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お祝い金で求職者を釣る転職エージェントの何がいけないのか?

2023年11月15日by gnetdoctor

 

おはようございます。

医師が転職や開業を通して
より良い未来を手にするために
キャリアプランの重要性を発信し続ける
ジーネット株式会社の小野勝広です。

 

CSR 【 Corporate Social Responsibility 】。

「企業の社会的責任」について
あまりにも無責任というか
全然考えていない経営者って少なくないですね。

何度世間を賑わせても
次から次へと新手の犯罪的な不祥事が出てきます。

短期間で急成長した会社があれば
歴史のある老舗の大手もありますし、
あまりニュースにはならないですけど
中小企業まで含めたら
とんでもない数になるでしょうか。

私の知る限りでも
こんな会社が存続してたら不味いんじゃないかとか
このバカ社長はどこまでおかしいんだ?というケースまで、
もう資本主義社会の欠点と言いますか
目を覆いたくなるような状態が続いています。

これは医療系の転職エージェントも然りですし、
クリニックの開業コンサルタントも同様です。

ヒドイ事例を見るたびに
襟を正さねば…と思いますけど
本当に襟を正すべき人たちは
そんなこと全く考えておらんのですよね…。

 

本日のブログのタイトルは、
【 お祝い金で求職者を釣る転職エージェントの何がいけないのか? 】
といたしました。

 

<目次>
1.お金で釣るって最悪な手段では?
・モラル崩壊は許されない?
・ビッグモーターみたいな転職支援?
2.転職エージェントのレゾンデートル
・どう求職者を集めるのか?
・何を目的に転職支援をするのか?
*まとめ

 

 

1.お金で釣るって最悪な手段では?

少し前のニュースなのですが
まずは下記をご覧下さい。

厚生労働省は

「医療・介護・保育分野における
適正な有料職業紹介事業者の認定制度」の認定基準に、
新たに半年以内に離職した場合は
手数料の返戻を求めることを追加する意向を、
7月10日の社会保障審議会介護保険部会で示した。

認定制度は深刻な人材不足を背景に、
高額な手数料の請求や
採用後の早期退職などの問題が相次いだことから、
悪質な職業紹介事業者対策として2021年度に創設された。

今年3月現在、介護は21社、保育は13社が認定されている。

これまでも職業紹介事業者には
手数料を返戻することが望ましいとされているが、
今回、認定制度内で
具体的に半年以内と期間を定めた認定基準を設けることを検討する。
年度内に結論を出す。

そのほか適正な職業紹介を促すための今後の対策として、
職業紹介事業者に対する
転職勧奨・お祝い金規制に関する集中的な指導監督、
手数料の平均値、離職率の地域・職種ごとの公表、
介護事業者などからの相談に応じる
窓口(全都道府県に設置済み)の周知なども行う。

転職エージェントとして
すでに20年以上も勤める私としては
また同じことを繰り返すんですか?ってなものです。

これでは改善はしないでしょう。
むしろダメな会社が認定制度によって
生き延びてしまっているんです。

実は2015年10月にこんな記事を書いています。
医療系紹介協議会に参加する転職エージェントの実態とは?

この医療系紹介協議会も
上記の「認定制度」と同じようなものではないでしょうか?

それもあってまた同じことを…と申し上げた次第です。

こういうやり方は
悪質企業を生き延びさせる一方で
まともな事業運営をしている企業にとっては
書類の提出など余計な仕事が増えるだけなんですよ。

お役所としては
何かをしないといけないんでしょうけど
この手じゃないと教えて差し上げたいです。

 

・モラル崩壊は許されない?

医師の働き方改革は来年からと迫っています。

医師に限らず
公務員だってビジネスパーソンだって
働き方の適正化は当然進めるべきとは思いますが…
多少は良くはなっているのでしょうけど
実感としては遅々として進んでいないように感じます。

私、思うのですけど
グローバリゼーションが社会全体を覆い始めてから
最も大事なはずの「ヒューマニズム」が欠けていませんでしょうか?

だから過労死や過重労働がなくならない。

ちょっとこじつけかもしれませんけど
一事が万事この調子で
売上のために、利益のために、
人間を壊してしまっているようにすら思えるのです。

少し前にはビッグモーターの不祥事や
オープンハウスの件なども
売上のため、利益のためなら何でもありという
拝金主義の権化と言わざるを得ない状況です。

例えばビッグモーターの件などは
辞任したトップの責任は最も大きいです。

大量の株式を保有しているため
見せ掛けの逃げみたいなものに見えますけど。

もちろん幹部の責任も問われるでしょう。

でも、それでも、
明らかに問題であることを
いくら上からの指令でも
やってしまった人たちにも
責任があるのは間違いないでしょう。

情状酌量の余地はあるとは言え、
そこで上司と喧嘩できなかったのかな?
こんなブラック企業は辞めてやると思えなかったのかな?

まあ誰しもが生活が掛かっているので
そんなに簡単な話しではないでしょうけど、
やらざるを得ないところに追い込まれていたとはいえ
人としての「モラル崩壊」は気になるところです。

そうさせたトップや幹部は
昔なら切腹ものだと思いますけどね。

 

・ビッグモーターみたいな転職支援?

あえて厳しいことを言いますが、
転職支援とか、求人サイトなどは
何度も何度も使ってくれないと
商売上がったりなところがあるんです。

これは構造的な問題です。

しかし何度も転職をするということは
その本人にとっては避けたいことでありますし、
失敗を期待するなんてあってはなりませんよね。

ビッグモーターさんのことばかり書いて悪いですが、
わざと車を傷つけるのと
似たような状況が起きてしまいかねません。

でもそんな業界にしちゃいけませんよ。

何度も転職を失敗させて
何度も紹介先からフィーをいただくなんて
そんなの紹介会社としては絶対にあってはならないことです。

認定制度なんて中途半端なことをしてないで
入口を絞る!
真っ当なビジネスができない会社なら
職業紹介事業者の許可を与えない。

またすでに与えている紹介会社なら
前述した医療系紹介協議会のガイドラインになっている

1.医療従事者の転職活動を濫りに助長するような、
不適切な広告表現は行わない

2.ご紹介した医療従事者に対して、
再転職を目的とした働きかけは行わない

3.求人者に対する適正な紹介行為を阻害するような、
医療従事者への金銭の提供は行わない

これらに違反したならば
即、職業紹介事業者の許可を取り消す。

それくらいにしていいと思うんですよね。

なんかビジネスシーンが
性善説から性悪説になっていて
それはそれで悲しいことではありますが、
ダメなものはダメという断固たる姿勢が必要ではないでしょうか?

 

<参考>
どこまで落ちぶれるのか?医師転職エージェントの近未来…。

 

 

2.転職エージェントのレゾンデートル

個人的な思いの問題ですが、
最近この「レゾンデートル」という言葉が
なぜかとても重要であると考えています。

当ブログもそうですが、
facebookやtwitterなどいろんなところで
この言葉を使っています。

普通に日本語で存在価値とか、
存在理由とか使えばいいんですけど
何となく「レゾンデートル」がカッコ良くて
お気に入りみたいになっています(笑)。

冗談はさて置きまして
不祥事を起こす企業を見ていると
「レゾンデートル」を勘違いしているケースが多いです。

勘違いというか
資本主義的には正しいのでしょうけど
CSRやモラルを喪失してしまっているのですね。

先日ある先生とお話ししていた時には
医療業界も同じですね…
偽医療で儲けることもできるでしょうけど
いつか必ずバレますしね…とおっしゃってました。

私ども転職エージェント業界も
クリニックの開業支援業界も全く同じです。

いかにして売上を上げるかも大事ですけど
その根底には「モラル」が必要不可欠ですよね。

 

・どう求職者を集めるのか?

医療業界に限らず
人材紹介業をするには
求人を集めるとともに
求職者を集めなければいけません。

いずれかが集まらないとなると
完全に商売上がったり…となってしまうのですね。

ですからどこの紹介会社も
ここは必死に動きます。

逆に言うとそういう構図自体が
不正の温床になったり、
行き過ぎた営業活動になりかねないのですね。

今回のタイトルにした「お祝い金」は
まさにそのひとつであります。

求職者の方にとっては
嬉しいことではあると思うんです。

でも厚生労働省や労働局は
求職者をみだりに転職に誘致する行為は
NGであると通達を出しているのですね。

要はそれほどの転職意欲がない方を
お金で釣って転職させてはいけませんよということです。

これは就職お祝い金だけではなく、
登録感謝キャンペーンとか
面談の際に交通費として渡すとか
こういったものも原則禁止です。

また現金だけではなくて
図書カードとか、商品券とか
そういった金券も同様に禁止されています。

だいたい他の業界を見たって
現金を渡すからご利用下さいなんて行為は
そうそうないものでしょう。

お金が欲しいから転職するなんてのは
明らかに求職者を戸惑わせてしまうと思いますし、
早期退職の要因にもなりかねません。

だから厚労省も労働局もダメだ!と言っているのに
今だに平気でやっている紹介会社があることが驚きです。

これも前述したように
求人、求職者を集めないと
商売にならないという構造的な問題です。

特に医療業界の場合は
求人はわりと集まりますけど
医師は簡単には集まりませんので
医師を集めるためなら
コンプライアンス上で問題があっても
強硬に推し進めてしまうのですね。

だって医師が来ないと会社が潰れるんですもの。

ただ私の個人的な見解としては
悪質な行為をしなければ
医師に振り向いてもらえない紹介会社など
潰れて当然と思いますし、
金銭の提供など発覚したら一発退場、
職業紹介の許可を取り消していいと思います。

それくらいにやらないと
なかなか減っていかないですし、
さらに巧妙に隠した手が出てきてしまうのではないでしょうか。

ポイントを付与して
あとで現金化できたり、商品と交換できたり、
こんなのはすでにありますし。

モラルを持たない紹介会社は
ハッキリ言って要りません。

 

・何を目的に転職支援をするのか?

結局のところ、突き詰めてしまえば、
紹介会社を設立して何がしたいの?という話しですね。

営利企業ですから
利益を上げねばならないのですけど
ですけど、カネ儲けがしたい「だけ」なの?
問われるのはここですね。

私は転職エージェント業界で
もう20年以上も生きてきていますので
この業界も変わったな…と強く感じます。

最近はホント金儲けしか考えていない
害悪のような紹介会社が増えています。

いくらホームページなどできれいごとを述べていても
やってることを見ればすぐにわかります。

お祝い金もそうですし
無理やり押し込もうとしたり、
返金規定の期間を超えたら再転職を促したり
あえて転職を失敗させて
再度の転職をさせようとしたり、
もうロクでもない悪魔に魂を売ったのか?というようなことが
普通に行われています。

資本主義社会の欠陥かもしれませんし
グローバリズムがモラルを壊したとも言えますし、
株式会社の限界なのかもしれません。

ビジネスパーソンは「企業の社会的責任」を考え、
もし詐欺的な行為やコンプライアンス上で問題のある
経営をしている会社なら早期の退職を考えるべきでしょう。

もちろん全責任は経営者にあります。
経営者がバカだと会社は潰れるのです。

そんな人の下で頑張る必要はありません。

そもそも転職支援を志す人たちは
誰かのためにお役に立ちたい思いが強い人が多いですね。

その思い…大切にしましょうよ。

求職者を引っ掛けるために
仕事をしているわけではないはずです。

世のため人のために
全力で仕事をしたいですよね。

 

<参考>
あれれ、医師の転職支援をするんじゃなかったの?

 

 

*まとめ

人材紹介を利用する方は
求職者も、求人側も増えているのは間違いありません。

しかしその一方で儲かりそうだと
何の志も持たずに新規参入する人も多い業界です。

やるなら最低限のルールは守って欲しいですね。
業界として自分で自分の首を絞めるのは勘弁して欲しいです。

まともにやってる人から見たら
大迷惑なんですよ。

それでは、また…。

 

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