おはようございます。
医師が転職や開業を失敗しないために
キャリアプランの重要性を唱え続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
少子高齢化が進む中で
労働者人口は徐々に少なくなっており、
働く側のキャリアの多様化は進む一方で
採用側も試行錯誤を繰り返しています。
どういう人材に応募して欲しいのか?
どんな人材に入職してもらうべきなのか?
募集要項ではあまり変わりありませんが、
入職後に長く活躍してくれる人材を求めて
面接の場での質問は工夫がされていますね。
本日のブログのタイトルは、
【 先生の今後のキャリアプランをお聞かせ下さい…への回答とは? 】
といたしました。
<目次>
1.最近キャリアプランを聞かれる事が増えています。
・なぜ医師にもキャリアプランを聞くようになったのか?
・医師はキャリアプランをどう答えるべきか?
2.キャリアプランの奥にある本当に知りたいこと?
・キャリアプランは入口です!
・私ならここまで答えます!
*まとめ
目次
1.最近キャリアプランを聞かれる事が増えています。
当ブログではもう10年も前から
キャリアプランの必要性について
様々な形で情報提供を続けてまいりました。
私としては先見の明があったと自負しているのですが
(さすがにこれはちょっと自慢です 笑)
近年さらにキャリアプランの重要性は増しているように感じます。
それはなぜか?
理由はいくつか挙げられると思うのですが、
私が考えるベスト3は…
まずひとつめは、
人生100年時代と言われるようになり
個人の働く期間が延長し
場合によっては組織の寿命を超えるようになってきました。
すると必然的に職場を変えざるを得なくなり、
ポータブルスキルが必要になってきます。
社会が必要とするスキルは
時代の変化により変わってきますから
キャリア設計も二毛作、三毛作になるのですね。
なのでキャリアプランが重要になります。
中長期的な視点で考えねばなりません。
ふたつめは労働人口の減少に備えて
システム化、特にAIのニーズが高まり
徐々に私たちの生活に浸透し始めていることです。
どんなに優秀な方でも
単純労働が多いのでは
長年同じ仕事ができる可能性は下がってきています。
つまり今の専門に
しがみついている訳には行かなくなるのですね。
次の専門をいかにして習得するか?
こういったキャリアプランが求められます。
みっつめは全体のパイが縮小するなかで、
組織の構成員の個々に手厚く分配することが
すでに不可能となりつつあるのですね。
同一労働同一賃金が叫ばれていますが、
高収入の職種と低収入の職種は
明確に区分けせざるを得なくなってきています。
その人の持つキャリアプランによって
将来のルートが決まっていくといっても
過言ではないのです。
こうしてその人が
どんなキャリアプランを持っているのかは
益々重要度を高めているのです。
・なぜ医師にもキャリアプランを聞くようになったのか?
話しをググっと戻します。
私の聞くところによりますと、
昨今、医師の面接の場でも
「先生のキャリアプランをお聞かせ下さい」という
質問が増えているようです。
なぜ医療機関側が
先生のキャリアプランを聞くようになったのか?
その背景や事情について考えてみます。
コロナ前までは
医師の転職マーケットは
完全な売り手市場でした。
求人数 > 医師数
ごく一部の例外を除き、
一般的には医師は職場を選べましたし
医師を採用できねば運営が滞る医療機関は
喉から手が出るほどに医師を採用したがっていましたし、
時には大幅に条件を上げてでも採用に前向きでした。
ところが新型コロナが蔓延してから
転職マーケットの事情は一変しました。
まずは定期非常勤やスポットの求人が激減し
常勤の求人もだいぶ少なくなりましたし、
採用のバーは上がってきて
医師なら誰でもいいくらいの状況から
慎重に見極めるように様変わりしたのですね。
まあ何事にも例外はあり、
こういった状況でも売り手となっている
地域や科目や経験はありますけど…。
ただ総じてコロナ前と比較すると厳しくなりました。
定期非常勤はそもそも求人自体が少なくなりました。
今はワクチンバイトがあるので
しかもそれなりに割がいいので、
何とか食いつなぐこともできてますけど、
ワクチンが一巡した後には
かなり困ったことになりそうです。
常勤に関しては
求人数自体は微減というところですけど
採用バーはかなり上がりました。
自院にマッチした医師。
経営上で貢献してくれる先生。
長く定着してくれる先生。
これらを確認するために
「先生のキャリアプランをお聞かせ下さい」という
問いがなされるようになってきたのですね。
・医師はキャリアプランをどう答えるべきか?
あくまでも面接は
求職者側である医師と
求人側である医療機関のお見合いのようなものです。
転職マーケットに
買い手だ売り手だというのはありますが、
個別具体的な相性の確認ですから
本来は面接の場にどちらが有利だ不利だなんて
あってはならないものです。
双方がお互いのことを
できるだけ深く知り合って
内定を出すかどうか?
入職するかどうか?の判断材料を
面接の場で提供し合うのがベストなんですね。
そこに面接の上手さがあるのですが、
人事部を持つところが少ない医療機関では
面接が上手いケースはあまりなく、
院長や部長の個人的なスキルに頼ることが多いです。
何百件、何千件と採用面接を専門にしてきても
人を見極めるなんてそう簡単ではありません。
それなのに他業務で多忙な中に
時々面接をするような状況では
ノウハウの蓄積も難しいと思うんですよね。
個人的なセンスと勘でするしかなくなります。
そこで…
「先生のキャリアプランをお聞かせ下さい」です。
この質問は自院との相性をチェックするために
とても有効でありますし、
その先生の入職後のポジションや役割も想像できますし、
どれくらいの期間を勤めてくれるのかも予測が付きますし、
何を大事にしている先生なのか、
これからどうなりたいのか、
こういった点も把握できるのですね。
つまり採用しやすくなるという事です。
逆に言うと合わない人は採用しません。
では医師はこの質問にどう答えるべきか?ですが、
これにこうすべきだという正解はありません。
むしろ個性たっぷりで
思う存分に考えていることを述べるべきです。
あまりカッコいい事を言う必要もありませんし、
むしろ表面上を取り繕うことで
ミスマッチが発生いますので避けたほうがいいです。
お見合いですから、
ありのままの自分を伝えるのがベストです。
それで嫌われるなら最初から成立しないほうが
お互いのためだと思うんですね。
ただ注意点というか、ポイントはあります。
下記の5点は頭の片隅に入れておくとよいと考えます。
①
過去、現在の分析があってこその未来です。
時間軸は丁寧に説明しましょう。
②
何をしたいのか?を明確にして、
なぜそう考えているのか?
自分の価値観、判断基準を説明しましょう。
キャリアアンカーが明確だとベストです。
③
キャリアプランの根底となる
ライフプランについても伝えましょう。
家族や個人的な志向性がわかると
相手は判断がしやすく親近感も湧いてきます。
その時点で適切なワークライフバランスを
模索できるといいですね。
④
現時点で見据えているゴールを明らかにしましょう。
ゴールが見えればそのプロセスで
自院がサポートできる箇所が見えてきて
合致すると採用されやすくなります。
⑤
自分のキャリアプラン以外に
何で医療機関や患者さんに貢献できる人間なのかを
適切にお伝えしましょう。
これは条件面にも影響しますし、
お互いの現状確認としても必要不可欠です。
結局のところ、
まずは自分自身の頭の整理が必要です。
どんなキャリアプランを語るか?
基本的には自分の思うことをありのままに語るのが最善です。
ただあまり独善的では困りますし、
転職は相手のあるものですから
いい意味での忖度というか、
相手に合わせることも必要ですよね。
でも自分のキャリアプランを曲げる必要はありません。
まずは率直に述べつつも
柔軟性を持ち合わせていることを伝えるのがよいですね。
<参考>
先が読めない時代だからこそ医師もキャリアプランを何度も塗り替えましょう!
2.キャリアプランの奥にある本当に知りたいこと?
自分のキャリアプランを腹蔵なくお伝えしました。
おそらく相手の反応は様々でしょう。
共感して是非うちに!というケースもあれば、
ん?うちでは無理かな?という表情か…という時もあり得ます。
でもそれでいいと思います。
余程のそこでなければならない理由があるのなら別ですが、
この時点で合わないのなら
仮に入職したとしてもお互い不幸になる可能性が大ですからね。
こちらからはキャリアプランを伝えて、
医療機関からは経営ビジョンを伺う。
そこで合致するものがあるのか?
握手できる点はあるのか?
ここでないなら深追いする必要はありません。
次に向かったほうが健全です。
多少なりともあるなら…。
ここからが本当の勝負どころです。
・キャリアプランは入口です!
例として適切かわかりませんが、
「お見合い」に例えてみます。
最近は、お見合いでの結婚も減っているでしょうし、
私もしたことがないので
あくまでも想像の域を脱しないのですが…。
緊張の初対面。
お互いのプロフィールは見ているものの
何を話せばいいのかわからない…。
ここで活躍するのが仲介してくれた
「おばさん」でしょうか?
なぜかおばさんと決めつけてしまいますが、
何となくおばさんのケースが多いですよね?
転職シーンに例えると
このおばさんが転職エージェントの担当者です(笑)。
医療機関の場合は
面接する院長や診療部長、事務長なども
それほど面接に慣れていませんから
最初の切り出しが上手くなかったりしますし、
ましてや求職者である医師のほうから
話題を切り拓くなんてあまり多くありません。
そこで面接馴れしている
転職エージェントが突破口を拓き、
お互いの緊張をほぐすのがいいですね。
さて、おばさんの世間話しから
だいぶ緊張がほぐれてきて
お互いに笑顔も出てくるようになりました。
そろそろ本人たちに重い口を開かせて
お互いを知り合わねばなりません。
お互いの仕事のこと、
性格がわかるエピソードなどをおばさんは促して
徐々に会話をさせていきます。
理想とする家庭像や結婚生活、
どんな日常を過ごしたいのか?などを
ざっくばらんに語り合うのも有効ですよね。
ここが転職シーンでは
求職者である医師がキャリアプランを語り、
求人側である医療機関が経営ビジョンを語るところです。
きっと質問したいことが
いろいろと出てくるでしょう。
お互いに会話を交わすことで
さらに相手を知りたくなって
さらに質問を重ねていく。
この時点で合わないな…と思ったら
さすがにその先に話しを進めても意味がありません。
無理に繋ごうとしても成立しないですからね。
この時点で合いそうだな…と思ったら
話しはかなり盛り上がるでしょう。
こういうのどう?
その意図は何なの?
もっと詳しく教えて?
これがお見合いでも
面接でも共通した好ましいプロセスです。
こうしたプロセスをきちんと踏むからこそ
お互いを知り得て
好結果に結びつくのではないでしょうか?
・私ならここまで答えます!
「先生のキャリアプランをお聞かせ下さい!」
これをもう少しわかりやすいように訳すと…
「先生は今まで何をしてきたの?」であり、
「先生はこれから何をしたいの?」でもあり、
「先生はうちに何を求めているの?」であり、
「先生はうちで何ができてどう貢献してくれるの?」であり、
「先生とうちは合うかな?」であるんですね。
お見合いと一緒です。
まずは自己紹介がてらのキャリアプランです。
面接の場では長々話しができるわけではありませんし、
話しが長いのはマイナスにもなりかねません。
私なら…
①
私は今まで○○の経験を高めてきました。
よって○○の領域では即戦力となれると思います。
②
その上で今後は◇◇に興味があって
貴院では◇◇の実績が豊富なことから
◇◇についても経験を積ませていただきたいです。
③
私のポリシーは△△であり、
ここは貴院でも貫き通したいです。
コメディカルや事務と一緒になって
△△を院内に広げていきたく考えています。
この3点は確実に伝えます。
今まで何をしてきて何ができるのか?
これから何をしたいのか?
医師として、人として、
できること、したいことは何なのか?ですね。
これが伝わると
先方も聞きたいことや確認したいことが
次から次へと出てくると思います。
お互いに腹を割って様々な質問を繰り返す。
これこそが良い面接であり、良いお見合いです。
これでこそ失敗のない転職活動であり、
失敗しないお見合いではないでしょうか?
<参考>
自分をよく知る、自分と対話する、自分を把握するからこその医師のキャリアプラン!
*まとめ
私の知る限りでは、
ようやく面接の場でキャリアプランを確認するケースが
少しずつ出てきたという状態です。
ただ今後増えてくると思うんです。
いや増えてこなければよい採用はできません。
別に面接のためだけではなく、
自分自身でキャリアプランを考えておくことは
人生設計のためにも、
家族計画のためにも、
将来のキャリア設計のためにも
絶対に有益です。
是非とも当ブログをお読みの先生方には
自分なりのキャリアプランを考えていただき、
いざという時に人に伝えることのできるように
頭の中で整理しておいていただきたいなと思います。
それでは、また…。
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