おはようございます。
医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。
当ブログをご覧になって下さっている先生方は
すでによくご存じの通り、
弊社は医師の常勤を中心とした転職支援と
クリニックの開業支援を行うベンチャー企業です。
大企業ではありませんから
規模や資金力やマンパワーでは全く敵いませんが、
コンサルティング能力であれば
決して負ける気はしません。
もともとそういう質重視の会社を作りたくて
このジーネットを作ってきましたので
方向性にブレはありません。
転職支援では
常勤が中心ですが定期非常勤はお手伝いしています。
残念ながらスポットまでは手が回りません。
開業支援では
開業の後の経営コンサルティングも請け負っています。
これがまた有難いことに
弊社が開業支援を行ったクリニックでは
何と1件も経営コンサルティングをしておりません。
どこも軌道に乗って
経営的に問題がないということです。
弊社が経営コンサルティングを行っているところは
他で開業支援を受けたものの
経営が軌道に乗らなかったところなんです。
いいんだか悪いんだかはわかりませんし、
弊社の事業のことだけを考えれば
開業支援をしたところを
そのまま経営コンサルティングすれば
やりやすいですし、オイシイとも言えるかもしれません。
でも、それでは開業支援をする意味がないと
私は考えているんです。
弊社の開業支援は
開院後に困らないことをミッションとしています。
ここら辺が他の開業コンサルタントとは
かなり違ったところかもしれません。
本日のブログのタイトルは、
【 クリニックの開業を失敗させない10のポイントとは? 】
といたしました。
<目次>
1.クリニック開業の失敗を定義する。
・クリニックが開院する前の失敗とは?
・クリニックが開院した後の失敗とは?
2.ここに気をつければ開業準備は失敗しません。
・クリニックが開院した後に困るベスト3
・クリニックの開業を失敗させない10のポイントとは?
*まとめ
目次
1.クリニック開業の失敗を定義する。
クリニックの開業シーンの世界というのは
意外と狭いものだったりします。
業者さんなど仲間たちも含めて
だいたい2人、3人を介せば
もう業界中の人と知り合えてしまうようなものです。
弊社のクリニック開業支援は
原則、一都三県でサポートさせていただいていますが、
開業相談自体はオンラインであれば
その他の地域でもお受けしております。
すると稀にですが、
大阪周辺の開業コンサルタントを紹介して欲しいなど
弊社のエリア外のご依頼をいただくこともあるんです。
大阪は何名か知人がいるので何とかなりますけど
それ以外の地域でも知人の知人の知人くらいを辿れば
どんな業者さんでも繋がれたりするものなんです。
ですから業界内の情報交換や人脈形成が大事なのですが
なぜそんな失敗をする?という業者や
どうしたらそんなにトラブルだらけになる?という業者が
存在しているのも事実なんです。
私は開業コンサルタントとして
そんな業者さんとは一切お付き合いはいたしませんが、
私の感覚ですと
ダメな人、ダメな会社は、そういう人たち同士で
ネットワークを作っているようです。
これがまた失敗要因になってますけど…。
ではまず開業の失敗には
どんなものがあるのか?を定義付けてまいります。
・クリニックが開院する前の失敗とは?
誠に残念ですが、
クリニックの開業を失敗した話しは
時々、私の耳にも入ってきます。
クリニックを開院する
「前」と「後」に分けて考えてまいります。
クリニックを開業する「前」ですが、
大きな失敗のポイントとしては下記の5つがあります。
・無理めなクリニックのコンセプト
・開業準備に入る前の準備不足
・開業コンサルタントの選定ミス
・業者選定のミス
・業者間の連携がなされない
ひとつずつ見てまいります。
こんなクリニックを作りたい。
この思いは非常に大切ですし、
今後の開業準備の判断の根幹になるとも言えます。
ですから本来は必須なのですが、
ここで気を付けねばならないのは
「客観性」と「現実的なニーズの確認」ですね。
こうしたいが必ずしも成功と結びつくわけでもなく、
時には戦略を見直さねばならないこともあり得ます。
自分の思いと地域ニーズのズレは
意外と自分では気づけないものです。
聞く耳を持たずに突っ走るのもどうかと思いますし、
アドバイス自体を受け付けないのも問題ですね。
経営者は全ての責任を負うので
冷静どころか、冷厳に見つめる視点が必要です。
開業準備前の準備不足とは
コンセプトのところと資金についてです。
自己資金だけで開業準備をスタートできるならいいですが、
銀行から融資を受けるのであれば
他に融資を受けていないか?が問われます。
住宅ローンや車のローンくらいなら問題になりませんが、
多額の融資を受けての不動産投資などは
融資が下りない要因になりかねません。
また自己資金についても
これから経営者となるのであれば
それなりの準備があって然るべきです。
いくら必要か?というよりも
経営者としての心構えとして
自己資金があるのは当然ではないでしょうか。
それから開業コンサルタントの選定です。
ここについては語り始めると長くなりますので
ただ、ひと言。
弊社は開業支援に加えて、
稀に経営支援を請け負っています。
弊社が開業支援を行ったクリニックは
1件も経営支援をしていません。
経営的に軌道に乗っているので必要ないのです。
弊社が経営支援を行っているのは
他社で開業支援を受けたクリニックです。
経営的に軌道に乗っていないのです。
これが開業コンサルタントの差です。
安かろう悪かろうとか、
素人みたいな人の開業支援を受けることは
避けたほうが無難です。
それと業者選定についてですが
これも開業コンサルと同じ構図ではありますが、
業者を下に見るようになったら危険信号です。
それはその程度の業者を選んでいる証拠です。
私が開業支援に携わった先生方は
皆さん成功されていますが、
業者さんをパートナーと位置付けており
それが業者さんのモチベーションを高め
実際にいい仕事をしていました。
こういう構図が作り難い業者を選んでしまっては
その後にどんなトラブルが起きても
自己責任と言わざるを得ません。
最後に業者同士の連携ですが、
これは最も多い失敗事例と言ってもいいかもしれません。
「横」の連携ミスは非常に多いです。
一例を挙げますと
内装設計業者と医療機器メーカーの打合せがなされておらず
内装引き渡し後に機器を搬入しようとしたら
入り口が狭くて入らないとか、
部屋のサイズが当初と変わっていて入らないなんていう
笑えない事例も数多いのです。
本来ならこれも開業コンサルタントの仕事です。
業者同士の連携を促すべきなのですが、
経験不足で無知なコンサルタントの起こしがちなミスです。
詳細の話しをすると
他にもいろいろ気をつけるべき点はありますが、
この5つは代表的な失敗事例です。
・クリニックが開院した後の失敗とは?
次にクリニックを開業した「後」ですが、
こちらも5つのポイントがあります。
・甘い集患マーケティング
・甘い資金繰り
・重い固定費
・スタッフ採用のミス
・低いモチベーション
こちらもひとつずつ見てまいります。
開業準備段階で
絶対にしておかねばならないのは
集患マーケティングと資金繰りです。
資金繰りは、
できるだけ運転資金を残すこと。
もうこれだけです。
要は無駄遣いをして
運転資金を減らすことは
何が何でもしてはいけないということです。
こちらは守り。
攻めが集患マーケティングです。
昨今、特に都心部では競合医院が多く、
黙っていても患者さんが増えていくというのは
なかなか難しくなっています。
自院や地域に合わせた集患対策が必要です。
あれもこれもすればいいものではありませんし、
ホームページひとつ取っても
2~3年前のトレンドとは明らかに変わっています。
費用が掛かっても効果が見込めるなら
開院時は特に積極的に考えるべきですが、
費用が安くても効果が見込めないなら
見送ったほうがいいでしょう。
マーケティングは患者ターゲットや
自院の特徴、地域によって
打つべき手が全く違うのです。
他のクリニックはこうしていたから…ではなく、
自院ならではの、この地域ならではの特性を理解して
確実に手を打っていくべきです。
それから固定費に関しては
資金繰りのところと深く関係するのですが、
私が気になるのは
①家賃、②リース、③人件費の3点です。
坪単価2万円以上の家賃で
新規開院するのは余程の高条件がない限りは
避けたほうがいいでしょう。
すでに数店舗を経営して成功している
医療法人ならいざ知らず、
新規開業でこの家賃は慎重になった方が良いです。
医療機器やシステムを当初の予定以上に購入し、
予算オーバー分をリースに回すのも止めましょう。
採用計画を著しく上回るスタッフ数を
新規開院の時点で揃えるのは考えものです。
経営者として
固定費が思い事業設計は
想像以上に胃がキリキリ痛むことになりますから
回避したほうが良いと思われます。
それからスタッフ採用の問題ですね。
こればかりはクリニックを運営している間は
ずっと付いて回ります。
おそらく開業医の悩みのトップ3に
常に入っているのではないでしょうか。
人の問題はセンシティブですので
あえてここには書きませんけど、
転職エージェントでありながら
開業コンサルタントもできる私どもとしては
腕の見せ所でもあります。
でもそんな開業コンサルタントは
あんまり存在しないと思います。
最後にモチベーションですが、
これはスタッフのモチベーションではなく
院長自身のモチベーションです。
クリニック開院はスタートです。
苦労して開業準備をしてきていますので
何となくゴールと感じる方もいらっしゃるようです。
しかし本番はこれから。
気を引き締め直して取り組んでいただきたいものです。
それともうひとつ。
いつも戒めている「デモシカ」開業ですね。
開業デモするか、開業シカないか。
こういうケースでは開院して満足、
その後に急速にモチベーションが低下することが
わりに多いようです。
万が一、スタートが「デモシカ」開業でも
その後に取り戻すことは充分にできるのですが、
開院した後にも「デモシカ」開業では
関わった方々皆さんに迷惑を掛けることにもなりかねません。
以上が開院後の5つの失敗ポイントですが、
こちらも詳細はたっくさんあるんですけど
これらの「前」と「後」に起こるかもしれない
失敗を念頭に入れておけば防止に繋がりますね。
2.ここに気をつければ開業準備は失敗しません。
クリニックの開業を失敗するというのは
どういう状態を言うのでしょうか?
大別すると2つに分類できると考えます。
ひとつは新規開業して、
患者さんが思うように集まらず
経営的に損益分岐点を超えることができずに
段々とキャッシュフローも厳しくなって
閉院に追い込まれるということです。
もうひとつは、
経営的には問題がなく
順調に患者さんに来院いただけているものの
資金を有効活用しようと考えて
無理な投資をしたり、
分院展開を急ぎ過ぎたり、
時には高額の住宅や車を購入したりして、
キャッシュフローを痛めつけるということです。
いずれにしてもキャッシュフローが重要です。
クリニックが赤字になっても
キャッシュが潤沢ならば問題とはなりません。
クリニックが黒字でも
キャッシュが枯渇しそうになれば大問題です。
経営者たるもの
常に運転資金はどの程度あるのか?を
意識しなければいけません。
・クリニックが開院した後に困るベスト3
まずクリニックが開院して
院長が困ることベスト3を考えてみます。
・患者が来ない。
・スタッフが辞める。
・収入が増えない。
おそらくこの3点ではないでしょうか?
せっかく開院したのに
患者が来ない、そして収入が増えないというのは
院長にとっては物凄いストレスですし、
不安や心配は募るばかりですね。
慌てて集患対策を打ったりするのでしょうが、
この根本的な要因は開業準備段階にあるのです。
マーケティングを怠った。
費用をケチった。
効果の低い策を選んだ。
自院に合わない策を実行した。
患者ターゲットとズレていた。
このようなケースが多いです。
もし開業コンサルタントが付いていて
結果が出ないなら責任の大半はコンサルにありますが、
それでもその人を選んだのですから
反省すべき点はあると思います。
早急な巻き返しが必要ではないでしょうか?
開業コンサルタントは経営を知っている人を選ぶ。
経営者か、少なくとも幹部です。
これ鉄則です。
それとスタッフに関しては
通常、クリニックで勤務するのは看護師や医療事務であり、
そのほとんどが女性なんですね。
なかにはご両親や、旦那さん、お子さんなど
いかんともしがたい理由で辞めねばならなくなったという
ケースは少なくないでしょう。
しかしそれだけとも言えません。
どうしても院長は診察室にこもりがちですから
スタッフ間の人間関係が見えなかったりします。
意識的に声掛けをしたり、
ミーティングをしてみたり、
できることはいろいろあると思うのですが
どうしても忙しさが優先されてしまい、
後回しにしがちなんですよね。
だいたいスタッフが退職を決意する要因は、
・人間関係
・待遇や条件
・業務が合わない
このいずれかではないでしょうか?
開院まもなくですと
人間関係がわりと多いですし、
未経験者の採用の場合は
業務が思っていたのと違ったということが多いです。
院長のひと声で
モチベーションを復活させることもあるので
退職されて、また採用をするよりも、
できるだけスタッフが長続きするよう
気配りをしたほうがいいですね。
ただ経営者として
スタッフの入れ替えは避けられないことも多いので
いざという時に採用に動けるノウハウも必要です。
・クリニックの開業を失敗させない10のポイントとは?
よく言われることですが、
経営資源は「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」です。
クリニックの場合は「モノ」は
それなりに揃っていますし、
「情報」は得ようと思えばかなり得ることができます。
大事なのは「ヒト」と「カネ」なんですね。
それを前提にして
<クリニックの開業を失敗させない10のポイント>を考えます。
①クリニックのコンセプトやビジョンは明確ですか?
②心から信頼できる開業コンサルタントは見つかりましたか?
③開業資金(自己資金分)の準備はできてますか?
④ご家族の応援は得られていますか?
⑤開業地、開業場所は適切ですか?
⑥スケジュールに無理はありませんか?
⑦今の職場とは話しは付いていますか?
⑧初期投資にムダはありませんか?
⑨集患マーケティングに怠りはありませんか?
⑩人員計画に沿った採用はできましたか?
自分で書きながら思ったのですが、
これは「10」に限定するのは結構大変です。
もしかしたら「100」くらい必要かもと思いつつ
さすがにそれは多すぎますし、
大事な点がボケるのも良くないので
私が本当に重要だと思う「10」項目に絞りました。
①は先生ご自身が
ある程度のところまで考える必要があります。
現実的に実現できるのか?は
後々考えるにしても、
まずは大枠、方向性、理想形に関しては
是非とも考えていただきたいです。
そして②の開業コンサルタントですが、
本当に優秀な人が見つかれば
③~⑩に関しても適宜アドバイスをくれますし、
ここに書かれなかった11~100までも
随時サポートをしてくれます。
開業コンサルタントを入れなくても、
低料金の開業コンサルタントでも
「開院」まではできます。
ただ時間と手間をできるだけ省き、
開業を「失敗」したくないならば
優秀な開業コンサルタントを探すことを
検討してもよいと思います。
<参考>
クリニック開業の舞台裏…ぶっちゃけ版
*まとめ
クリニックの開業に関しては
伝えたいことがあまりにもあり過ぎて、
いつもボリューム満載になってしまいます。
他では知ることのできない
結構いいことを言ってるつもりです(笑)。
ただその裏とか背景までしっかり説明しないと
なかなか全てをご理解いただくのは難しそうです。
逆に言うと、
開業支援ってそれくらい奥深いものなのです。
開業物件を見つけて、
いつものお抱えセットの業者を紹介するだけじゃ
もう通用しなくなってきていると思うのです。
オーダーメードの開業支援。
開院後を見据えた開業支援。
これが益々必要になってきていると感じます。
それでは、また…。
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