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 医療法人社団こころみ         理事長 大澤亮太先生    インタビュー

2023年8月1日by gnetdoctor

 

皆さん、こんにちは。
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

当社のホームページはブログ型と言うのでしょうか?

多くの事例やノウハウを提供するスタイルですが、
何名かのドクターから「実績」も知りたいという
お声をいただきました。

転職の場合は
どうしても個人情報があって難しいのですが、
開業であれば実現可能かと考えて
今まで開業支援をさせていただいた先生方にお声掛けしましたところ
大変有難いことに皆様ご了解をして下さいました。

今後、少しずつアップしてまいりますが、
今回はまず第1回目ということで
医療法人社団こころみの理事長である
大澤亮太先生にインタビューさせていただきました。

思い起こせばもう6年も前になります。

2017年4月に「元住吉こころみクリニック」を開院し、
何とすでに7院もの分院展開も実現されているのです。

私がインタビューするのは嫌らしいので(笑)
大澤先生に直撃インタビューした内容を
下記にてお知らせいたします。

 

 

 

1、開業前


まず、なぜ開業しようと思ったのかを教えてください。


私は最初は開業医になりたいと思っていたわけではなく、
産業医として色々やりたいという思いがありました。

そのためには治療拠点があったほうが
自分のやりたいことに近づくと思い、開業を考えるようになりました。

当時仲の良かった先輩が産業医の会社を作ったので、
それならばクリニックは私が運営し、
連携しながら協力しましょうという話をしていたんです。

開業自体もスモール開業の予定でしたし、
コンサルを付けることもあまり考えていなかったのですが、
内科医の同級生と飲み会でその話をしたら、
自分も参画したいと言われたので、一緒に開業することになりました。


最初から複数ドクターでスタートしているということですよね?


7人でしたね。


なかなか多いですよね。


同級生や先輩、知り合いの紹介の先生もいました。
全くの他人ということではなく、
何らかのつながりはありましたね。

でも中には2週間で来なくなった人もいました。
今思えば、結構危ないこともありましたね。笑


先生は若くして開業していますが、それは何故ですか?


最初は開業は本当に開業を考えておらず、
産業医でやっていくつもりでした。

でも産業医は企業からお金をいただく以上、
企業寄りの対応を求められることに違和感を感じたんですよね。
その時に、もっと医療寄りでいきたいなと思って。

そんな中で、先輩からの話があったので、開業することにしました。
ですので、特に「若いうちに開業する」と考えていたわけではありませんでした。
タイミングとご縁ですね。


開業に迷いはなかったですか?


迷いはなかったですね。

自分は文系の大学に一度行っているのですが、
医師はライセンスがあるので、
圧倒的にリスクが少ないじゃないですか。
やると決めたらやろうと、すぐ行動に移しました。


迷っている先生も結構いらっしゃるのではと思いますが・・・


それはおそらく、開業する目的が明確でないからではないでしょうか。
お金のためと考えれば、リスクが強く感じられてしまいます。
それ以外の「目的」がある方は、迷いは少ないと思います。


先生にとっての開業の目的とは?


当時は産業医などの職域サービスを作りたかったのですが、
自己実現をしていくための拠点を持ちたいと考えていました。
当時は病気の情報発信をしていて、
医療機関のドメインがSEOで非常に有利だったことも関係しています。


開業コンサルについてですが、
他のコンサルも見た上で決めたんですか?


開業セミナーに参加したりもしましたし、
薬局系とかFP系のコンサルの方も会いましたね。
ジーネットの小野さんは自分の先輩からの紹介でした。


小野さんの印象は?


知人の紹介という安心感もありましたし、
あとは、業者さんのコンサルも良い方はいたのですが、
やはり薬局系だと物件が固定されてしまうし、
どうしても自社のメリットが優先されてしまうイメージはありましたので、
独立系がいいなとは思いました。

あとは実際に決めてから感じた部分ですが、
誠実というのはありましたね。

まだノウハウが今よりは薄い部分もあったとは思うんですが、
すごく誠実に一生懸命にやってくれました。


開業地を元住吉にしたのは何故ですか?


生活圏が神奈川だったので
武蔵小杉かみなとみらいで考えていました。

精神科医は特に街の人の層も関係してますからね。
内科も標榜しようとしていたので、この街に合うと思いました。

元住吉のこの物件は、
最初は僕が却下したのですが、
小野さんに「騙された思って一度見に行ってみてください!」と言われ
実際に見に行ったら、
すごく良い街だったのでここで開業しようと思いました。

最初は「元住吉ってどこ?」くらいの感じだったんです。笑


開業の時の情報収集はどのようにされていましたか?


以前は今と違い、ツールがありませんでした。
しかも若いうちに開業したため、
開業医の先輩も周りにいなかったですし。

今だとドクターズチャートというオンラインサロンで情報収集をして、
自分で開業した方もいますね。

ただ、ドクターズチャートも良い面だけではなく、
様々な方がいますし、情報も多すぎて、
取捨選択が難しいという事は感じます。


先生も情報提供しているのですか?


僕も、自分の頃はこのくらいの費用だったよ、などのアドバイスはしています。
悪徳業者とか危ないですよ、とかね。笑

自分の経験が少しでも参考になればいいと思っています。

 

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<小野談>
開業準備に入る前にスモール開業で行くか、
複数ドクターで大きめの展開をするかは
かなりディスカッションを繰り返しましたね。

最後は大澤先生がご決断をされたのですが、
当初から大澤先生は決断力に優れていました。

開業コンサルタントを私どもに決めて下さった時も
ほぼ「即決」に近い形でしたし、
元住吉の物件も実際にご見学に行かれた際にも
すぐにお電話をいただき、
「ここスゴイじゃないですか、
ここに決めようかなと思います」と「即決」でした。

決断力は経営者として必須のスキルですが、
大澤先生はかなりの決断力を当初からお持ちでした。

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2、開業後


伺っていると順調に進んでいるイメージですが、
開業してからの失敗談はありますか?


たくさんありますね。笑
電子カルテなどの業者さんも
当初から7割くらい変わっています。

最大の失敗談としては、
同級生の彼と開業したことでした。

最終的には別れる形になったのですが、
2年半くらいは大変な時期もありました。
もとは友達でしたけど、
仕事となるとやはり価値観や倫理観の相違などもあり、
最終的には別々の道に進むことになりました。

でも大変なこともあったからこそ、
逆に今は普通にできることの幸せも感じるし、
そこを乗り越えてからすごく前進できたので、
あの時の苦労は人生の修行だったと捉えています。


2017年からスタートして、今7院ということですが、
当初からそこまで展開していく予定はありましたか?


なかったですよ。
いろいろなご縁があり、人のつながりで分院が増えてきました。
ご縁に感謝しています。


ということは、人が先に決まって、
そこから物件などを探していくイメージだったのでしょうか?


心療内科はそうでしたが、
内科は逆で、コンセプトを先に決めていました。

内科はただ駅前に作ればいい、というものではないので、
例えば夜の時間に空いているクリニック、とか、
病院との連携が強いクリニック、とか
そういったコンセプトを先に考えてからスタートしています。


今後の分院展開は考えてますか?


積極的には考えておりません。
私たちが力をいれているのは、
「精神科のスモール開業をこころみグループとして支援する」という取り組みです。

メンタルの領域は、
「受診するクリニックによって患者さんの人生が変わる」ことすらあります。

ですから社会インフラとして、
標準的な精神医療を受けられるクリニックが広がっていくことは重要です。

私たちのリソースとノウハウでサポートし、開業リスクを抑えて、
QOLの高い開業スタイルを実現したいと思っています。
診診連携することで個人クリニックより高い水準の医療を提供できる形を目指しています。
すでに2院ほど、お手伝いを開始しています。


それはどのような関わり方をするのですか?


特措法に最適化したパッケージで個人開業のクリニックを設立し、
集患と人材面でのサポートをします。

私たちのクリニックで非常勤をしていただくことで、
個人情報面でもシームレスな連携が可能となります。

検査やリワーク、心理療法、rTMS療法など、
個人特措クリニックでは行いにくいものを当法人でカバーし、
時間帯を分けることで、患者さんの相互紹介も含めて連携していきます。


話は変わりますが、
スタッフの育成で大事にしていることは何でしょうか?


院長の感覚で評価・報酬を決めるということはしないようにしています。

目標を作って、フィードバックをして、その上でスタッフをちゃんと評価する。
規則に則って昇給、という当たり前の企業の形ですね。
これはかなり重要だと思っています。

あと、マニュアルに関しては動画で作っています。
理念ももちろん、各セクションごとのマニュアルがあります。


最近はドクターのYouTubeチャンネルなども多いですが、
SNSの発信などはされていますか?


今までは文章がメインで発信していまして、それは継続していきますが、
SNSなどで個人でのブランディングをする、ということは
あまり考えていないですね。

医療機関は、しかも保険診療となると
あまり合わないと自分は考えています。
アニメーションなどはありかもしれません。


開業を考えている先生方にお伝えしたいことは?


何を目的にするかをちゃんと決めた方がいいですね。

あと経験者の話を聞くこと。
開業って、白鳥が水面下で必死で水を搔いているようなもので、
うまくいっていることは見えるけど、
大変なことはあまり見えてこないですよね。

自分が思っている3~4倍の苦労をするかもしれない。
それでも良いという覚悟が持てるかどうかだと思います。


開業する時の年齢は関係ないと思いますか?


それは若いにこしたことはないと思います。
時間があればいくらでも挽回できますからね。


今後の展望は?


社会課題を解決したいという思いもあって、
目的をもった事業展開を心がけています。

先ほど述べました「メンタルの社会インフラを作ること」も、その一つです。
内科領域でいえば、総合病院や大学病院と連携した、
血液内科というニッチ領域の夜間診療クリニックを上野で行っています。

社会生活と治療の両立という目的と、医局の先生方の良い外勤先の提供、
病院側の逆紹介率の向上というメリットがあります。

社会にとって良いことをしていくことを前提にしながら、スタッフに安心と希望をもたせて、
生活が豊かになっていくビジョンを持てるようにしていきたいです。


TMS治療については
どのような思いがあったのでしょうか?


クリニックに強みを持たせるためというのはありますね。

ただし、自由診療ですし、
世の中の見方も賛否両論あると思うので、
ちゃんとしたことをやりたいという思いもありました。

そういった中で、まともな業者さんや、
まともな先生との出会いもあったので始めることができました。

営利的でないようにやろうと決めていて、
うまくいったので症例も増えて
日本有数になることができました。


クリニック経営者として心がけていることは?


規模が大きくなり、安定してきたので、
余裕ができて目先のことを考えなくて良くなりました。

今は人も安定したので、
しっかりと経営について考えたり
計画を立てることができます。

医療は属人的なサービスなので、いかに人が定着して育てていけるかが重要かと思います。
そのための環境をしっかりと用意し、キャリアプランを描けるように、
将来を見据えて数字にもコミットした経営が求められます。

これまで保険制度で守られてきた医療業界ですが、
これからは保険外の領域も含めて、競争にさらされていくことになると思います。

人としての誠実さも忘れないようにしていきたいですね。

 

ーーーーーーーーーー

<小野談>
開業準備期間中にも失敗はあり
それは当然私どもの責任です。

HP業者や医療機器ディーラーなど
大澤先生にも多大なるご迷惑をお掛けしてしまい
誠に申し訳なく思っています。

ただ、大澤先生のスゴイところは、
失敗をバネにしてより良いものとしてしまう
リカバリー力と言えるでしょうか?

長く経営をしていれば
どうしても失敗は出てしまいますし、
失敗まで行かずとも新商品、新サービスが出てきて
乗り換えを検討する時もあると思います。

大澤先生は柔軟な思考で
常に経営にとってより良い姿を探されていますね。
アイデアマンでもあります。

ーーーーーーーーー

 

 

3、キャリアについて


医局を抜ける時の苦労は?


医局は入っていないんです。

産業医をやろうと考えていたので、
医局に入ることのメリットがあまり感じられなかったためです。

単科病院で教えてもらいながら働いている中で
開業の話が出てきた・・・という流れですね。


産業医をやりたかったのは何故ですか?


中小企業のコンサルというイメージの産業医がやりたかったためです。

働く人の支えになりたい、
若い人の健康を支えたりフォローしたりしたくて。
社労士の勉強もしていました。


では精神科に決める時は、迷いはなかったですか?


そうですね。産業医のために精神科に進むと決めていました。


キャリアについて悩むこともあまりなかった?


私が医学部を卒業したころに、いまのキャリアを歩んでいるとは想像もしませんでした。
行動しながら考えが変わっていった部分は間違いなくあります。

そして自戒をこめて思うのは、医者としての基本を大切にすることです。
やはり専門医までは取りきるべきですし、最初の5年くらいは医局に入り、
医者としての王道を歩むべきだったと思います。

そして医者として自立できるようになって、
その時に見える景色でやりたいことを思い切りやればよいと思います。
そういう意味では私自身、キャリアに関しては後悔しています。

だからこそ、社会に恥じることない事業を展開するエネルギーになっているのかもしれません。

 

 

ーーーーーーーーーー

今回、大澤先生のお話しを伺っていて
様々な気づきがありました。

私たち一般人はもっと医療を学ぶべきと思ったり、
医療リテラシーを上げなければと思ったり。

すでに経営者として
美学を持って前進し続ける大澤先生のお言葉には
やはりズシリと重いものを感じました。

開業医として成功するには
大変なご苦労もおありだったかと思いますが、
それを糧にして、ポジティブに転換するお姿を見て、
成功される要因はここにあるんだなと強く思いました。

今後のさらなるご発展を心からお祈りするとともに
こんなステキな「こころみ」さんで働いてみたいと
思われる方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方はこちらをご覧下さい。
医療法人社団こころみ求人サイト

本院のサイトはこちらです。
元住吉こころみクリニック

大澤先生から学ばせていただいたことを活かして
私自身もコンサルタントとして成長すべく頑張ります。

 

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<小野談>
大澤先生、この度はインタビューを受けていただき
誠に有難うございました。

これから開業を目指す先生にとっては
きっと参考になるところも多いでしょうし、
よい刺激にもなるのではないでしょうか?

成功の形は1つや2つではありませんけど、
大澤先生は確実にご自分らしい成功への道を歩まれています。

ただそれに甘んじることなく、
さらなる社会貢献を目指して
突き進んでいらっしゃるのが素晴らしいですね。

インタビューの中にもありましたが
私自身が大澤先生と出会った頃は
まだ開業支援の実績が2件しかなく
とてもプロとは言える状況ではありませんでした。

その分、大澤先生と様々な話し合いをしながら
少しでも先生の理想に近づけるように努力をしたつもりです。

また、キャリア面だけでなく、
大澤先生の武器になったのは
下記のサイトではなかったかと思います。

こころみ医学

当初はブログとして書かれていたようですし
開業のために書いていたわけではなかったそうですが、
何十万というアクセス数があり、
多数のファンを持っていたというのは
開業の成功のひとつの要因であったかもしれません。

当時、開業準備に関わった業者の皆さんが
いつの間にか大澤先生のファンになって
先生のために…と頑張っていたことを思い出します。

これも大澤先生の「人徳」かもしれませんが、
やはり開業を成功させるためには
人を巻き込む力が必要かもしれませんね。

ーーーーーーーーーー

大澤先生とのインタビュー記事は以上です。

すでにご了解をいただいている先生にも
できるだけ早くお話しを伺いにまりますので、
次回もお楽しみになさって下さいね。

 

 

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