職のプロなら相談を大切にせよ!
当ブログをお読み下さっている皆さんは
よくご存知だと思いますが
私どもジーネットは相談業務に力を入れています。
つまり医師人生の中長期的なプランを考えながら
常勤先の転職をするかどうか、
定期非常勤先を変えるかどうか、
クリニックの開業はどうか、などを含めて、
将来についてどうしようかな?と悩みを持った段階で
ご相談を下さっているのですね。
私どもも常に最新の情報をリサーチしながら
様々な環境の変化に対応しながら
末永いお付き合いをしつつ
来たるべき転機に備えて頂いています。
ビジネスマンにとっては
人材紹介会社を活用した転職は
かなり一般的になってきていますが、
医師にとっては
人材紹介会社を利用することは
まだまだごく限られた一部の方にしか
浸透していないのではないかと思います。
①医師からの相談に乗れない担当者
今まで私がお会いした先生方の中にも、
過去1度だけエージェントの担当者と話した事があるが、
ある病院に行け!行け!とうるさく言われて幻滅したとか、
コンサルタント自身が経験不足、知識不足で、
何でこんな人に世話にならなきゃいけないのかとゲンナリしたとか、
個人情報の取扱に不安があり信頼が置けなかったなどの、
残念な話しを伺った事が何度もあります。
これでは医師が転職をする際に
エージェントを利用する理由がありません。
医局の先輩、同僚や自分の人脈の中で
転職した方がいいと思います。
しかし現実的に転職活動には
結構な手間と時間が掛かりますし、
何より有益な情報を得る事が簡単ではありません。
ですから本来的にはエージェントを利用するメリットとは、
・本当に良い求人を探したい
・探す時間と手間を極力少なくしたい
・応募書類を作成する時間がない
・初めての転職なので要領がわからない
・希望条件が特殊なので該当する求人が少ない
・自分の医師としての人生をどう歩むべきか悩んでいる
このようなケースではないかと考えます。
ただ残念ながら
現状の医療系転職エージェントには
求人案内以外はできない担当者があまりにも多いのが現実です。
これでは医師からの相談に乗るなんて無理です。
そもそも自分自身がキャリアに迷い、
大した経験も思想も持ってないのですから
スキル不足が甚だしいのですね。
こういう担当者では
条件の良い求人に翻弄させられ、
挙句の果てにはここに行けとごり押しされるのが
関の山です…。
②そもそも医療に関心のない経営陣
私は個人的に医療を守る為にも
これからの医療業界は
転職エージェントを活用した方が良いと考えています。
医師も、医療機関もです。
ただこれはあくまでも理想論。
エージェントを通して採用すると
定着率が悪い現状では
私の理想など吹っ飛びます。
ちなみに弊社は設立以来、
医師の早期退職は1件もありません。
これくらいのエージェントでないと
理想を語ってはいけませんよね。
とにかく医療系転職エージェントのレベルアップが必要です。
現状のままでは到底無理ですし、
淘汰されるべき会社も数多くあります。
医師が1人転職するという事は、
突き詰めて考えると
地域医療に影響を与えますし、
その病院の戦略や将来像にも影響がありますし、
国家としての医療政策にも影響があると言えます。
そこまでを常に考える必要はないかもしれませんが、
常に頭の片隅には置いておかねば
コンサルタントとして失格でしょう。
ではなぜこんなコンサル失格のような輩が蔓延るか?
責任は経営者にあります。
私のみたところ、
医療系転職エージェントの経営者は
①儲かりそうだから設立した
②親会社、グループ会社から出向した
③本業は別にあり、ついでに手を出した
大概がこのパターンのいずれかなのです。
そう、つまり医療に貢献する考えがある訳でもなく、
医師を支える思いもありません。
こんな経営者が多いから、
ロクでもないエージェントが幅を利かせ、
スキルの低い担当者が次から次へと入れ替わり、
医師会や看護協会から睨まれる事になるのです。
3.医師の転職エージェントとして機能するためには?
顧客満足。
もうこれに尽きると思います。
医療系転職エージェントの顧客とは
医師を採用する医療機関であり、
医療機関に入職する医師であります。
この両者を満足させる事でしか
エージェントの存在価値は生まれてこないと考えます。
①医師の人生を詳しく知るべき
転職する医師側の立場に立つと、
・自分の理想とする医療はどういうものか?
・どういう医療機関で
どういう働き方をするのが自分にとって最善なのか?
・自分の待遇は世間並みなのか?
もっと高条件でもいいのではないだろうか?
・大学院に行ったり
専門医を取得したりという事は必要なのか?
・このまま専門性を突き詰めるのか?
家庭医のような存在を目指すのか?
・仕事とプライベートのバランスをどう考えるべきなのか?
・医療者としての公共性と個人の思いを
どのレベルで両立すべきなのか?
・家庭を大切にしながら、
医療人として活躍する為にはどんな働き方をすればいいのか?
・常勤で働くだけでなく、
非常勤で働きながら
・自身の本当にやりたい事をするという事は可能なのか?
などなど様々な思いが考えられます。
そんな中、エージェントに登録したら、
希望条件を聞かれて、
次から次へと求人を案内されても
判断に迷うのが普通ですよね。
しかも情報量は少なく一般的な情報しかありませんし。
こんな事をしていたら
いつまで経っても
医師の相談に乗れるレベルにはなりません。
エージェントの本来的な役割を考えれば
医師の人生を良く知り
様々な事例とノウハウを手に入れ、
その上で相談に乗れるコンサルタントを
育成しなければなりません。
それをしない、したくないから、
求人、求人と低レベルなエージェントと言わざるを得ない
情けないエージェントのままなのです。
医療業界に迷惑を掛けている事に
早く気づいて欲しいものです。
②情報弱者なエージェントは無用です
求人、求人と言い続けているエージェントについて
もうひとつ申し上げておきたいのは、
彼らは完全に情報弱者になっているという事です。
一見、求人内容については
詳しいと思われるかもしれませんが、
まったくそんな事はありません。
決められたフォーマットの情報だけあればいいのですから
それ以外は知りません。
現地に足を運ぶ事もあまりないですし、
そもそも医療機関に関心を持つ担当もいません。
医師の事も、医療機関の事も、
ペーパーベースでしか知らないんです。
こんな存在って必要でしょうか?
医師だって、医療機関だって、
その時の状況によって
考えている事が変わってきますし、
優先順位も入れ替わります。
最新情報を常にキャッチアップすべきですよね。
ある求人に問い合わせたら
タッチの差で他の先生に決まってしまいました。
他にも高条件の求人がありますよ…という
バレバレの手口はもう止めませんか?
今まで何名かの他社のコンサルと話した事がありますが、
しっかり勉強しているなと思った人は1人もいないんです。
KPIしか頭にない
情報弱者と言わざるを得ない
コンサルタントなんて不要だと思います。
*まとめ
私はエージェントに必要なのは
<相談>を丁寧に受けること、
そして有益な情報を提供すること、
これが大事だと考えており、
まさにその点に注力している訳です。
実際に、後期研修医の先生が
数年後の事を考えご相談に訪れていますし、
もしかしたら、いずれ転職をするかもしれないという中堅医師や、
まだまだ若手に負けじと自らの可能性を模索するベテラン医師や、
どの選択肢を取るべきかに悩む若手医師なども、
クリニックの開業を視野に入れている医師など
多くの先生方よりご相談して頂いてます。
ご相談の上で、ビジョンや方向性、
そしてプライベート面の充実も念頭に入れながら、
最適なキャリア支援をサポートしたい…と
心から考えておるのですね。
自分の事は自分ではなかなかわからない…。
そういうもんですよね。
自分で気づけなかった事に気づき、
新たな展開が見えてくる事もすくなくありません。
では相談した後どうなるか?
自分の道が明確になった為に
転職活動を開始する方もいますが少数派です。
むしろ相談した事を出発点に
自分自身で再度考えて頂いたり、
今の職場の価値に気が付いて
日々の仕事にモチベーションを高くして取り組むようになったり、
来たるべき時に備えて自分に必要な勉強をするようになったりと、
いろんな展開が拓けているようです。
時々、「ご相談はおいくらですか?」というご質問も受けますが、
すべて無料で行っています。どうぞ遠慮なくご相談下さい。
<参考>
ZOOMでキャリア相談してみませんか?
私どもの発展は
医師がより満足できる環境で仕事ができるようになること、
そして日本の医療が健全な形で運営されること、
そういった事と切っても切れないと考えています。
それでは、また…。
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