おはようございます。
医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
ビジネスには
「実業」と「虚業」があると考えています。
私の中では明確なのですが、
ここでは下記3点を虚業と断定します。
① 自社の都合優先でクライアントをないがしろにしている。
② 結果として騙している。後悔されている。
③ なくてもよいビジネス
いかがでしょうか?
今回はこれを前提にして
医師募集の求人ページや
採用コンサルティングについて考察いたします。
本日のブログのタイトルは、
【 医師の転職エージェントを逆手に取った求人ページや
採用コンサルティングの提案にはご用心!】
といたしました。
<目次>
1.確かに医師の転職エージェントに問題はあるけど…
・医師の転職エージェントの何が問題なのか?
・無能なコンサルタントが医師や医療機関に迷惑を掛ける。
2.エージェントを踏み台にして自社の利益を追求する悪質業者
・採用コンサルティングという無責任
・求人ページやホームページリニューアルという無責任
*まとめ
目次
1.確かに医師の転職エージェントに問題はあるけど…
当ブログでは再三に渡って申し上げておりますが、
医師の転職エージェントは課題だらけです。
現状では利用する事にマイナスなケースもありますし、
トラブルの話しを耳にする事も少なくありません。
まだ医療業界に転職エージェントが進出してから
それほどの時は経っていませんし、
まだまだ過渡期であるとも言えます。
だからと言って
医師の転職エージェントを貶しめて
あたかも自社サービスは良いものだという営業は
ハッキリ言って疑問です。
また相変わらずド素人が進出してきて
医療業界に迷惑を掛けています。
本当に良いサービスなら切磋琢磨しますけど、
低レベルのサービスなら
転職エージェントのほうが100倍マシです。
今回は転職エージェントの現状を分析するとともに
最近どんな新手のサービスが出てきているのか?
そして担当者のレベルや背景などについて
じっくりと考えてみます。
・医師の転職エージェントの何が問題なのか?
今までもいろいろ指摘してきましたが
私が問題と思うのは、
①求人で医師を獲得しようとする。
②マッチングが雑である。
③紹介責任を負わない。
この3点に尽きると考えています。
これをさらに詳しく言うと
転職支援の神髄を知らずして
求人と求職者をただ繋ぐだけの
自社都合のマッチングということです。
最大の問題は
判断材料が条件しかないという事なのですね。
だから転職マーケットが壊れていくのです。
そして結果的に医療機関から不満を持たれ、
医師からは不信を抱かれ、
医療業界にとっての必要性が下がるばかりです。
最も責任が大きいのは経営者です。
転職支援の現場を知らない経営者が
金儲けのために進出するからおかしな事になります。
事業の設計も効率一辺倒だし、
医療業界の事もよくわかっていないし、
求人を集めてサイトに出せば
医師は登録するだろう…と浅はかに考え、
エージェントの経験者を何人か雇えば
マッチングして決まるだろうと楽天的に考え、
転職が決まってフィーが入れば
その後に早期退職になっても気にもしない。
何のための誰のためのビジネスなんだかよくわかりません。
存在価値が低いどころか、
むしろ存在が害悪となっているケースすらあります。
そしてこんな経営者の下には
当然、有能なコンサルタントなど育たずに、
面接に行けと、
面接後はここに行けと
平気でゴリ押しするような
良からぬコンサルタントが生まれてしまうのですね。
・無能なコンサルタントが医師や医療機関に迷惑を掛ける。
医師の転職エージェント10何年やってきました!とか、
長くこの仕事をやってきた事を売りにする人で
本当に有能は人はいません。
なぜそう断言できるかと言うと、
本当の実力や実績があるならば
そんなことを言う必要がないからです。
3年めだろうが、5年めだろうが
優秀な人はメッチャ優秀ですし、
何年続けようとダメな人はダメ。
それが転職コンサルタントです。
実際に私は転職エージェントに入社してから
2年めでトップセールスになりました。
当然、私より経験の長い人は多かったですが、
そうじゃないんですよ。
転職コンサルタントって
センスと知性と教養と社会性と
個々の案件の「構図」を理解する能力が必要です。
これは後天性のものではなく、
むしろ先天性のものなんです。
だからできる人はできるし、
できない人はできない。
できない人は10何年もの経験ありますと
それしか自慢できる要素がないのですね。
それでこういう人に限って
転々と職場を変えています。
ハッキリ言って当人が言うほどに実力はなく、
それでも誰かに認めて欲しくて、
オイシイ話しがあるとホイホイと転職する。
でもそもそもの実力がないので、
1年、2年経つ毎に段々と立場が悪くなって、
そこにまた10何年の経験に騙されるエージェントがいて、
再び転職をする。
担当のコンサルタントが10何年の経験を売りにして、
転職エージェントを3社、4社と移っていたら
あ、この人は実力ないなと思った方が良いです。
私自身もこういう人に何度となく騙されてきました。
会社がお膳立てして、
サポートしてあげないと
全然仕事ができない人たちです。
ホント痛い目に合いましたよ。
だからもう10何年の経験のある人は
余程の事がない限りは採用しない事に決めています。
ま、それはいいとして…。
医療系紹介業界において確実に言えるのは
こういう無能な人ができるのは
右から左に流すだけの仕事であるという事です。
雑なマッチングです。
それ以外の事をできる人を見た事がありません。
この最重要な点に気づかずに
10何年もやってこれるほうが問題とも言えますね。
こういう人の転職支援は無責任です。
数字以外の指標を知らないので
そこに美学や哲学が欠けているのですね。
雇った経営者も1年もすれば後悔する事でしょう。
だって1人につき
毎年1000万円以上の赤字が出るんですから。
普通の経営者ならどこかで非情の決断をせざるを得ません。
非常勤やスポットを数件決めて、
給料分の仕事すらできていないのにいい気になって、
赤字社員なのに偉そうな口ばかり叩いて、
経営者から厳しくされれば
すぐにまた辞めていく。
いつまで経ってもこんな事を繰り返しているから
付いてきてくれる医師は減る一方で
過去の勤め先のドクターに手を出して
損害賠償請求を起こされるなんて事もよくあります。
えっとかなり厳しい事を言いましたが、
有能なコンサルタントは
会社に大事にされてますから
転々とするようなことはしません。
そういう人とタッグを組むのがいいですよね。
まあこのように転職エージェントも
転職コンサルタントも課題だらけです。
しかしもっとひどいケースも出てきているようです…。
<参考>
医師の転職エージェントに勤めるコンサルタントってどんな人?
2.エージェントを踏み台にして自社の利益を追求する悪質業者
前述したように
医師の転職エージェント、
医師の転職コンサルタント、
両者ともに課題は山積みで
新規参入や退場を繰り返しながら
段々と質が向上していくんじゃないかと
私は考えております。
もちろん弊社も頑張ります。
しかしこのエージェントに対する不信感を逆手に取って
怪しいビジネスを仕掛ける輩が出てきています。
商魂たくましいならいいですが、
明らかに詐欺的なケースもあるようです。
いわゆる「虚業」ですね。
・採用コンサルティングという無責任
採用コンサルティングという職種?事業?を
ご存知でしょうか?
人材の採用に関する問題解決を
全面的にサポートする職種であり、
①採用のノウハウがない
②専任の採用担当者がいない
③目標の採用人数に届かない
④早期離職者が多い
これらの採用に関する課題を抱えた企業に対して、
課題解決のための
さまざまなサポートを行う
採用活動のプロフェッショナルと言われます。
この①~④に該当する
医療機関は決して少なくないのではないでしょうか。
ところがこの採用コンサルティング達が
プロではなくド素人である事も少なくないんです。
つまり採用コンサルなんてやった事がなく、
部署異動で来ました…みたいなケースです。
それでこういうド素人が
どういう営業をするかというと
転職エージェントを利用して
何百万ものフィーを支払っても
定着率も悪いし、
退職後に新たに採用すれば
また何百万ものフィーが掛かる。
そんな不毛なものに資金を使うなら
自院で直接採用できる体制を整えませんか?なのですね。
ここで私が断言します。
できるならとっくにやってます。
医師の採用を事務長が兼務で
担当しなければならないマンパワー不足で、
人の命が掛かる厳しい現場で、
そもそも医師は医局派遣時代から
1~2年で職場を変わる事が普通であり
キャリアアップし続ける事が宿命でもある訳です。
さあどうやって自院で採用できるようにしましょうかね?
え?まさかエムスリーや日経メディカルに
求人を掲載しましょうなんて言わないですよね?
結構な費用が掛かりますもんね。
医師の採用シーンでは
それなりに名の知られている「楽彩」に
求人を掲載しましょうなんて提案はしませんよね?
ってしてるんですよ。
こんなの私に言わせれば
採用コンサルティングとは言えない
非常に質の低い提案です。
まして採用コンサルティングってのは
転職エージェントと違って
料金前払いである事が多いです。
つまり何の効果がなくとも
先に何百万という金額を支払う訳です。
前払いして、さらに業者に費用を掛けて、
結果が出なくても返金はない。
これなら医師が採用できた場合だけ
フィーが発生する転職エージェントのほうが
まだマシとも言えますね。
ひどいケースになると、
表側では転職エージェントとして接して
裏側では採用コンサルティングとして接する。
つまり表裏一体で、ダブルで金儲けしようとする
そんな会社まであるんです。
正直、採用コンサルティングなんて
信じるに値しないと私は考えています。
ごくごく一部に良質なサービスを
提供する会社もあるかもしれませんけど…。
・求人ページやホームページリニューアルという無責任
採用コンサルティングに並んで
私が悪どいなあ…と思うのは、
自院のホームページをリニューアルして
直接応募が来るような求人ページを作りましょうという
あこぎな提案です。
それで採用できるなら
どこの医療機関もやりますよね?
スタッフ採用ならまだしも
求人ページを作って医師が採用できるなら
その方がいいに決まってます。
しかしできると思いますか?
こういうホームページ制作会社が
転職エージェントを使って
何百万も払って定着率が悪いなら…という提案をして
それを鵜呑みにしてもいいものでしょうか?
私は無理だと思います。
だって転職希望の医師が
1件の医療機関のホームページに辿り着く可能性は
相当に低いものだと思うからです。
いわゆる求人サイトの方が
案件数は断然多いわけで、
比較検討できるわけで、
1件の医療機関では太刀打ちできません。
そりゃ数年に1件くらいの問合せならあるでしょう。
でもそれでは不足ですよね?
事実、私の良く知る医療機関は、
非常にわかりやすい医師採用ページを
結構なコストを掛けて作ってますが、
何十社という転職エージェントを頼ってるんですよ。
そして実際に問合せが入るのは
転職エージェントからであって、
年間に数名の医師を転職エージェント経由で
採用しているという事実があります。
求人ページを作ったり、
ホームページをリニューアルして
医師が採用できるならいいです。
それができないから転職エージェントを
利用せざるを得ないのですよね。
オイシイ話しはそうはないと思います。
ましてこのホームページ制作会社が
裏で転職エージェントもやってますとなると
ダブルで金儲けしようとしているとしか思えません。
採用コンサルティングにしても、
ホームページ制作会社にしても、
転職エージェントをコケにして営業するのはいいですが、
しっかり結果を出してからにして頂きたいものです。
まあ転職エージェントがしっかり結果を出していれば
こんな営業は通用しない訳ですから、
根本的な原因は転職エージェントにあるのですけどね…。
<参考>
転職エージェントに支払うくらいなら自分に出して下さいよ…という医師の交渉の是非!
*まとめ
私は餅は餅屋だというように考えています。
医療の世界だって同じですよね?
ワイドショーで見たエビデンスのない治療法を試して
悪化させてから医師の診療を受けるよりも、
最初から来て欲しいですよね。
専門家を頼る。
これは私たちの生存戦略上も有効だと思います。
それなのにどうしてもオイシイ話しに
つい乗っかりたくなる…。
まあ気持ちはわかりますけどね、
でもキレイなバラには棘があるものですよね。
医師の採用シーンにおいては、
転職エージェントが機能していれば
大概の問題は解決します。
機能していないから
おかしなビジネスが生まれるのです。
転職エージェントの1社である弊社としては
医師、医療機関の信頼を得るべく
日夜精進し続けるしかありません。
それでは、また…。
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