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いしいアレルギーこどもクリニック 石井憲行先生 インタビュー

2023年10月3日by gnetdoctor

 

皆さん、こんにちは。
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

この開業事例も3回めです。
弊社のスタッフたちもインタビューに慣れてきました。

今回は「いしいアレルギーこどもクリニック」を経営する
石井憲行院長にお話しを伺いました。

2022年5月に開業され、
驚くばかりのスピーディーさで患者さんが集まり、
あっという間に損益分岐点を超える好調ぶり。

しかしそれに甘んじることなく、
石井先生は患者さんと向き合い
丁寧な診療でお子さんたちはもちろんのこと、
お母さん、お父さんの信頼を勝ち得ています。

小児科医として
真摯な姿勢で日々の診療をする石井先生。

開業準備期間中を思い出しても
誠実さと穏やかな笑顔が思い出されます。

そりゃ成功するよなと
今であれば思えますけど
そのエッセンスが今回の記事には散りばめられています。

石井先生に直撃インタビューした内容を
下記にてお知らせいたします。

 

 

1、開業前


石井先生は2022年の6月に開業されていますね。
何故開業しようと思ったのか教えてください。
また、何歳の時に開業しようと決めましたか?


私の場合、もともと開業を考えていました。
平塚の病院で働いている中で、今後を見据えた時に、
新しいことにチャレンジしたいという思いがあり、
開業しようと決めました。

特に開業を何歳までにしようとは決めていなかったのですが、
開業時は38歳で、
思い立った時にジーネットさんに相談したので、
おそらく37歳くらいの時でした。


物件についてですが、
長い先生だと2年くらいじっくり物件を探すケースもありますが、
すぐに決まりましたか?


はい、割とすぐに決まりましたね。
ですのでジーネットさんに相談してから
1年ほどで開業できました。

川崎市の南加瀬にした理由は、
実はこの物件が小野さんから紹介していただいた物件の1件目だったんですね。

この後にも多くの物件を紹介していただいたので、
最初はサラッと見ていたのですが、
実際に足を運んで見てみたら、
他よりも圧倒的に子どもが多い地域だということがわかり、
ここに決めました。

私の場合、駅や地域を指定せずに、
都内寄りという広い範囲で探していたので、
他は調布や、京急線沿いなどの物件も見ました。

他の地域も検討してみましたが、
開業前に働いていた地域である平塚は、20~30年後には子どもが今より少なくなりそうですし、
武蔵小杉は発展し終わっているイメージがありました。

調布は診療圏調査の数値も良く
小児科が少ない点は良かったのですが、
やはり川崎市の南加瀬が圧倒的でした。

20年後、30年後も
子どもがいなくならないという確信が持てました。


クリニックのコンセプトは
どのように考えていましたか?


1日100人来院するというような、
たくさんの患者さんが来るクリニックではなく、
一人ひとりにしっかり向き合うことができる規模で
やりたいと思っていました。

あと駐車場は絶対欲しいなと。
子どもが体調悪い時に
電車で連れていくのって大変じゃないですか。

それから、まだできていない部分もありますが、
なるべく待たせないクリニックにしたいと思っています。

この点は今も試行錯誤しながらやっているところです。

あとはコンセプトとは違いますが、
注射や採血の技術には、実はこだわりを持っています。


コンサル選びは、弊社にまず相談していただいて、
その後他も見てみましたか?


ジーネットさんに関しては、
知り合いの先生がすでにサポートを受けていて
具体的なお話しも聞いていたので、
相談した時点で、お願いしようとほぼ決めていました。

ただ小野社長に
「すぐ決めるのではなく、他のコンサルも見た上で、
いいなと思っていただけたらまた連絡ください」
と言われたので、
ちゃんと言われた通りに、
他の業者さんの話も聞いてきましたよ(笑)

医薬品卸業者さん、製薬会社さんの話を伺いましたが、
開業支援部内で担当者が変わることがあるとのことでした。

私自身が優柔不断なので、
オールインクルーシブにやっていただけるところがいいなと思って、
ジーネットさんに決めました。

ジーネットさんは、
大きな流れ・方向性だけ決めてもらえれば、
あとはうちで全部やりますから任せてください!
というスタンスだったので、安心感がありました。

余談ですけど、
打ち合わせ場所がガストじゃないのも良かったですね。
(他社さんはガストだったので。笑)

小野さんはいつも横浜のホテルのラウンジでした。
そういったこだわりもいいなと思ったポイントです。


小野社長の印象は?
また、開業の情報収集はどのようにされていましたか?


小野社長の印象は、
最初から最後まで印象は変わらないです。
とても安心感のある感じで、
この方なら任せても安心、という印象でした。

情報収集に関しては、ほぼネットからでした。
周りに開業した先輩もあまりいなかったので。

先ほどお話した知人医師からは
ジーネットさんを紹介していただいて、
どういった開業準備をされているかを
少し伺っていました。


では割とご自身で収集された情報と、
弊社からのサポートがメインだったということですね。

開業準備の段階で、失敗とか、
もっとこうすればよかった、ということはありますか?


準備段階だと、
今考えたら開業地は
ある程度絞っていたほうが良かったのかなと思いました。

通常の勤務をしながら、空いた時間で実際に色々足を運んで
現地を見に行くのは大変でしたので。

ですが物件については、
ちゃんとこちらの意志を汲み取って提案してくださっていたので、
「全然違うな」ということはなかったですね。

 

 

2、開業後


石井先生は口コミの評価も高い印象です。
患者さんに対して、診察で気をつけていることはありますか?


最後まで見切るということと、
患者さんが伝えたいのに伝えきれないとか、
聞いておきたいことが聞けなかった、などがないように、
説明は丁寧にしています。

聴診器あてて、
薬出して終わり、というような診療はしないように、
身体所見は細かく保護者に伝えることを意識しています。

喉は赤いね、耳は大丈夫ですね、
肺の音はきれいなので、
咳は出てるけど気管支炎ではなさそうですね、とか。

保護者の方にしっかりとフィードバックすること。

例えば会話をせずに薬を出したとしても、
やっていることは同じなんですけど、
親御さんは絶対細かく聞きたいし、
お子さんの様子が気になると思うので、
診察の質はしっかり上げていけるよう心がけています。

あと、細かいですけど、
お子さんにはカルテの隣に映像を流して、
それを見てもらうことで、
おとなしくしてくれるように仕向けています。

それによって親御さんとしっかり話すことができます。

特にアレルギーの患者さんは、
短い時間で大量の情報を伝えないといけないので。

お子さんが動いていると
親御さんって目で追ってしまって集中して聞けないので、
お子さんがじっとしていられるように工夫しています。


待たせないという点については
どのような工夫をされていますか?


午前30人、午後30人で
番号順で予約を受け付けています。

オンラインで予約が取れるので、
予約の順番が近くなったら来てもらうスタイルですね。

時間制の予約にすると、
診療が押してしまった時に待たせてしまうので。

先ほどお伝えしたように、
しっかりと最後まで伝えきる、ということを大事にしているので、
順番制のほうがいいという結論に至りました。


スタッフについてお伺いします。
人で苦労した経験はありますか?


スタッフは現在8人です。

最初7人でスタートして、
2か月遅れで1人増えて8人になりました。

ありがたいことに1年経った今も、
一人も辞めてないです。

苦労した経験は今のところまだないですね。
コロナで休まざるを得ないとか、そのくらいでした。


どこのクリニックさんも、
人で苦労されることが多いイメージですが、
まだないというのは素晴らしいですね。

育成や定着で気を付けていること、
工夫していることはありますか?


自分もよく喋るタイプなのですが、
スタッフさんもよく話してくれるので、
コミュニケーションが取れているのが
大きいかなと思っています。

育成については気を付けていることは特になくて、
というのも、一人ひとりの能力が高いので、
何も言わなくてもよくやってくれているんですよね。


先生の人柄が良いからではないでしょうか?


どうなんでしょうね(笑)
まあ怒ったりイライラしたこともないかなあ。
毎日楽しくやっています。

病院にいたころと比べても、
決して激務な病院ではなかったのですが、
開業した後のほうが
自宅での時間、家族との時間もしっかり取れるようになったため、
自分の精神状態も良い状態が保てています。


開業後の失敗談はありますか?


開業直後2か月の間、
予防接種をしても入金がされないという事態がありました。

地域の医師会の入会の申請を出したら大丈夫と、
卸さんとかからも聞いていたのですが、
実際は医師会のワクチン講習を受けて申請しないといけなかったそうで、
2か月赤字になってしまいました。

予約が入った分は断れないため、
そのまま打つことにしたので利益なしという状態でした。

その後大至急申請して、
3か月目からは通常通りになりました。


オンライン診療の利用者は多いですか?


2~4%くらいです。
オンラインだと症状を伝えるのが難しいので、
オンラインに移行する方はかなり絞っています。

喘息の患者さんの薬の処方継続のみの方とか、
こちらで大丈夫だと判断した方だけにしています。

微細な変化を見逃してはいけないので、
判断が難しい方は必ず来ていただいています。


本当に順調に進んでいるのですね。
今後の展望を教えてください。


ドクターは増やしたいですね。
誰かいたら紹介をお願いします(笑)

患者さんも増やしていきたいですし、
繁忙期は、7時に予約受付開始するのですが、
7時5分には埋まるというのが4か月くらい続いていました。

これは自分がおじいちゃんになったら体力的に継続できないなと(苦笑)

10月はワクチンが増えるので、
その時期に来てくれる方がいたら助かりますね。

あと、やはり分院は考えていきたいですね。
法人化はもう決まっています。
医師を増やして手広くやっていきたいと考えています。

ですので一緒にやっていただける方募集中です!
分院の場所はまだ未定です。

 

 

3、キャリア


石井先生は小児科医がすごく合っているなと思いますし、
子どもの扱いも上手なんだろうなと感じるのですが・・・
小児科に決めたのはいつ頃ですか?

 


幼稚園の時に決めていました。
自分自身が幼い頃、周期性嘔吐症にかかって
入退院を繰り返していたんです。

点滴とかがすごく痛くて、
「こんな下手な奴らがやるなら俺がやる!」
と思い、夢がお医者さんになりました(笑)

そしてそのまま「子どもを診るから小児科医だな」と。

普通、自分が治してもらって憧れて
医師を目指すのが多いと思いますが、逆パターンですね(笑)

そのおかげで注射はいかに痛くしないように打つ、とか
採血も点滴も、他の医師がなかなか入らない時に自分なら入れられる、とか
1滴も血液を垂らさないで処置を終える、とか
そういった、誰も気にしないし結果に影響を及ぼさないようなことにこだわりを持ってます。

採血、点滴などの処置は芸術だと思ってます。


幼稚園の頃とは
これは随分早いんですね…。

実際に小児科医になってみて、
辞めたいと思ったことはありましたか?


つらいことはありましたけど、
辞めたいと思ったことはないですね。

大学に入った時も、研修で色々な科を経験した後も、
小児科になりたいという思いはブレませんでした。
外来も楽しいですし、自分では天職だと思っています。


尊敬する先生はいますか?


慶応の前教授で、高橋 孝雄先生は尊敬しています。
特にプレゼン能力が素晴らしくて、
先生が話すとずっと前のめりで聞いちゃいます。


医局はどのタイミングで抜けたのですか?


実は僕、医局抜けていないんですよ。

アレルギーチームに所属し続けたくて、
開業の目処が立ち、
半年前に開業することを教授やチームのトップに伝えたときに
お願いしたら「残っていいよ」と言ってもらえたので
そのまま在籍しています。

おそらくこういったパターンは珍しいと思います。
そのおかげで知識や技術力の維持・向上ができて、
本当に助かっています。

連携する時もお願いしやすいですし、
特にアレルギーの分野は、
10年で言ってることが真逆になることもありますし、
1年でもかなり話が違ってくることもあるため、
学ぶことがたくさんあります。

診療にも直結してきますし、
本当に残れて良かったです。


医局を抜けないで開業は珍しいですね。
開業に対して迷いはなかったですか?


なかったです。
妻も応援してくれていましたし、
妻も働いているので最悪借金まみれになっても返せるよね!と
言ってくれていました。

長男が6歳の時ですね。

留学なども考えましたが、
やはり診療に特化したくて、
マネジメントも楽しかったので、そうしたら開業だなと。

アレルギーをやっていたのも
開業したいからという思いはありました。

治らない病気ではなくて、
治る可能性のあるものを扱いたかったんです。
困っている人をすぐに治してあげたいので。


成功した理由・ポイントは、
どういったところだとお考えですか?


まず自分自身の話ですと、
細かいことを気にしないということはあります。
悩みがないんですよね。

患者さんに対しては、
なるべく話を聞こう、拾っていこう、という気持ちは
他のクリニックさんよりもあるのではないかと思っています。

あと、細かいですけど、
鼻汁吸引はやってくれない小児科クリニックさんも結構あるのですが、
そんな中で、うちではやりますよ、ということを
周知をしたことによって患者さんが増えました。

他ではやってくれないけど
ここはやってくれると知ってもらえたのは大きかったようで、
大幅に患者さんが増えました。

看護師さんは過去に中規模病院で一緒に働いていた方で、
鼻汁吸引を含め子供のケアのテクニックもしっかり身についている方ですので、
それも強みだと自負しております。

そういった小さな工夫やテクニックのおかげで、
割と満足度は高い状態で帰ってくれる方が多いのかなと思っています。

より満足して帰ってもらえるように、ということは
常に意識していますね。

帰り道で「良いクリニックだったな」と思ってもらえるように。

医師を増やしたい気持ちもあるけど、
今は有難いことに「石井先生に診てもらいたい」という方が多いようで、
まずはそれに応えたい気持ちです。


本当に細部にこだわりがあって、
それを一つひとつしっかり実践しているからこそ、
患者さんからの評価も高いんですね。
素晴らしいです。

最後に開業を考えている先生に
アドバイスなどいただけますか?


「ここは譲れない」ということを
ちゃんと持った上で開業したほうがいいです。

例えば自分の場合は、
食物アレルギーの負荷試験室は絶対に作ろうと決めていたのですが、
負荷実験室自体はお子さんが長時間過ごしやすいようにおもちゃや絵本をおいて、

でも他の診察室や受付は、
あまり小児科っぽく(子どもっぽく)なりすぎないようにしました。

何故かというと、
アレルギー科は大人の方も来られるので、
気まずくならないような配慮をしようと思ったからです。

あとは、物件自体は広ければ広いほうがいいかも。
伸びてきたらスタッフを増やしたり拡大もできますしね。
ただ家賃との見合いが難しいですね。

 

 

 

ーーーーーーーーーー

【インタビューを終えて】

終始楽しくお話させていただきました。

本当にとてもポジティブで
謙虚さも持ってらっしゃる先生で、
医局とのつながりも、
人柄が良いからこそ関係性が築けているということが
わかりました。

ですが、かといって人柄だけではなく、
技術や方針など、細部にこだわりが詰まっているなと感じました。

患者さんから見ると、
明るくて雰囲気も良くて、
スムーズに診察が終わるなあと感じるだけかもしれないけど、
実は色々なことが計算されている中でそれが成り立っている。

注射などの技術、お子さんの気の引き方、
感覚でやられているように見えて、
実はすごく考えてこだわりを持ってらっしゃるところに、
人気の秘密があるのだなと感じました。

ーーーーーーーーーー

 

<小野談>
石井先生、この度はインタビューを受けていただき
誠に有難うございました。

こんなことを言ったら
石井先生に失礼かもしれませんが、
石井先生の最大の長所は「素直さ」だと思ってます。

私や業者さんの提案を
素直に受け止めて、熟慮し、判断を下していく。

この素直さはきっと医師としても
石井先生の成長を後押ししたでしょうし、
先輩や同僚のドクターとの関係づくり、
幸せそうなご家族との関係性も当然のことながら
業者の皆さんもすぐに石井先生のファンになり、
とても協力的だったのは
石井先生の素直さがあったからのように思います。

京セラの創業者である稲森さんも述べていましたが、
「素直」は武器です。

素直だから情報が手に入る。
素直だから人が集まってくる。

この人間的な良さが
きっとクリニック経営にも直結していて
多くの親御さんをファンにして
患者さんの来院に繋がっているように思われます。

そして開院当初からスタッフさんは
どなたも辞めていないと伺いました。

このようにスタッフの皆さんが支えとなってくれるのも
石井先生の人間的な魅力があるからでしょう。

もちろん医師としての技量や経験値も
ハイレベルに備えているのですが、
私にはこの両輪が相乗効果となっているように思います。

今後、新たな展開も検討されているようですが、
きっと石井先生なら着実に成功に向かうでしょう。

そんな石井先生の人生の転機である
クリニックの開業に携わらせていただき、
とても有難く思います。

今後のさらなる発展を心から応援しております。

ーーーーーーーーーー

 

石井先生とのインタビュー記事は以上です。

すでに4回目、5回目の先生にもオファーは出しています。
そして気持ち良くご了解をいただいているのですが
インタービューの日時が取れなくて苦戦しています。

しかしですね、
それだけお忙しくされているのは
開業コンサルタントとしても嬉しい限りです。

繁盛している証拠ですから。

先生方のご予定が付き次第にインタービューさせていただき、
近日中にアップいたしますので、少しお時間を下さい。

次回の記事も楽しみにして下さい。

 

 

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