おはようございます。
医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
私はクリニック開業コンサルタントとして
地道にコツコツとサポートの件数を増やしていますが、
それはなぜか?
もう答えはシンプルです。
開業支援をさせて頂いたクリニックが成功し、
繁盛クリニックになっているだけの事です。
そしてそのコツとは
実は実際の開業準備に取り掛かる前に
大事な要素があると考えております。
本日のブログのタイトルは、
【 クリニック開業を検討し始めたら……
「デモシカ」開業からの脱却の処方箋? 】
といたしました。
<目次>
1.デモシカ開業って何だ?
・開業「でも」するか?開業「しか」ないか?
・開業準備の最初はコンセプト固めです!
2.集患マーケティングはここから始まります!
・コンセプトと事業計画
・医業経営とは何だろう?
*まとめ
目次
1.デモシカ開業って何だ?
かなり地域性のある話しですが、
東京や大阪を中心とした首都圏では
競合医院が多く、
クリニックの開業は相当に慎重さが必要です。
一方で地方では資金を援助してでも
クリニックに開業して欲しい市町村もあります。
しかもコロナという不確定要素もあり、
クリニックの開業シーンも
今までよりずっと難しいものとなってきていますね。
開業準備に取り掛かる前に
どれだけの有用な情報収集ができるか?
宣伝広告に惑わされる事なく、
情報リテラシーを持って
準備そして計画が必要になります。
安易な開業ではリスクが大きい時代です。
まずは是非下記をお読みください。
・開業「でも」するか?開業「しか」ないか?
「デモシカ」開業って耳にした事はありますか?
開業「でも」するか…
開業「しか」ないか…。
このようなきっかけを「デモシカ」開業と言います。
ひと昔前であれば、
クリニックを開業すれば
段々と患者は集まってきましたし、
ごく普通に診療していれば
クリニックを経営する事自体は
特に問題なくできたんですね。
でも今は首都圏を中心に
そんな甘い時代ではなくなってしまいました。
競合医院が多く、
よほど差別化ポイントを作らないと
患者は来てくれません。
1度来ても満足しないと
Googleに悪口を書かれてしまったりもします。
地方でも事情は同じで、
県庁所在地や市の中心部などの都市部では
段々と厳しくなってきていますね。
本当の地方であれば競合医院はないですが、
住民数も少ないために
経営的に成り立つのか?
ひと工夫もふた工夫も必要になってきます。
開業「でも」するか…
開業「しか」ないか…。
それだけで開業準備を進めるのには
大きなリスクがあると言わざるを得ません。
しかし私は全否定するつもりはないんです。
開業を考え始めたきっかけが
「デモシカ」であったとしても、
そこから適正な手順を踏んで
しっかりとした準備と計画をすればいいだけだからです。
「デモシカ」で始まって
いきなり開業物件などを探したり、
出入りの医薬分卸さんに開業支援の依頼をしたり、
こういう旧態依然とした進め方では
問題がありますよ…という事が言いたいのです。
スタートが「デモシカ」でもいいんです。
ただ開業準備を進める前に
「デモシカ」を脱却する必要があります。
脱却できれば可能性はグッと広がります。
しかし「デモシカ」で始まり、
「デモシカ」のまま開業準備をしてしまっては
おかしな業者に食い物にされるか?
開院しても一向に来院患者が増えないか?
そんな展開になってしまっても不思議ではありません。
まずは「デモシカ」を脱却しましょう!
・開業準備の最初はコンセプト固めです!
ではどのように「デモシカ」を脱却するか?
その処方箋を考えてまいります。
開業「でも」するか…
開業「しか」ないか…。
このようなケースの背景には、
大学医局で干されてしまったとか、
勤め先がM&Aされて経営者が変わったとか、
病院が倒産した…などがあるんですね。
しょうがない…開業でも…開業しか…ですね。
まず断言しますが、
自分のクリニックを開業するという事は、
経営者になるという事です。
地域への責任、
スタッフを雇用するという責任、
非常に大きな責任が付いて回ります。
本当にその責任を背負えますか?
答えがNOなら「デモシカ」開業など
しないほうが無難です。
また雇われ院長という
中間的なポジションで仕事をする方法もありますが、
当ブログでは何度か書きましたように
そんなに甘くないです。
雇われ院長が気になる方は
是非下記の3記事をご覧になって下さい。
<参考>
雇われ院長の失敗事例が多すぎる!
まだまだ続く雇われ院長の失敗事例!
話しを戻します。
いかにして「デモシカ」開業から脱却するか?
私は準備計画を綿密にするのが
最善であると考えています。
具体的に言いますと…
①クリニックのコンセプト
②クリニックのターゲットとなる患者層
③クリニックの運営スタイル
④大まかな事業計画
⑤資産状況と自己資金の把握
この5点は
開業準備を始める「前」に
徹底的に追求すべきです。
そしてこれも大事なことですが、
①~⑤を考えていても
悶々として答えが見い出せない事もあると思います。
そんな時には相談相手を見つけて下さい。
A、すでに開業医となっている先輩
B、開業についての情報交換ができる仲間たち
C、開業コンサルタント
Aは是非ともです。
できれば開業秘話とか、開業ストーリーを
じっくりと聞けるといいですね。
またクリニックにもお邪魔して、
内装の意図や後悔している点などを
伺えるとベストと思います。
Bは昨今様々なグループがネット上にもありますので、
有用な情報交換ができるか
試しに参加してみるのもよいでしょう。
ただ中には費用が嵩んだり、
やたら営業をされるケースや
コンサルティングを受けねばならないケースもあるようです。
このような時には早めに退会した方がいいですね。
最後のCですが、
私は実際に開業支援をしている人の
話しを聞くのは非常に参考になると考えています。
ただしいきなり営業モードの人や
すぐに開業物件を案内する人はNGです。
しっかり開業相談に乗ってくれる
真摯なコンサルタントが望ましいです。
なかなかそういう人はいないのですが…。
他には開業の書籍を読むとか、
開業セミナーに参加してみるなどもありますが、
私はかなり懐疑的です。
開業って知識よりも
事例やノウハウを知る事の方が有用です。
結局、営業したいだけの書籍や
医師を集めたいだけのセミナーはウザいだけであって
大して得るものはないと思います…と
数名の先生方がおっしゃっていました(笑)。
さて、これが開業準備の「前」です。
このプロセスを経ると
最初は「デモシカ」だったものが
段々とリアルな現実となっていき、
なおかつ「戦略」が手に入ります。
ここからが本番です。
本当の開業準備をスタートする体制が整いました。
では何から始めたら良いでしょうか?
<参考>
ありそうでなかった本物のクリニック開業コンサルタントとは?
2.集患マーケティングはここから始まります!
これも当ブログでは何度も言う事ですが
クリニックの開業準備のなかで最重要なのは、
開院後を見据えていく事です。
具体的に申し上げますと
a、資金繰り
b、集患マーケティング
この2つです。
お金がなければ事業は回りません。
お金がなくなれば事業は終了です。
初期投資を抑えて、
運転資金をできるだけ分厚く持つようにしましょう。
そして患者が来なければ
クリニックは続けられません。
当初から集患マーケティングを意識しましょう。
さらに言うなら、
この2点を重視してくれる
開業コンサルタントをパートナーにできると最善です。
コンサルのスキルと知見とビジョン、
そしてモチベーションによって
開院後への備えは天と地ほどに差が出ると考えます。
本当に有能な開業コンサルタントが付けば
開院後を見据えての支援はごく当然の事ですし、
「デモシカ」開業からの脱却は容易なものとなるでしょう。
・コンセプトと事業計画
何度でも申し上げますが、
クリニックのコンセプトと事業計画は大事です。
事業の根幹であり、
ここを見失うと迷走します。
初期投資はどれくらいに抑えるか?
開院後の運転資金はどれくらい必要か?
どのような集患マーケティングを打つべきか?
これらの根幹には
必ずコンセプトと事業計画があるはずです。
どんぶり勘定でお金を使わないために
事業計画が存在します。
事業計画の範囲内で
初期投資は抑えましょう。
どの地域のどんな患者さんに対して
どのような言葉、思いを伝えるか?
このマーケティング策の前提として
クリニックのコンセプトが存在します。
WEBだろうが、紙媒体だろうが、
すべてはここから始まります。
この根幹が曖昧なままですと
安易な宣伝広告に陥り、
費用対効果も悪く、
地域住民の方々にも伝わらないでしょう。
伝わらないどころか、
間違って伝わる事すらあるでしょうね。
当然、来院患者さんは思うように増えません。
赤字が続き、収益が確保できないと、
何が何でも売上を上げなければならないと
さらに安きに流れて収益から離れていきます。
もう事業を行う資格がありません。
お金に魂を奪われてしまうのですね。
当初の美学はどこに行ったのでしょうか?
大事なものは見失ってはいけません。
「デモシカ」開業から始っても
コンセプトと事業計画を丁寧に作り込み、
地域住民に受け入れられる体制を作ればいいのです。
しかしコンセプトと事業計画がないと
ただの金儲けに走る事になりかねません。
仮に一時は成功しても
サスティナブルな事業とはなりません。
経営は続かなければ負けです。
儲かるとか、儲からないではないんですよ。
続けるために儲けは必要ですけど、
儲かったから続くとは限りません。
コンセプトと事業計画。
どんな患者さんに
どんな医療を提供するのか?
それはなぜ?
このような思考のプロセスは、
クリニックの開業準備として最重要と考えます。
・医業経営とは何だろう?
これもいつも言うことですが、
クリニックを開院するということは
経営者になるという事です。
では「経営」とは何でしょうか?
「経済」は経世在民の略であると言われます。
世を経めて(治めて)民の苦しみを済う(救う)の意味だそうです。
では「経営」とは何か?
事業目的を達成するために、
継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、
事業を管理・遂行すること。
ほらほら。
まず「事業目的」が前提でしょ。
これがコンセプトや事業計画なんですね。
やはりこの目的がとても重要なんです。
この「ため」に経営するんですから。
最初は「デモシカ」開業でも
この「事業目的」が手に入ればOKです。
これを見失わなければ長く経営する事はできるでしょう。
でもね、「事業目的」が明確にならないままで
クリニックのコンセプトがあやふやで
事業計画がブレブレになるようですと
決まって同じパターンに陥ります。
「お金」です。
確実に目的がお金になるんです。
こうなるともう何でもありです。
言葉は悪いですが、
悪魔に魂を売ったのも同然です。
別に金儲けを否定するつもりはないんですけど、
事業目的が「金儲け」であることは
経営者としていかがなものか?と言いたいんです。
多くの患者さんを診察して、
何度もリピートしてもらい
結果的にお金が儲かってしまうのはいいですよね。
これこそが真っ当な医業経営でしょう。
クリニックのコンセプトがあって、
しっかりした事業計画に沿って、
事業目的が明確であって、
それらの理念やビジョンに共感する患者が集まり、
患者に支持されて売上が上がり、
順風満帆な経営となった。
これこそが健全なクリニック経営です。
まずはコンセプト、事業計画、事業目的なんです。
その実現のための経営ですから。
キャリアプランも同じです。
目的があるから
その実現のためのキャリアパスがある訳です。
事業目的が金儲けなのであれば、
クリニックである必要はないんじゃないかな?
もっと儲かる商売はいくらでもあるし。
<参考>
クリニック経営論。上手く行ってるクリニックはここが違う!
*まとめ
「デモシカ」開業からの脱却。
それは事業目的を明確にすることです。
そのためには
どんなクリニックにしたいのか?
どんな患者に集まって欲しいのか?
どんな診療スタイルを取るのか?
それは事業として成立するのか?
どうすればバランスの良い収益構造が作れるのか?
このような思考の先にある
クリニックのコンセプトと事業計画を持ちましょう。
ご自分だけで上手くできないなら
有能な開業コンサルタントの力を借りましょう。
そして事業目的が明確になれば、
それはもう「デモシカ」開業ではありません。
このようなプロセスを経て、
「デモシカ」開業を脱却できれば
繁盛クリニックの第1歩です。
それでは、また…。
*ジーネットTV 医師のキャリア(転職・開業)を語ってます!
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