長年バイトを続けてきた病院から
勤務終了を告げられてしまったＭ先生。
生活に困るほどではないけれど、
できる事なら毎週のアルバイトは続けていきたい。
コロナ禍なのでバイト先を探すのも大変だと
同僚や後輩医師が言っていたけど
果たしてすぐに見つかるものだろうか？
出身医局に連絡してみても、
こっちも困っているとの事だったので、
民間の医師転職エージェントに
問合せをしてみました。
転職サイトをチェックして、
良さそうなバイト先を２～３か所見つけたのです。
問合せを入れると
モノの数分で返信メールが入りました。
お問合せ頂いた求人は
残念ながらタッチの差で
他の先生で決まってしまったとの事です。
他にもこんな求人がありますと
数件の案内があり、
少し前と比較すると
日給は低くなっているし、
遠方の求人が多いし、
今ひとつパッとしなかったのですが、
バイト代がなくなるのは
自分の小遣いが減る事になるので
その中の２件に興味ありますと連絡しました。
するとそのうちの１件については
すぐにでも応募が可能、
早く動かないと他の先生に取られてしまうので
面接に行ける日程をいくつか下さいとの事で
あれよあれよという間に面接日が決まりました。
当日、担当の方と待ち合わせして
診療部長と３者で面接。
幸運なことに部長先生は
出身大学が同じで話しが盛り上がりました。
さすがに10年以上年次が上の先生でしたので、
共通の知人は多くはなかったけど、
とても気に入ってくれた様子。
ただ候補の先生は他にもいるので
１週間ほど時間が欲しいとの事です。
担当コンサルタントが言うには、
Ｍ先生、ラッキーでしたね。
あの部長先生はいつもしかめっ面をしているのに
今日はあんなに笑顔が溢れていて、
これはもう決まりですよ…と言うので安心していました。
翌日その担当者から
Ｍ先生、もう１件の方も面接したいと言ってきました。
こちらの方が若干給与がいいので、
一応面接に行ってみますか？と言うので
少しでも給料は高い方がいいし、
まだ昨日のところで本決まりになった訳でもないしな…と考え
面接に行くことにしました。
こちらは院長が直々に出てきてくれて、
和気あいあいとした雰囲気です。
Ｍ先生と同じ診療科目の院長だったので、
話しも盛り上がりました。
帰り際に院長がＭ先生は
他にも受けているところもあるんですか？と聞かれ、
ええ、一応他に１か所だけ…と答えると
そうか、Ｍ先生だったら引く手あまただよね。
うちに来てくれれば少し給料はずみますよと
ニコニコしながら言うではないですか！？
よしよし、これならどちらかで決まりそうだな。
安心しきっていたＭ先生ですが、
担当者に両方の病院ともに悪くなさそうだし、
給料の高い方に行く事にするよ…と告げておきました。
し・しかし…。
翌週、担当者から連絡が入りました。
Ｍ先生、誠に申し訳ございません。
私も全く想定外なのですが、
両病院ともに不採用になってしまいました。
え！両方ダメなの？
Ｍ先生も青天の霹靂です。
な・なんで？と聞くと、
最初の病院は院長の後輩医師が来るそうです。
部長先生もどうしようもなかったらしいんです。
もうひとつの病院は
他の先生を採用することにしたそうです。
その先生はもう少し低い給料でもいいから
ここで働かせてくれと懇願したのだそうです。
院長としても
人件費が下がるからこの先生にしようと
決めてしまわれたとか…。
う～ん、思っていたよりも
状況は厳しそうだぞ…。
Ｍ先生は振り出しに戻ってしまいましたが、
担当者に他にない？と
気を取り直してバイト探しを再開したそうです。
去年や一昨年とは
状況が一変してしまってますね。
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