おはようございます。
医師のキャリアプランを研究し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
1年前までは圧倒的な売り手市場だった
医師の転職マーケット…。
新型コロナの蔓延以降、
急激に求人は減少し
完全に買い手市場になってしまいました。
売り手市場と買い手市場では、
個々の医師のキャリア戦略は大幅に異なります。
すでに医療機関は
買い手市場に適した採用を展開しています。
どう受け止めて
いかに対処するか?によって
今後のキャリアは大きく変わってしまいそうです。
本日のブログのタイトルは、
【 大胆に医師の転職マーケットについて予測する!? 】
といたしました。
<目次>
1.これからどうなる医師の転職マーケット?
・売り手市場から買い手市場に!
・「選ぶ」から「選ばれる」に…と大きな変化
2.マーケットの変化に医師が柔軟に対応するためには?
・今までとは違うという達観
・キャリアプランが我が身を救う
*まとめ
目次
1.これからどうなる医師の転職マーケット?
医師の転職に限った話しではなく、
マーケットは変わり続けるものです。
株式でも金利でもいいのですが
大きく乱高下することも少なくなく、
我が国の日経平均株価など
7000円台から39000円台まで
上がったり下がったりを繰り返しているのですね。
ここまで極端ではなくとも
いわゆるマーケットというものは
需給バランスによって
上げ下げを繰り返すのが通常です。
しかし医師の転職マーケットにおいては
需要が供給を満たすことがなかったために
あまりにも長く売り手市場を形成してきたのです。
他のマーケットを見ても
ここまで長期に渡って
同じ傾向が続くケースはあまりないと思われます。
しかしこのコロナ禍で
ついに大きな変化に巻き込まれました。
患者の受診控えにより
医療機関の経営が悪化して
今までのように患者ニーズに応えるとか、
高条件で医師を迎えるなどと言ったことが
段々となくなっているのですね。
マーケットの変動に
いいも悪いもありません。
単なる需要と供給のバランスですから。
どう対応するかだけなのですね。
需要を供給が満たしたのではなく、
需要が急減したために
供給が不要になってしまったのですね…。
・売り手市場から買い手市場に!
売り手市場の頃の医師の転職は、
・有り余るほどに求人があった
・基本的に大歓迎で話しは進む
・面接に行けばほぼ内定が出て高条件でオファーされた
このような傾向がありましたね。
しかし買い手市場になると…
・1つの求人に医師が殺到する
・主導権は医療機関側にある
・書類選考や面接で落ちるケースが増える
やはり真逆に変わってくる訳です。
新たな職場を探す医師にとっては
不利になるとも言えますが、
あながちそれだけとは言えないんです。
むしろ買い手市場の方が、
厳しい選考を突破すれば
高条件で迎えてもらえるケースもあるんですね。
つまり医療機関から見れば
何でもかんでも高条件にしないと
興味すら抱いてもらえなかった売り手市場から、
本当に良い先生であれば
高条件でオファーするが、
何でもかんでもは高条件にしませんよ…という事です。
別にネガティブになる必要はなく、
むしろポジティブに捉えて
「選ばれる」ようになればいいと思います。
・「選ぶ」から「選ばれる」に…と大きな変化
今までは医師が医療機関を選んできた。
これが売り手市場ですね。
これからは医療機関に選ばれる。
これが買い手市場です。
選ばれるために
いったい何が必要でしょうか?
キャリアプラン
もうこれに尽きると思います。
結局この変化をモロに被るのは、
求人、求人、たくさん求人あります!
高条件の求人あります!と
〇〇のひとつ覚えのように
宣伝広告していた転職エージェントだと思うんです。
今だに〇〇のひとつ覚えで(笑)、
何ら変わらない宣伝広告をしていますけどね、
医療機関側から見たら
今までと違って
そんなに甘くはないですよ…というところなのですね。
<参考>
それでも求人を重視しますか?医師の転職は求人じゃない10の理由!
2.マーケットの変化に医師が柔軟に対応するためには?
なぜキャリアプランが必要なのか?
これは医療機関側の立場に立てば
見えてくると思います。
医療機関の院長、診療部長、事務長は
どんな医師を採用したいでしょうか?
細かい話しをすればキリがないですが、
一般的には…
・入職後に即戦力として活躍してくれる医師
・できるだけ長期に渡って在籍してくれる医師
・周囲のスタッフと協調してくれる医師
・売上に貢献してくれる医師
・患者や周囲のスタッフからの評価が高い医師
このあたりが重要ではないでしょうか?
条件ばかりを気にする医師が
果たしてこれらに該当しますか?
当然、しませんよね~。
・今までとは違うという達観
今までだったら
とにかく医師が不足していて、
喉から手が出るほどに採用したかった医療機関側は、
多少気になる点があっても
次に医師を採用できるチャンスが
いつ来るかわからないために
目を瞑って高条件でオファーしてくれました。
しかし今はすぐに次の医師を採用する
チャンスが来るんです。
それどころか1名の募集に
複数名のドクターが応募してくるんです。
先日、1名枠の定期非常勤の求人に
なんと14~15名の医師が応募してきたと
ある医療機関に伺いました。
しばらくはこのような状態が続くと思います。
さすがに半年、1年で解消するとは思えません。
1年前のような
医師が医療機関を選びたい放題だった
超売り手市場に戻るのかどうか…。
正直、医師の転職マーケットが
どうなるかは何とも言えません。
ですが大胆に予測すると書いてしまった以上は、
何らかの見解を明示しなければなりません(苦笑)。
私は少なくとも1年程度は
このような買い手市場が続くと予測しています。
場合によっては
1年どころか、
2年、3年と続く可能性もありますし、
医療政策、医療制度によっては、
またテクノロジーやAIの浸透によっては、
このままの買い手市場が
長年続く可能性すらあると思っています。
ですから医師の皆様も
安易な転職は避けた方が無難です。
今まではキャリアの汚点があっても
そう問題にはされませんでした。
条件ばかりを追い求めるのも
避けた方が無難です。
今までは条件優先の転職活動も
そう問題にはなりませんでした。
しかしこれからは違います。
小さな汚点が他のドクターと比較され、
選ばれなくなる事もあり得るのです。
今までとは違う。
そのような意識転換が必要になると思います。
・キャリアプランが我が身を救う
こういう状況を突破するのが
キャリアプランです。
何度でも言いますが、
キャリアプラン3箇条は下記の通りです。
・中長期的なキャリアプラン
・自分らしいオリジナリティ溢れるキャリアプラン
・ライフプランをベースにしたキャリアプラン
あくまでも私の個人的見解ですが、
キャリアプランを持つ人は、
何がしたくて
何をしてくれて
どの方向に進みたいのか?
どんな働き方をしたいのか?
とてもわかりやすいのですね。
つまり相手に理解されますから、
医療機関も採用しやすいのです。
この先生、条件釣りあげようとしているのかな?とか、
入職してどんな風に働いてくれるんだろうか?などの
心配を持たれることが少ないです。
医療機関が医師を選ぶ時代になり、
今までのような型通りの面接ではなく
選ぶために相当にシビアな質問も出てくると思います。
そのひとつは、
先生のキャリアプランを教えて下さい…などが
確実に全国各地で増えてくるでしょう。
その時に、
私のキャリアプランは…とバシッと答えられないと
選ばれなくなるかもしれません。
生き残る者は
強い者ではなく、
賢い者でもなく、
適応したものだと言われます。
医師の転職マーケットは変わりました。
適応するためにはキャリアプランが必要です。
高条件の求人を探したり、
何万件もの求人から選んだり、
そういう求人主導の転職では
競争率が高く、
選ばれない可能性が高くなります。
オンリーワンのキャリアプランを持って、
ピンポイントで採用されるような
自分になっておくのが良いと思います。
<参考>
二刀流、三刀流のキャリアプランが我が身を救う!パラレルキャリア、スラッシュキャリア。
*まとめ
私たちの祖先は
大きな時代の変化を生き抜いてきました。
だからこそ今ここに私たちは存在するのですね。
産業革命のような
世界的な大きなうねりまでは行かずとも、
明治維新だって
相当に大きな変化でしたし、
ここ何十年かを見ても
敗戦からの復興に始まり、
高度経済成長、
バブル崩壊、
リーマンショック、
金融ビッグバンなど
実に様々な変化をサバイバルしてきたのです。
コロナ禍においても
医療業界だけではなく、
多くの業界で多大なる影響が出ています。
もちろん私ども転職エージェントだって
そりゃ大変なものです。
こういう時こそ、
情報収集に勤しみ、
人脈形成を行い、
良質な事例とノウハウを手に入れて、
適者生存しなければなりませんよね。
当ブログが少しでもお役に立てれば
嬉しく思います。
それでは、また…。
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