おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
もうひと月ばかり前になりますが、
吉野家の常務取締役がとんでもない失言をして
解任される事態がありましたね。
人権・ジェンダー問題の観点からも
あってはならない言葉をセレクトしました。
この方、とても優秀な方だったそうで
マーケティングのプロとして
吉野家でも女性客を増やすなど
実績もかなり出していたようです。
そうは言っても傲慢どころの話しではない
人としてどうなんだ?という
根本的な問題があったと思います。
吉野家もさっと解任して
謝罪文を出して終わりにしましたけれど
本人は雲隠れ、
ご自身の言葉でのお詫びは
私の知るかぎりありませんでした。
誰もが知る大手企業の在り方として
これはいかがなものでしょうか?
別に吉野家に限った話しではなく、
企業の行うマーケティングに対して
私はかなり疑問を感じています。
これは医師の転職エージェントにしても
クリニックの開業支援業者にしても
同様の問題が内包されているように感じています。
本日のブログのタイトルは、
【 マーケティングが会社を暴走させる?医師の転職・開業シーンはどうか? 】
といたしました。
<目次>
1.マーケティングはなぜ必要か?
・マーケティングの定義とは
・マーケティングは騙しであってはいけない
2.マーケティングが行き過ぎていないか?
・マーケティングが会社を社員を暴走させている
・罪深いマーケティングから脱却すべき!
*まとめ
目次
1.マーケティングはなぜ必要か?
営利企業にとっての「利益」は
私たち人間にとっての「血液」のようなものだと
私は位置づけています。
減り続ければ生命の危機ですし、
逆にあまりにも増えてしまうのも問題ですよね。
適正な量と質を維持し続けるのが
本来的な役割と言いますか、
ちょうど良いバランスではないかと思うんですね。
ですから企業も売上一辺倒ではなくて、
ただただ闇雲に利益を追求するのではなくて、
社会的な責任であったり、
クライアントや同業他社と
共存共栄するくらいの心の余裕が必要ではないかと考えてます。
・マーケティングの定義とは
マーケティングとは何か?
この定義づけはいろいろあるとは思いますが、
私は超シンプルに
「売れる仕組みづくり」と考えています。
専門のマーケッターの方から見ると
異論反論や付け加えたいことなど
言いたいことは山ほどあるかもしれませんが、
これくらいシンプルなほうが
わかりやすくていいのではないかと考えております。
ひと昔、いや、ふた昔?み昔?前ですと
私たち消費者に企業が情報を届けようとすると
テレビ、ラジオ、新聞など
いわゆるマス媒体が宣伝広告の中心でした。
こういった媒体は大企業しか使えませんので
だからこそ「どぶ板営業」と呼ばれるような
飛び込みだったり、テレアポだったり、
泥臭い営業マンが大量に必要だったのですね。
しかしインターネットの出現により
ネット上での宣伝広告のほうがコスパが良くなり、
しかも個人の嗜好性に合わせて直接情報を届けたり
アクセス解析が抜群にしやすかったりで
最近ではネット広告のほうが利用されることが増えていますね。
このこと自体は
消費者にとっても悪くないことですし、
それこそ石炭から石油にエネルギーが変わったように
マス媒体からネット媒体に変わったということなのでしょう。
ただですね、
それが良い方向に進んでいるとは思えません。
むしろ「害」とも言えるような
詐欺に近い商法も生まれてしまっていますし、
悪質とも言える宣伝広告も多いですよね。
マーケティングが売れる仕組みづくりとすると
あまりにもかけ離れてしまっていないでしょうか。
売れれば勝ち。
ノルマのためには無理やりでも売る。
そんなのはマーケティングではありませんし、
冒頭の吉野家の件などは
とんでもない勘違いですよね。
はしたないし、下品ですし、
恥ずべき発言であったと思います。
・マーケティングは騙しであってはいけない
結局、売上のために
人としての正義の魂を売ってしまったと言えるかもしれません。
売上が上がればいいんでしょ!って
それは企業内の論理としては通用するかもしれませんが
(もう通用しちゃいけない時代ですけど)
社会のなかでは許容されないでしょう。
そんな企業ばかりではないと信じたいですが、
グローバリズムの時代以降、
そういう会社が増えている気がしてしょうがありません。
弱肉強食のビジネス界で生き残るためには
これくらいしょうがないでしょ。
こっちも生き残るために戦ってるんだよ。
そんな声が聞こえてきそうです。
もうひとつ私が気になっているのが
顧客の「囲い込み」です。
これもマーケティング戦略としては
ごく当然とされていますが
私はなぜか強烈な違和感を感じるのです。
結果的に顧客が支持するならわかりますし、
ファンになるならいいんです。
でも最近の「囲い込み」って
やれポイントだとか、
特典だとか、会員割引だとか、
どうもあざとい感じがするんですよね。
本業の商品やサービスではなく
マーケティング的な戦略での囲い込み。
これは私の個人的な考えかもしれませんが、
企業に囲い込まれたくないっす。
商品やサービスが優れているならば
勝手に購入しますから
おかしな囲い込みは勘弁して欲しいです。
吉野家の役員じゃないですが、
顧客を舐めて
顧客を意のままに動かそうとするような
そんなのはマーケティングじゃないです。
もっとシンプルかつ真摯に情報提供をして
顧客に選ばれる仕組みを作ったほうがいいのではないでしょうか?
最近のマーケティングって
汚く感じてしょうがないです。
<参考>
新年度最初のブログですのでジーネットの今年度の方針を語ります!
2.マーケティングが行き過ぎていないか?
よく広報と広告は違うと言われますし、
宣伝と広告も違いますね。
ですがこの違いを明確に理解している人が
どれだけいらっしゃるでしょうか?
と言いつつ
私も念の為に検索を掛けて確認する始末です(笑)。
それとマーケティングとは何がどう違うのか?
原点というか、本質というか、
この点はマーケッターだけでなく
経営者も、営業パーソンも、
それ以外の様々な職種の方々も
もっと考えねばならないかもしれません。
そうでないと野放しになってしまいます。
・マーケティングが会社を社員を暴走させている
ひと昔前は
ごく一部ではありますが
悪質で、強引で、無理やりな営業が
社会的にも問題になっていました。
今でも多少なりともあるようですが、
ひと頃と比較すれば
だいぶ少なくなったように感じます。
ところがその代わりに出てきたのが
悪質で、強引で、無理やりなマーケティングです。
もちろんマーケティング全てが
悪質だなんて言いません。
ごく真っ当なビジネスプランを持って
顧客が正確な判断をするための
情報発信をしているところもあるでしょう。
しかし街中の、WEB上の、
様々な宣伝広告を見ていると
裏が透けて見える情けないものも
決して少なくないと思うんです。
まるで引っ掛けのような
ヒドイものもかなりあるように感じます。
営利企業というのは
売上が上がらねば倒産します。
存続できない企業など
潰れて当然とも思いますけど
その責任は全て経営者が背負うべきです。
社員は経営者の指示のもと
業務を遂行するのですから
あくまでも悪質なマーケティングの責任は
経営者であるのが世の常でしょう。
しかし冒頭の吉野家の件では
経営者ではないものの経営陣の一角が
自ら恥ずべき発言をしたのですね。
おそらく経営者は知らなかったことでしょう。
現場に責任がないとは言い切れません。
経営者の知らぬところで
経営者の思いとは違う方針が取られ、
社会に誤ったマーケティングを仕掛けていることは
決して少なくないとも思うんです。
マーケッター個人や
部署などの現場が暴走する事もあるでしょうし、
それでも責任は経営者が取るべきですが
私は何だかマーケティング自体が愚弄されているようで
このままではいけないと強く感じるのです。
・罪深いマーケティングから脱却すべき!
汚い営業から悪質なマーケティングへ。
これでは何ら意味がありませんよね。
個人的な見解ですけど
マーケティングは正々堂々とあるべきですし、
企業の利益よりも
消費者やユーザーの利益を優先するべきです。
きれいごとかもしれませんが、
企業の利益なんて
まともなことをしていれば
後から付いてくるものだと思うんですよ。
より良い商品やサービスに磨きを掛けて
適切に販売すればいいだけですよね。
それなのにマーケティングで売ろうとするのは
決して良いことではないと思うんです。
良い商品やサービスを多くの人に知ってもらうために
本来のマーケティングはあるはずです。
悪い商品やサービスをマーケティングでゴマかして
売るってのはいかがなものでしょうか?
企業の存続はきれいごとではできないとも言えますが
人を騙して売るのは筋が違うと思うんですね。
そこに努力するなら
もっと他に努力すべきところがあるんじゃないでしょうか?
え~、なんでこんなテーマを取り上げたかと言いますと
医師の転職エージェントやクリニックの開業コンサルタントが
現在行っている宣伝広告に私は大いに疑問があるからです。
当ブログをお読みになって下さっているドクターの皆さまは
すでに百も承知のことと思いますけど
求人に高条件や非公開やレアなどの冠言葉を付けて
普通の求人に無理やり価値を付けてアピールするのは
いったいどうでしょうか?
これは開業物件に関しても同様であり、
私には案件というエサで医師を釣ろうとする
非常に低レベルなマーケティングにしか思えません。
目に見える商品がない世界なのだからこそ
事例やノウハウといった情報を事前に発信し、
そこに関心を持って下さる医師と打合せをして
その上でご依頼をいただけるかどうかを判断してもらうような
このようなプロセスこそが
受ける価値のあるコンサルティングだと思うんです。
案件をエサにするようなマーケティングでは
その先のコンサルティングサービスも
同じようなレベルじゃないでしょうか。
今まではそれで通用したかもしれませんが、
この先もこのままでいいとは思えません。
マーケティング手法を変えるべきです。
そしてそのために必要なのは
経営方針を変えることなんですよね。
経営陣が全責任を持って
取り組みを変える必要があると思います。
<参考>
医師の転職エージェントは会社よりも担当者で選びましょう!
*まとめ
医療系の転職エージェントは
間違いなく過渡期に入っていると思います。
すでに業績を大幅に悪化させている企業の話しも耳にしますし、
早くも業態変更、医師を辞めて看護師や薬剤師に移ったり
転職エージェント自体を止める企業も出ています。
医師にも医療機関にも
上っ面の転職支援しか理解してもらえず
窮地に陥るのは自明です。
マーケティングを変えねばなりません。
経営方針を転換すべき時であります。
求人案件を金科玉条のごとく
アピールするのは止めませんか?
しかもそこに高条件とか、高待遇とか、
レアとか、非公開とか、
医療機関側が全く望んでいない
冠言葉を付けた宣伝文句は止めましょうよ。
それが全て事実であり、
客観性のあるものならいいです。
しかしダミー求人まで出して
是が非でも求人で引っ掛けようとするのは
これはもう虚偽ですから
絶対に止めて欲しいのですよ。
不誠実、この上ないと思うんですよね。
まあ他社さんのことを
どーのこーのと言う資格は私にありませんが、
弊社におきましては
正々堂々としたマーケティングで、
どこに出ても恥ずかしくない仕事をしてまいります。
スペシャリストである医師を支える
ゼネラリストとして機能するのが私どものミッションです。
職人コンサルタントとして
丁寧で愚直で真っ直ぐなご支援をしてまいります。
それでは、また…。
*ジーネットTV youtubeにて医師のキャリアについてお話ししています。
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