医師のキャリア支援 <転職・クリニック開業> はジーネットにご相談下さい!
ジーネットのSNSでの情報発信

3年めから美容に行くのってそんなに悪いんでしょうか?

2023年9月20日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

情報収集が大事であることは
多くの方が身に染みて理解していることと思います。

ただどこまでできているかは悩ましいですね。

よく情報発信をしていれば
必然的に良質な情報は集まってくると言われまして
確かにそうだなと思いますけど
忙しくて大事な情報を見逃してしまうことだってありますよね。

また手に入れた情報の全てが正しいわけではなく、
情報リテラシーを持って見極めていくという
プロセスも必要ですね。

いかにして良質な判断材料を手に入れて
自分が正しい判断が下せるように
適切な情報収集ができるようにしていくのか。

これってサバイバル戦略としても重要ですね。

 

本日のブログのタイトルは、
【 3年めから美容に行くのってそんなに悪いんでしょうか? 】
といたしました。

 

<目次>
1.自由診療の賛否両論
・美容クリニックという選択肢
・いつ進むべきかというタイミングの問題
2.これからどうなる美容業界
・過去、現在、未来で見る美容業界
・医師のキャリアから見る美容業界
*まとめ

 

 

1.自由診療の賛否両論

実は今回のブログは
twitterである若手医師が呟いた言葉から
インスパイアされました。

要約しますと…

3年目から美容に行くのはそんなに悪いのでしょうか?
奨学金も早く返したいのでお給料を優先したいのです。

高くない給料で、当直もあって、
3~5年も掛けて専門医の勉強もしなければならず、
貴重な20代の時間がこれでいいのか?

仕事だけでなくプライベートも充実させたいし、
今までずっと勉強、テストと辛かったので
そろそろ楽がしたいのです。

皆さんはどう思われますでしょうか?

きっとこの先生を目の前にしたら
いろいろアドバイスしたいことがありますよね。

キャリアに正解、不正解なんてありません。

でもご本人が正しい決断ができるように
適切な「判断材料」を提供したいですよね。

私はこの先生と3時間くらい飲みながら
いろいろとお話ししてみたいと思っちゃいました(笑)。

いろいろ論点はあると思います。
今回はその点を考察してまいります。

 

・美容クリニックという選択肢

ひと頃と比較して
若手の先生方の美容クリニックへの関心は
間違いなく上がっているように感じます。

そう言えば美容外科医としては
レジェンドと言える高須克弥先生の著書を
以前に読んだことがありました。

とても勉強になりましたので
美容業界を目指す先生は読んでおくとよいかもしれません。

<参考>
全身美容外科医 道なき先にカネはある

さて、医師として美容業界への転身を
どう考えればよいでしょうか?

そんなの簡単に答えの出るものではなく、
突き詰めてしまうと
自分で判断するしかないと思うんですよね。

やはり「意欲」と「覚悟」が必要なことは間違いなく、
それは別に美容の世界だからではなくって
新たなチャレンジには常に付いて回ります。

ただ本当に美容がやりたいのか?
興味関心がそこにあるのか?

ここは徹底的に自分と対話すべきではないでしょうか。

美容に行くのがいいとか悪いとか
そんなのは自分でしか決められません。

でも興味もないのに行くのはいかがでしょうか?
それで長年続くものでしょうか?

美容を舐めていると言えないでしょうか?
美容に行けば楽できるなんて甘すぎませんでしょうか?

別に美容に行きたければ行けばいいんです。
ただその決断に対しては自分で責任を取らねばなりません。

3年めで美容に行くなら
完全に片道切符になるでしょう。

保険診療に戻るなら
イチからやり直しどころか
マイナスからのスタートになりますね。

であれば、不退転の決意を持って行けばいいだけなんですけど
おそらくこの方にそこまでの思いはないでしょう。

ライバルは美容の世界で身を立てようと
強い意欲を持つ先生方であり、
皮膚科や形成外科の出身の先生であるわけですが、
そんな方々に何で勝負しようとしているのでしょうか?

高年収が欲しいのであれば
それだけの努力が必要です。

保険診療よりもシビアな世界であり、
初年度は良くても実績次第では
翌年度には大幅ダウンもあり得る世界ですよね。

当直やオンコールはありませんけど
土日祝は稼ぎ時ですし、
多くの方が休む夏季や年末年始も出勤があるでしょう。

保険診療のような専門医はなくとも
最新医療があっという間に変わる世界ですから
継続的な勉強は必須ですし、
美容系の学会だけでなく
他のクリニックの先輩医師に学びに行ったり、
厳しい修練を積まねばならないのは変わらない気もします。

だいたい楽がしたくて美容に行くなんて
すでに美容業界で働くドクター達から見たら
ふざけるなと言われても致し方ない発言です。

美容業界に行くなら
それだけの本気度が必要不可欠ではないでしょうか。

 

・いつ進むべきかというタイミングの問題

3年め、つまり初期研修を終えて
すぐというタイミング。

別に医師でなくたって
3年めでできることというのは
どんな職業でもそう多くはありません。

それでも転身をするのであれば
そこには勝算と戦略、
そして断固たる思いがあるべきではないかと思います。

何となくこっちの水は甘そうだぞ…なんて
その程度の思いで通用する世界は
滅多にないんじゃないでしょうか?

もちろん新たな世界で絶対に成功するぞという
デタミネーションがあるならば
全然構わないと思うんですね。

でも給料がいいとか、
楽ができるとか、
そういう思いでの転身にリスクはないでしょうか?

ましてこの後述べるように
美容業界も飽和状態に近くなってきていて
競争は激化するばかりです。

クリニック間の競争だけでなく、
ドクター同士の競争もエスカレートする一方です。

同じクリニックに勤めていても
患者さんを掴み、症例経験を積んで、
ご自身の報酬を上げていけるドクターの陰で
患者さんを掴めず、症例経験も積めず、
ご自身の報酬が下がるドクターも存在するのですね。

心臓血管外科医として15年の経験があり
各種専門医も取得している先生とか、
形成外科医として豊富なオペ経験があり
専門医も取得している先生とか、
皮膚科医として10年の経験を積んだ後に
美容皮膚科に転身する先生とか、
こういう先生方と3年めのドクターが
ガチンコで戦わねばならないのが美容ですよね。

どう贔屓目に見たってリスクは大きいです。

それでもやりたいと思えるなら
全身全霊を掛けてやってみるのもいいと思いますが、
そろそろ楽したいんですよね?

勝ち目はどこにあるのでしょうか?
1~2年で保険診療に戻りたいとならないでしょうか?

少なくとも
3年めでなければならない理由はありませんよね。

私も社会人になって30年が過ぎますけど
楽したいという思いは持ったことがありません。

いや、なくはないですけど(笑)
それをWEB上とはいえ公衆の面前で述べてしまうのは
いかがなものでしょうか?

私はやっぱり世のため人のために働き、
喜んでもらいたい思いの方が強いです。

20代で楽してしまった人は
30代、40代、50代、60代に
どんな医師人生を送ることになるでしょうか?

今だけカネだけ自分だけ。

こういう発想に陥っていないでしょうか?
もっと中長期的な視点を持って
お金以外の価値感も持って
自分をこの世でどう活かすかも考えたほうが良さそうです。

 

<参考>
医師のキャリアは焦らずに中長期的な戦略を持つべき3つの理由とは?

 

 

2.これからどうなる美容業界

前述したこの先生のツイートですが、
もう少し続きがあります。

もう少しお聞きしたいのですが…
美容医者が増えすぎて仕事なくなるとのことですが、
ネットには美容医者の募集が沢山あります。
どうしてなんでしょうか?

美容医者は、
在宅医療や健診への移行はできないんでしょうか?

えっと、これまたモノ申したい先生は多いでしょうが、
美容業界は成長著しかったのも確かですし
若手医師が流入したのも事実としてありますね。

それはなぜか?
今後どうなるのか?
私なりに考えてみます。

 

・過去、現在、未来で見る美容業界

よく言われることですが、
企業の成長ステージには4段階あるとされて…

第1段階:シードステージ
第2段階:アーリーステージ
第3段階:ミドルステージ
第4段階:レイターステージ

このようになります。

これを美容業界に当てはめると
シードステージでご活躍なさったのは
高須克弥先生の年代となるでしょうか。

私もそれほど詳しいわけではないですけど
品川美容外科さんや十仁美容整形さんなども
このステージと言えるかもしれません。

それに続くのが今をときめく湘南美容外科さんで
アーリーステージで華々しく登場し、
一気に業界首位にまで上り詰めたと言えるでしょうか。

ところがミドルステージになってから
東京美容外科さんが参入してきて
大手の仲間入りをして
何だか良くも悪くも玉石混交としています。

それこそ億単位の年収を得るほどの
スーパードクターが誕生する一方で
結局、食べていけずに
脱毛クリニックやAGAクリニックなどに
さらに転身していく先生もいらっしゃいますね。

これは端的に言うと
需要と供給のバランスであって
それだけニーズがあったと言えますし、
上手くニーズを創り出してきたとも言えそうです。

しかし医師側は今までは
美容業界に転身するドクターが多くはなくて
それこそ引手あまたであったのでしょう。

当初は都心部に出店していましたが、
すぐに県庁所在地などを中心に
全国展開されるようになり
院長職の必要性が高まってきて
経営センスのありそうな先生が就任し
拡大の一方だったのですね。

このように規模の拡大をするクリニックもあれば
高い技術力をウリにするところもあり、
さらに経験を積んだ先生方が独立開業をし始めて
美容業界全体としては
さすがに飽和状態になりつつあるでしょうか。

自由診療は保険診療と比較すれば
相当にビジネス的な要素が大きいです。

ここに適応できない先生も少なくないようですが、
よく言われるようにSNSなどで集患をしなければなりませんし
カウンセリングやクロージングなど
営業的な要素も必要不可欠です。

挫折や早期退職も少なくないと伺いますので
わりと合う、合わないが
ハッキリしてしまうのかもしれません。

飽和状態に近づいているにも関わらず
求人が多い理由としては
退職者の補充であったり、
さらなる質の向上を目指しての入れ替えなど
採用側も顧客獲得のために
より良いドクターを求めているでしょうし、
やはり患者さんを呼べるドクターは
喉から手が出るほどに欲しているのはないでしょうか。

これは逆も真なりで
患者さんを掴めないドクターの存在価値は
残念ながら下がる一方です。

また実質的な経営者が企業である場合も少なくなく、
その場合はさらにビジネス色は強くなるでしょう。

通用しなかった場合の在宅診療や健診への転身は
可能性はなくはないものの
質の高い診療を提供している法人では
採用される可能性は低いと言わざるを得ません。

でもそうでない法人なら可能性はあります。
しかし先生にとって良い環境ではないことが多いでしょうね。

 

・医師のキャリアから見る美容業界

美容業界について語るほど
私自身はそんなに詳しくはありません。

もちろん転職エージェントの1人として
実際に今まで転職をサポートしたこともありますし、
最低限の知識は持っているつもりですけど
あくまでもそのレベルです。

ただひとつ思うのは
保険診療とは相当に違うということだけは
間違いのないことであると言えるでしょう。

その違いがいいのかどうかは
これは個々の先生方が判断することだと思います。

同じ事象でもプラスに捉える方もいれば
マイナスと受け止める方もいらっしゃるでしょうから。

私が医師のキャリアの専門家として言えることは
美容業界への転身の良し悪しではなくて、

・タイミング
・意欲と覚悟
・リスクマネジメント
・中長期的なプランの有無
・サバイバル戦略

このあたりかなと考えています。

でもですね、
これらも全て個々それぞれで異なるんです。

キャリアというのは
それだけ個別具体的なものなのですね。

ということはですね、
おそらく美容業界に転身すべき方もいれば、
絶対に転身しないほうがいい方もいて、
その中間的なポジションの方もいらっしゃるでしょう。

どう判断すべきか?
置かれた環境によっても異なるし、
性急な判断が良いとも思えません。

少なくとも3年めというタイミングが
あらゆる意味で良いとは思えないのが
率直な私の感想です。

でもそれを突破するだけのロジックもあるので
あとはご自身の意欲と覚悟でしょうか。

損得より善悪。
今だけカネだけ自分だけ。

この2点は冷静に考えてみたほうが良さそうですね。

 

<参考>
自由診療への片道切符で後悔しないよう若手医師への提言!

 

 

*まとめ

個々それぞれのキャリアや人生。

考えに考え抜いて
その上で下した決断であるならば
誰が何と言おうと突っ切っていいとは思います。

でもこの先生は
そこまでの覚悟がまだ持てていない感じがしますね。

ちなみにこのツイートのリプ欄も見てみましたら
様々な先生方がアドバイスを送っていて、
その大半が…

自分で決めな。
自分で熟慮しな。
自分の思う通りにしな。

こんな感じでした。
まあそうなりますよね。

最終的には自分次第。

私はキャリアの難しさと
どう切り拓いていくべきかを
しみじみと感じました。

それでは、また…。

 

 

医師限定 無料ZOOMキャリア相談 実施中!

*ジーネットTV youtubeにて医師のキャリアについてお話ししています。

医師キャリア相談

<ジーネットは様々な情報発信をしています!>
ジーネット株式会社 正式コーポレートサイト
<IBIKEN>医療ビジネス健全化協議会 医師向け情報提供サイト
twitter ジーネット株式会社公式アカウント
facebookページ ジーネット株式会社公式アカウント

下記もポチっとご協力下さい!
      にほんブログ村 転職キャリアブログへ

診療圏調査バナー