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クリニックの承継や分院展開の失敗パターンとは?

2020年9月25日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師のキャリアプランを研究し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

開業医の平均年齢は年々上がっていて、
すでに50代後半になっているそうです。

当然、60代、70代で頑張っていらっしゃる先生も多く、
クリニック承継をしたいと願う先生も多い事でしょう。

逆に若くして開業を成功させ、
クリニック分院展開を模索する先生もいらっしゃいますね。

今回はこの「承継」、「分院展開」について
考察いたします。

 

本日のブログのタイトルは、
【 クリニックの承継や分院展開の失敗パターンとは? 】
といたしました。

 

<目次>
1.クリニック承継への備え
・時代が変われば街も住民も変わる
・こだわりを捨ててこれからに備えておこう
2.クリニック分院展開への備え
・法人の思うようには行かない
・ドクターありきのプランが必要
*まとめ

 

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1.クリニック承継への備え

このコロナ渦で
ベテラン開業医の診療所閉鎖のニュースを
何件か見ました。

すでに悠々自適という事でしょうから
その決断は尊重しますが、
できる事なら地域の医療体制を維持するためにも
スムーズに承継できたらいいのに…と思ったのも事実です。

ただこのクリニックの承継…。
そんなに簡単ではないんですよね。


・時代が変われば街も住民も変わる

承継を検討し始めるクリニックの院長は
その多くが20年、30年と
末長くその地で診療してきたケースが多いです。

短期でガっと儲けてバイアウトとか、
開院したけど患者が来ずに閉院というのは
稀なケースであり、
大概が非常に長く診療所経営をしてきたのですね。

それだけ患者さんが付いていますから
承継しやすいでしょうと思われるかもしれませんが、
話しはそう単純ではないのです…。

20年、30年経てば
街の様相もだいぶ変わりますからね。

開院当時は好立地でも
現在では人通りがすっかり変わってしまって
競合医院も増えて
患者数も徐々に減り、
承継に値しなくなっているケースも少なくありません。

また内装が古く
リフォームが必要であったり、
医療機器も古く
買い替えが必要であったり、
古株のスタッフが残っていたり、
院長の診療スタイルがひと世代前のものであったり、
いろいろ課題があるのです。

これなら新規開業の方が有利かも?と
そう思っても致し方ありません。

新規開業する医師の7割が
承継開業を検討していると言われていますが、
実際に承継に至ったケースは
1割にも満たないと言われます。

実際に私の知人ドクターも
見学には行ってみたけど
残念ながらこりゃダメだ…と思ったという話しを
よく伺うのですね。

承継開業は難しいのです。
その辺りの事情を動画でお話ししていますので
ご関心ある先生は下記もご覧になってみて下さい。

 

<参考>
ジーネットTV 果たして第三者承継は可能なのか?有利なのか?

 

・こだわりを捨ててこれからに備えておこう

若い先生に承継してもらいたい…。

そういう先生に
もし私がアドバイスできるなら
できるだけこだわりは少なくしましょうという点です。

つまり次の先生が引き継ぎやすい体制を
作ってあげないと成立しませんという事ですね。

患者を引き継ぐのはメリットがあるのでよいのですが、
スタッフの引継ぎは良し悪しですし、
ご自身が週1日程度勤務するというのも長短ありますし、
〇日までに決めてというのも悩ましいです。

譲渡代金は〇〇円というのも
あまり高額ですと負担になりますし、
医師会や大学医局を通すとなると
しがらみやプレッシャーを与える事になってしまいます。

できるだけ負担を軽くするのが肝心です。

以前にニュースで
医師会とエムスリーが診療所承継について
提携をしたというものを見ました。

その後、続報をほとんど耳にしませんが
どうなってるのでしょうか?

おそらくビジネスチックになり過ぎて、
あまり上手く行っていないのだろうなと思います。

承継の情報を右から左に流すだけでは
まず上手く行かないんです。

クリニックの承継って条件面よりも
心と心が通い合うか?なんですね。

それがベースにあってこその
諸条件となってきます。

私自身も数件の承継をお手伝いした事がありますが、
かなり苦労しました。

こんがらがった糸を
何度も丁寧に解きほぐし、
いく度もの話し合いを経て
ようやく成立したのです。

間におかしなブローカーが入ってしまったら
まず上手く行かないでしょう。

承継を成立させたければ
やはり数年計画で準備をしておくべきと思います。

そして真っ当な人間に仲介を依頼すべきです。
顧問税理士や評判の良いコンサルタントなどですね。

ただもっと思う成功の秘訣は、
クリニックの承継ではなく
医療圏の承継をしていく事ではないでしょうか?

そういう仕組みを今後私どもは
手掛けていく事になりそうです。

 

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2.クリニック分院展開への備え

続いて分院展開についてです。

クリニックを開院して、
順調に患者さんが集まり
資金繰りにも余裕が出てきた。

さらに事業を大きくしようと
医療法人化して
分院展開を目論んでいる。

しかしこれも実は難易度が高いものなのですね。

 

・法人の思うようには行かない

分院展開についても
何度もご相談を頂いた事があります。

しかし失敗事例は多いので
是非とも気を付けて頂きたいです。

最も多い失敗パターンは…
良い物件が見つかったので
イチ早く物件を抑えた。

内装工事も入れて、
医療機器も購入し搬入済み。

本院でスタッフも用意してあり、
あとは院長に就任してくれる先生だけ…。
このような状態になる事です。

すでに家賃は毎月発生しており、
初期投資を掛けてしまっています。

最初は妥当な条件で医師を募集したけど、
なかなか応募が来ないので
さらに条件を上げてみた。

これもよろしくない展開ですよね…。

ようやく応募が来たので面接。
決して良い先生とは思わなかったけど、
待ちに待った応募だったので、
さらに条件を良くして内定を出す。

またまた良くない展開です。

面談をしたドクターは首を縦に振ってくれず
致し方なくさらに条件アップ。

何とか了承してくれたドクター。
入職して診療開始。
しかし患者は集まらず。
毎日ひと桁台の患者数が続き、
いかんともしがたくなって
分院長に指導をすると
やってられないと
いきなり辞めてしまった…。
そして再度の医師募集。

こういうパターン。
よくあるんです。
まるで蟻地獄のような展開ですよね。

先に物件を抑えちゃいけないんです。
条件で入職を決断するドクターでは
ミスマッチなんです。

成功した本院は
そうではなかったはずですよね。

 

・ドクターありきのプランが必要

分院展開について相談を受けた私が
いつもするアドバイスです。

ドクターありきですよ。
この先生と一緒にやりたい。
そういう先生でないとダメですよ。

もうこれだけです。

良く知っているドクターであればいいですが、
そうでないなら
可能であれば、
本院にバイトに来てもらって、
一緒に診療をしながら
その先生の診療スタイルや
患者からの支持があるのか確認すべきです。

なおかつ経営理念に理解をしてくれるのか?
法人の方針に合っているのか?
自分との相性はどうか?
スタッフ受けはするのか?
その先生のキャリアプランや将来設計にマッチするのか?

これらを確認の上で
握手ができますね…という事になれば、
その先生の意向や通勤を踏まえ
診療圏調査も取りながら
物件を決めて準備に取り掛かる。

こういう展開がベストです。
医療はドクターありき。

最初の本院は自分がいたからこそ
成功したのですよね。

 

<参考>
まだまだ続く雇われ院長の失敗事例!

 

クリニック経営 クリニック承継 クリニック分院展開 クリニック法人化 医療法人 クリニック継承 クリニック事業譲渡 ジーネット株式会社

 

*まとめ

何ごとも失敗事例を知ることは大事です。
だって同じことをしなければいいんですもの。

実際に成功事例だってあるんです。

確かにクリニックの承継や
医療法人としての分院展開は
決して簡単ではありませんが、
失敗パターンを避けて、
上手くやる方法はあるのです。

その為にも情報収集、
そして人脈作りが必要です。

承継や分院展開を失敗する方が
少なくなることを祈ります。

それでは、また…。

 

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